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  • 昭和58年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第11 建設省|
  • 不当事項|
  • 補助金

補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの


(113)−(125) 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計(組織)建設本省 (項)都市計画事業費 (項)河川等災害復旧事業費
(項)沖縄開発事業費
道路整備特別会計 (項)道路事業費 (項)街路事業費
治水特別会計(治水勘定) (項)河川事業費 (項)河川総合開発事業費
部局等の名称 青森県ほか11都県
補助の根拠

道路法(昭和27年法律第180号)、下水道法(昭和33年法律第79号)、河川法(昭和39年法律第167号)等

事業主体 都1、県4、市3、町4、村1、計13事業主体
補助事業 青森県五所川原市県道妙堂崎五所川原線五所川原大橋橋梁整備等13事業
上記に対する国庫補助金交付額の合計 2,137,743,940円

 上記の13補助事業において、工事費又は補償費の積算が適切でなかったり、工事の施工が設計と相違していたり、事業の一部を実施していなかったりなどしていて国庫補助金67,035,523円(一般会計の分17,017,315円、道路整備特別会計の分41,794,125円、治水特別会計の分8,224,083円)が不当と認められる。これを都県別に掲げると別表 のとおりである。

(説明)

 建設省所管の補助事業は、地方公共団体等が事業主体となって実施するもので、同省ではこれらの事業主体に対して事業に要する費用について補助金を交付している。
 しかして、これらの補助事業の実施及び経理について検査したところ、前記の13事業主体が実施した下水道事業、道路事業、河川事業等の13事業において、工事費又は補償費の積算が適切でなかったり、工事の施工が設計と相違していたり、事業の一部を実施していなかったりなどしていた。
 いま、これらについて不当の態様別に示すと次のとおりである。

工事費又は補償費の積算が適切でないもの
4事業 不当と認めた国庫補助金 14,289,955円
工事の施工が設計と相違しているもの
4事業 不当と認めた国庫補助金 9,854,749円
事業の一部を実施していないもの
3事業 不当と認めた国庫補助金 32,127,819円
事業費の精算が過大となっているものなど
2事業 不当と認めた国庫補助金 10,763,000円

(別表)

都県名 事業 事業主体 事業費 左に対する国庫補助金 不当と認めた事業費 不当と認めた国庫補助金 摘要

(113)

青森県

五所川原市県道妙堂崎五所川原線五所川原大橋橋梁整備
(物件等の補償)

青森県

千円
217,105

千円
144,736
千円
4,975
千円
3,316

補償費の積算過大

 この事業は、県道妙堂崎五所川原線の五所川原大橋を新設するため、昭和57年度に五所川原市字不魚住地内の事務所建物等の移設、市中ガス配管設備等の新設等の補償を実施したものである。青森県では、このうち市中ガス配管設備(第1〜第3工区延長1,687.5m)の補償費135,523,000円の積算に当たり、第1工区(1,007.5m)の配管費19,073,300円のうち、材料費については、直径300mmのガス管(直管)1本当たりの長さを5mとして所要本数を202本と算出し、これに接合用材などを合わせて15,060,897円と算定し、労務費については、作業員の職種を配管工及び土工とし、その労務単価を東北地区用地対策連絡会作成の損失補償金算定標準書により、9,400円及び10,400円として、4,012,501円と算定していた。

 しかし、材料費についてみると、直管1本当たりの正しい長さは6mで、これによれば所要本数は168本で足り、それに伴い接合用材も少なくてすむなどのため12,870,017円となる。また、労務費についてみると、積算において土工の職種に当たるとしている作業の内容は配管工の補助的作業を行うものであって、このような作業に対応する職種としては人夫(重)が設定されているのであるから、その労務単価7,700円で積算すべきであり、このほか、本工区は、他工区と同様ガス管を道路敷等へ布設するものであるのに、一般事務所ビルの屋内外の配管工事を対象とした歩掛かりを適用していたりなどしていたのは誤りで、適正な労務費は2,587,288円となる。

 さらに、第2、第3工区の配管費においても土工の労務単価の算定に当たり上記と同様の事態があるなどしていて651,581円が過大となっている。

 いま、仮に上記により市中ガス配管工事の補償費を修正計算すると、130,547,538円となり、本件補償費はこれに比べて4,975,462円(国庫補助金相当額3,316,974円)が過大になっていると認められる。

