会計名及び科目 | 一般会計 | (組織)農林水産本省 (組織)水産庁 |
(項)農業構造改善対策費 |
部局等の名称 | 農林水産本省、中国四国農政局、水産庁、青森県 | ||
補助の根拠 | 沿岸漁業等振興法(昭和38年法律第165号)等 | ||
事業主体 | 農業協同組合2、漁業協同組合1、その他3、計6事業主体 | ||
補助事業 | 北海道北見市青果物等生産流通対策事業等5事業 | ||
上記に対する国庫補助金交付額の合計 | 71,499,300円 |
上記の5補助事業において、補助の対象とは認められないものがあったり、補助の目的を達していないものがあったりなどしていて、国庫補助金61,965,764円が不当と認められる。これを道県別に掲げると別表 のとおりである。
(説明)
農林水産省所管の補助事業は、地方公共団体等が事業主体となって実施するもので、同省ではこれらの事業主体に対して事業に要する費用について直接又は間接に補助金を交付している。
しかして、これらの補助事業の実施及び経理について検査したところ、前記の6事業主体が実施した水田利用再編対策事業、沿岸漁業構造改善事業等の5事業において補助の対象とは認められないものがあったり、補助の目的を達していないものがあったりなどしていた。
いま、これらについて不当の態様別に示すと次のとおりである。
補助の対象とは認められないもの
1事業 不当と認めた国庫補助金 31,534,514円
補助の目的を達していないもの
3事業 不当と認めた国庫補助金 27,976,000円
補助事業で取得した財産を無断で処分したもの
1事業 不当と認めた国庫補助金 2,455,250円
道県名 | 事業 |
事業主体 |
事業費 |
左に対する国庫補助金 | 不当と認めた事業費 | 不当と認めた国庫補助金 | 摘要 |
|
(44) |
北海道 |
青果物等生産流通対策事業(玉ねぎ移植機等の導入) |
相内農業協同組合 (北見市) |
千円 10,200 |
千円 3,400 |
千円 10,200 |
千円 3,400 |
補助目的の不達成 |
この事業は、昭和54年度補助事業として、玉ねぎ栽培の生産性の向上を図るなどのため共同利用機械として玉ねぎ移植機5台及び玉ねぎ収穫機1台を事業費10,200,800円で導入したものである。
しかし、実際は、相内農業協同組合は、上記の機械を、導入当初から相内玉ねぎ振興会に共同利用することを明示しないで賃貸したため、同振興会は、会員の中の農業者5名に、その機械の導入に要した同組合の負担金相当額をそれぞれ賃貸料として負担させ、これを専用させていて、共同利用のために導入した補助の目的を達していない。
(45) | 青森県 | 水田利用再編対策事業(水稲の作付転換) | 西津軽郡鰺ヶ沢町農業者2名 | 37,361 |
37,361 |
31,534 |
31,534 |
補助の対象外 |
この事業は、昭和53年度から56年度までの各年度補助事業として、米の生産調整を図るなどのため、鰺ヶ沢町の農業者2名に対し、転作等実施計画に基づき水田延べ479,720m2
(53年度130,000m2
、54、55両年度それぞれ118,000m2
及び56年度113,720m2
)に麦を作付けしたとして、水田利用再編奨励補助金37,361,300円(53年度10,140,000円、54、55両年度それぞれ9,204,000円及び56年度8,813,300円)を交付したものである。
しかし、上記水田のうち延べ404,864m2
(53、54、55各年度それぞれ105,036m2
及び56年度89,756m2
)は転作しても補助金交付の対象とならない新規開田地であった。
したがって、これらに係る同補助金31,534,514円(53、54、55各年度それぞれ8,192,808円及び56年度6,956,090円)は交付する要はなかったものである。
(46) | 島根県 | 第2次沿岸漁業構造改善事業(漁船漁具保全施設の設置) | 浦郷漁業協同組合 (隠岐郡西ノ島町) | 35,211 | 14,084 | 35,211 | 14,084 | 補助目的の不達成 |
この事業は、昭和49年度補助事業として、隠岐島内(浦郷、西郷地区)における小型の漁船の機関の修理を実施するため、浦郷漁業協同組合が自ら管理運営することとして50年1月、機関の修理施設として建物1棟355.90m2
及び機械器具一式を事業費35,211,000円で、八束郡美保関町に設置したものである。
しかし、同組合は、上記の施設を自ら管理運営することなく、設置直後の50年2月から、県に無断でこの施設を船舶機関の修理業者に有償で貸し付けており、補助の目的を達していない。
なお、この事業費から補助金額を差し引いた額については、漁業近代化資金8,312,800円が貸し付けられているが、上記の結果、これに対する50年3月から59年6月までの利子補給補助金355,520円は交付する要はなかったものである。
(47) | 徳島県 | 地域農業生産総合振興事業(里芋選別機の導入等) | 大俣農業協同組合 (阿波郡市場町) | 12,324 | 6,162 | 4,910 | 2,455 | 無断処分 |
この事業は、昭和54年度補助事業として、水田での里芋の転作を促進するとともに出荷経費を節減して経営の安定を図るため、里芋選別機1台、ローラコンベア、コンテナ等を事業費12,324,000円で設置・導入したものである。
しかして、補助事業により取得した上記機械等については、補助金の交付決定に当たって大蔵省令で定めている耐用年数相当期間内においては承認を受けないで譲渡等をしてはならないと条件が付されているのに、大俣農業協同組合では、57年5月に上記機械等のうち耐用年数8年の内導入後わずか2年半しか経過していない里芋選別機(取得価格6,832,000円、残存価格4,910,500円)を無断で農機具製造会社に売却していた。
なお、この事業費から補助金額を差し引いた額については、農業近代化資金4,500,000円が貸し付けられているが、上記の結果、里芋選別機に対する57年6月から59年3月までの利子補給補助金18,265円は交付する要はなかったものである。
(48) | 香川県 | 地域農業生産総合振興事業(サイロの設置等) | 鴨部飼料生産組合 (大川郡志度町) | 21,672 | 10,492 | 21,672 | 10,492 | 補助目的の不達成 |
この事業は、昭和56年度補助事業として、粗飼料を供給することにより、酪農経営を長期的に安定させるため、共同利用の施設等としてサイロ1基、トラクタ1台、多用途農作業車1台、バキューム1台、運搬車2台、コーンハーベスタ1台等を事業費21,672,000円で設置・導入したものである。
しかし、実際は、鴨部飼料生産組合は、上記施設等の設置・導入に当たり、農業者6名に、その施設等に係る同組合の負担金相当額をそれぞれ負担させ、これを当初から専用させていて、共同利用のために設置・導入した補助の目的を達していない。
計 | 116,769 | 71,499 | 103,528 | 61,965 |