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  • 昭和58年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第10 労働省|
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  • 補助金

職業訓練関係補助金の経理が不当と認められるもの


(108)−(111) 職業訓練関係補助金の経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)労働本省 (項)職業転換対策事業費
(項)職業訓練費
部局等の名称 岡山県、広島県
補助の根拠 職業訓練法(昭和44年法律第64号)
事業主体 岡山県、広島県
補助事業 県知事が離転職者を対象として新たな職業に必要な技能を習得させるために行う職業転換訓練事業等
上記に対する国庫補助金交付額の合計

昭和57年度

639,167,506円
昭和58年度 217,871,317円
857,038,823円

 上記の補助事業において、事業費を過大に精算していて国庫補助金9,103,412円が不当と認められる。これを県別に掲げると別表 のとおりである。

(説明)

 この補助金は、職業訓練法の規定に基づいて都道府県知事が、職業の転換を必要とする離転職者で公共職業安定所長が新たな職業に必要な技能を習得させるため職業訓練校に入校を指示した者に職業転換訓練を実施した場合、及び中学校卒業者等に職業に必要な基礎的技能、知識を習得させるため職業訓練を実施した場合に、その都道府県に対してこれらに要する費用(人件費、訓練事業費等)を補助するものである。

 そして、その交付額は、補助対象事業費のうちの訓練事業費については、これを細分した経費区分ごとに、実支出済額から収入金の額を控除した額と労働省が定める算定基準により算定された額(以下「算定基準額」という。)とを比較していずれか少ない方の額を補助対象事業費とし、これに2分の1の補助率を乗じた額となっている。さらに、訓練事業費のうち実習に要した経費については、実支出済額から訓練実習により生じた製品売払代等の実習収入を控除した額と年間平均在校生数に上記算定基準に定める単価を乗じて得た算定基準額とを比較していずれか少ない方の額を補助対象事業費とするほか、実支出済額から実習収入を控除した額が算定基準額を超過し、その超過した実支出済額が訓練基準に適合し、かつ、必要と認められる訓練に充てられたと認められる場合には、労働大臣が認める額を限度として実習経費加算額(昭和57年度以前は「実習経費超過負担分」)を補助対象事業費に加算することとしている。

 しかして、岡山県及び広島県においては、補助対象事業費の精算に当たり、実習に要した経費の実支出済額に補助の対象とならない寄宿舎の光熱水料を計上したり、訓練生募集経費等について実支出済額が算定基準額を下回っているのに算定基準額を補助対象事業費としたりして過大に精算していた。

(別表)

県名 補助事業 事業主体 年度 補助対象事業費 左に対する国庫補助金 不当と認めた補助対象事業費 不当と認めた国庫補助金 摘要
千円 千円 千円 千円
(108) 岡山県 職業転換訓練事業 岡山県 57 205,510 111,332 3,035 1,517 事業費の精算過大

58

203,425 113,418 3,743 1,871
小計 408,936 224,750 6,778 3,389

 この事業は、岡山県立倉敷技術訓練センターほか3校で職業転換訓練を実施したもので、岡山県では、昭和57年度分の訓練事業費のうち実習に要した経費の補助対象事業費の算定に当たり、実支出済額18,136,824円から実習収入7,574,592円を控除した10,562,232円と算定基準額6,018,000円とを比較して少ない方の6,018,000円に、これを超過した4,544,232円のうち3,585,000円を実習経費超過負担分として加算して、補助対象事業費を9,603,000円としていた。しかし、上記の実支出済額のなかに補助の対象とならない寄宿舎用光熱水料3,995,188円を誤って計上しており、適正な実支出済額は14,141,636円、実習経費超過負担分は549,044円となるので、適正な補助対象事業費は6,567,044円となり、3,035,956円が過大に精算されていた。

 また、58年度分については、実習に要した経費の実支出済額17,184,954円から実習収入8,486,914円を控除した8,698,040円と算定基準額5,963,040円とを比較して少ない方の5,963,040円に、これを超過した2,735,000円を実習経費加算額として加算して補助対象事業費を8,698,040円としていた。しかし、この実支出済額のなかに補助の対象とならない寄宿舎用光熱水料3,743,023円を誤って計上していたので同額が過大に精算されていた。

(109) { 岡山県 職業訓練事業 岡山県

57

198,530 101,758 3,543 1,771 事業費の精算過大
58 204,853 104,452 262 131
小計 403,384 206,211 3,805 1,902

 この事業は、岡山県立岡山高等技術専門校ほか5校で職業訓練を実施したもので、岡山県では、昭和57年度分の訓練事業費のうち実習に要した経費の補助対象事業費の算定に当たり、実支出済額24,491,113円から実習収入7,900,153円を控除した16,590,960円と算定基準額8,955,400円とを比較して少ない方の8,955,400円に、これを超過した7,635,560円のうち5,000,000円を実習経費超過負担分として加算して、補助対象事業費を13,955,400円とし、また、訓練事業費のうち災害見舞金の補助対象事業費を算定基準額の150,000円としていた。しかし、上記の実支出済額のなかに補助の対象とならない寄宿舎用光熱水料6,072,517円を誤って計上しており、適正な実支出済額は18,418,596円、実習経費超過負担分は1,563,043円となるので、適正な補助対象事業費は10,518,443円となり、また、災害見舞金については、実支出済額が43,099円であるのでこの額が補助対象事業費となり、計3,543,858円が過大に精算されていた。

 また、58年度分については、実習に要した経費の実支出済額18,282,305円から実習収入9,649,905円を控除した8,632,400円を補助対象事業費としていた。しかし、この実支出済額のなかに補助の対象とならない寄宿舎用光熱水料262,127円を誤って計上していたので同額が過大に精算されていた。

(110) 広島県 職業転換訓練事業 広島県 57 455,703 257,728 2,374 1,187 事業費の精算過大

 この事業は、広島高等職業訓練校ほか6校で職業転換訓練を実施したもので、広島県では、訓練事業費のうち指導員研修経費、訓練生募集経費及び災害見舞金の補助対象事業費をいずれも算定基準額の703,000円、4,660,000円及び284,000円としていたが、実支出済額はその算定基準額をぞれそれ51,024円、2,281,365円及び42,337円下回っており、計2,374,726円が過大に精算されていた。

(111) 広島県 職業訓練事業 広島県 57 334,501 168,348 5,247 2,623 事業費の精算過大

 この事業は、広島高等職業訓練校ほか6校で職業訓練を実施したもので、広島県では、訓練事業費のうち図書購入費、訓練生募集経費、災害見舞金、技能照査等実施費及び視聴覚設備等経費の補助対象事業費をいずれも算定基準額の503,000円、9,820,000円、122,000円、1,482,000円及び723,000円としていたが、これらの実支出済額はその算定基準額をぞれそれ335,060円、3,895,706円、16,731円、291,511円及び708,120円下回っており、計5,247,128円が過大に精算されていた。

1,602,525 857,038 18,206 9,103