(114) 東京都 千代田区三崎町低地対策河川神田川防潮堤築造
(その14)
東京都 234,730 70,419 13,800 4,140 工事の施工不良

 この工事は、東京高潮対策事業の一環として、昭和57、58両年度に千代田区三崎町地内の神田川右岸において、片持ばり式鉄筋コンクリート擁壁(以下「逆T型擁壁」という。)676.3m3 、延長38m及びもたれ式L型鉄筋コンクリート擁壁(以下「L型擁壁」という。)31.4m3 、延長13.4m等を施工したものである。

 しかして、設計書、図面及び仕様書等によると、逆T型擁壁は、在来の護岸を取り壊し、基礎に鋼管杭(径80cm、長さ10m)を建て込み、その上部に高さ10m(壁体部分の幅0.4mから1.63m)の擁壁を、また、L型擁壁は、在来の鋼矢板護岸の上部に高さ4.8m(壁体部分の幅0.25mから0.65m)の補強擁壁を、いずれも鉄筋コンクリートにより施工することとし、コンクリートの圧縮強度は防潮堤であることを考慮して240kg/cm2 以上を基準としていた。

 しかるに、逆T型擁壁のうちその天端から5.5mの間の壁体部分のコンクリート164m3 及びL型擁壁のコンクリートの全量は、いずれもその施工管理に特段の注意を要する夏期の高温下に打設しているにもかかわらず、生コンクリートの運搬から打設までに長時間を要したこと、コンクリートの打設に当たり、締め固めや養生が十分でなかったことなどが重なったため、逆T型擁壁の上部(天端から約3.4mの間)には、すでに縦方向にき裂がほぼ等間隔に11箇所も生じており、また、採取した試料の圧縮強度も、逆T型擁壁は10箇所のうち5箇所が173kg/cm2 から218kg/cm2 、L型擁壁は調査した2箇所のいずれもが154kg/cm2 及び156kg/cm2 と低いものとなっていて、施工が著しく粗雑となっている。

(115) 新潟県 見附市市道六本木田井線開運橋橋梁整備 見附市 60,000 40,000 22,463 14,975 事業の一部不実施

 この事業は、市道六本木田井線の改築事業の一環として、昭和56年度から58年度までの間に、橋りょう取付道路用地3,260.0m2 の取得、車庫等の建物4棟、庭木50本等の移転補償等を事業費計60,000,000円で施行するもので、見附市では、各年度とも事業が当該年度内にすべて完了したとして、国庫補助金計40,000,000円の交付を受けていた。

 しかるに、上記のうち、物件の移転補償として、年度内に実施したとしている、56年度における車庫等2棟延べ62.0m2 及び庭木一式計4,164,000円、57年度における農作業場1棟延べ109.0m2 5,218,500円、58年度における専用住宅1棟延べ164.6m2 及び工作物等一式計13,081,000円、合計22,463,500円(これに対する国庫補助金相当額計14,975,666円)については、いずれも当該年度内に支払を了していたが、移転を実施していなかった。そして、会計実地検査当時(59年7月)においても、56年度分の庭木の一部、58年度分の専用住宅延べ90.1m2 等についてなお移転していない状況であった。

(116) 山梨県 都留市都市計画道路四日市場古川渡線街路新設 都留市 80,667 51,800 23,575 15,717 事業の一部不実施
うち国庫補助対象額
77,700

 この事業は、都留都市計画道路四日市場古川渡線(道路幅員12m、延長820m)街路新設事業の一環として、昭和47年度から50年度までの間に、道路用地計6,481m2 の取得等を事業費80,667,018円で施行するもので、都留市は、各年度の事業がいずれも当該年度内に完了したとして、国庫補助金計51,800,000円の交付を受けていた。

 しかるに、上記のうち47、49年度及び50年度に実施したとしている土地1,382m2 の取得等23,575,964円相当分(これに対する国庫補助金相当額15,717,309円)については土地所有者の同意を得ることができなかったなどのため、59年6月の会計実地検査当時においてもなお事業を実施していない状況であった。
 なお、同市では、上記事業不実施額のうち22,078,000円については、別途に銀行預金として保管した後、58年10月同市の一般会計の歳入に繰り入れていた。

(117) 長野県 下水内郡栄村県道津南秋山長野原線56年災害復旧 長野県 188,150 125,496 7,945 5,299 工事費の積算過大

 この工事は、昭和56年5月の地すベりにより被害を受けた栄村上の原下地内の県道津南秋山長野原線の延長120.6m区間を復旧するため、56、57両年度に地すべり抑止ぐい(以下「くい」という。)70本、アンカー60本等を施工したもので、このうち、くい工事については、大口径ボーリングマシン(以下「ボーリングマシン」という。)等により谷側斜面を鉛直に深さ18m削孔して、その中に外径400mm、長さ18mの鋼管ぐいを建て込み、この中空部分及び地山との空げきにコンクリート及びモルタルをそれぞれ注入し、くいと地山を一体化させることとしている。そして、くい工費の積算については長野県が制定した「積算基準及び標準歩掛」(以下「積算基準」という。)により、ボーリングマシン等によるくい1本当たりの削孔、鋼管建込等に要する時間を1,350.2分とし、これに、本件施工現場がれき混り土、玉石転石混り土及び軟岩(A)の3地質で6層となっているため、地質が変化するたびに各1回計5回ボーリングマシンのビットを交換する必要があるとして、交換に要する時間125分を加えた1,475.2分を1本当たりの施工時間とし、これによりくい1本当たりの運転時間を24.58時間と算出し、これをボーリングマシンの運転日当たり運転時間5.6時間で除してくい1本当たりの運転日数を4.39日と算出し、また、これらのくい1本当たりの運転時間又は運転日数によりボーリングマシン等の機械経費及び労務費を算出し、これに鋼管ぐいの材料費等を加えてくい工費を1本当たり1,579,227円、70本分で110,545,890円と算定していた。

 しかし、くい1本当たりの施工時間に含まれているビットの交換時間125分については、積算基準によれば本件施工現場の前記3地質はいずれも同一種類のビットにより削孔できることとなっているので計上する要はなく、また、くい1本当たりの運転日数の算出に当たっては、ボーリングマシンの運転日当たり運転時間を5.6時間としているが、これは誤ってボーリングマシンの供用日当たり運転時間を適用したものであって、正しくは7.4時間である。これらにより計算すると、くい1本当たりの施工時間、運転時間及び運転日数はそれぞれ1,350.2分、22.5時間、3.04日となり、くい工費は、豪雪地域における建設機械の損料割増が計上漏れとなっているものなどを考慮してもくい1本当たり1,449,629円、70本分で101,474,030円で足りることとなる。

 また、くい補強のため施工したアンカー工費の積算において、消耗材料費の算定に当たり使用数量を過大に計上していたなどのため864,144円が過大となっていた。
 いま、仮に上記により工事費を修正計算すると、積算漏れとなっていた地質調査ボーリング2本分の経費等2,626,077円を考慮しても総額180,204,345円となり、本件工事費はこれに比べて約7,945,000円割高となっていると認められる。

(118) 三重県 安芸郡安濃町準用河川大谷川改修 安濃町 14,840 4,946 4,699 1,566 工事の施工不適切

 この工事は、安濃町が神田、安部地内の準用河川大谷川改修事業の一環として、昭和58年度に大谷川の河川延長886mについて河川断面を拡大し、流下断面の増大を図るため、既設の右岸堤防を撤去したうえ河床を暫定河床高まで掘削し、その発生土量6,094m3 の一部を流用して既設の左岸堤防より11.8mから13.7mの地点に延長832m、高さ0.94mから2.4m、天端幅3.0mの右岸堤防を新たに築造するなどの工事を施行したものである。

 しかるに、河川延長238mの区間については、56、57両年度に、同町が本件工事に必要な用地を誤って計画幅より少なく買収し、請負業者は買収の際設定された境界から設計図面に基づいて築堤工等を施工したため、堤防が設計位置より1.0mから2.5m(平均1.82m)河川側に寄り、その結果設計河川幅が確保されず、河川断面が設計に比べ8%から38%(平均21%)狭あいとなっていて、計画した流量が流下できない状況となっていたり、河川延長105mの区間については、堤防の設計高さは1.28mから2.4mとなっているのに実際は1.23mから2.08mとなっていて、最大0.48m(平均0.25m)不足していたりなどしていて工事の目的を違していない。また、その他の区間については、設計に比べ河床の掘削が435m3 、堤防の盛土が61m3 それぞれ不足していた。

(119) 和歌山県 有田郡金屋町町道西ヶ峯中峯線道路改良 金屋町 31,020 20,680 2,446 1,630 工事の施工不良

 この工事は、町道西ヶ峯中峯線の道路改良の一環として、昭和57年度に金屋町西ヶ峯地内に延長103.1mの道路を新設するため、山留工、路側工各65.7m及びボックスカルバート(以下「カルバート」という。)23m等を施工し、うちカルバートは、道路予定地を横断している谷あいの渓流が盛土により道路下に埋没するため、この間の排水施設として設置したもので、設計書及び図面によれば、その構造は、内空の幅2.0m、高さ2.5mとし、施工箇所の土被りが最大7.3mであることから建設省制定の土木構造物標準設計により頂版及び側壁の厚さを35cm、底版の厚さを40cmとし、下流側から10m地点に伸縮継手を設けるとともに、カルバートの基礎工として砕石(径5cm〜15cm)を厚さ50cmに敷き均しその上に、伸縮継手部から上、下流側各1m区間については鉄筋を配筋した厚さ40cmの捨コンクリートを、その他の区間については無筋の厚さ30cmの捨コンクリートをそれぞれ施工することとしていた。

 しかるに、カルバートの基礎には、高盛土の施工のため相当な土圧がかかるにもかかわらず、基礎砕石の締め固めを十分行わなかったため、下流側10mのカルバートは、伸縮継手から1.35m付近で幅1mmから3mmのき裂が側壁と底版の全断面に生じており、特に底版は捨コンクリートまでき裂が達している状況であった。

(120) 和歌山県 日高郡美山村村道池の谷線楠ノ木橋橋梁整備 美山村 78,477 52,318 4,431 2,954 契約処置不適切

 この工事は、昭和56、57両年度補助事業として、村道池の谷線楠ノ木橋を架け替えたもので、美山村では、これを契約額78,477,000円(当初契約額77,440,000円)で請け負わせ施行していた。
 しかして、この契約を指名競争に付するに当たり、予定価格は84,681,000円、最低制限価格は予定価格の91.4%に当たる77,400,000円と設定し、8業者を指名して入札を行ったところ、そのうちの7業者の入札価格は最低制限価格を下回る73,067,000円(予定価格の86.2%)から76,212,000円までであったので、これらの入札者を失格として排除し、最低制限価格とほぼ同額の77,440,000円(予定価格の91.4%)で入札した業者を落札者と定め契約していた。

 しかし、本件契約は、上記のとおり指名競争入札によっており、同村では、資力、信用、能力等を審査のうえ、契約の内容に適合した履行を十分に期待できる業者を選定して入札に参加させているにもかかわらず、予定価格に対して91.4%という高率の最低制限価格を設定したため、契約の適正な履行が確保できると認められる価格で入札した7業者を排除することとなり、競争契約における競争の利益を著しく阻害し、その結果、最低価格で入札した業者と契約したとした場合に比べて4,431,000円(国庫補助金相当額2,954,000円)割高な契約を締結することとなったのは適切とは認められない。

(121) 岡山県 阿哲郡神郷町高瀬川ダム建設関連町道梅田線付替 岡山県 19,750 14,501 3,357 2,517 工事の施工不良
うち国庫補助対象額
19,335

 この工事は、高瀬川多目的ダムの建設に伴い水没する町道梅田線の付替事業として、昭和56、57両年度に神郷町釜村高瀬地内に延長2,222.5mの道路を新設するため、切土法面保護工として山側斜面にモルタル吹付け2,883.0m2 (その1工区555.9m2 、その2工区1,215.5m2 、その3工区459.6m2 、その5工区651.7m2 )等を施工したもので、うちモルタル吹付けは、設計書、図面及び仕様書等によると、事前に湧水を吹付け面外に導くなどの処理を行い、地山法面の浮石等を取り除いて清掃した後、全面にわたり径2mmの金網(網目5cm×5cm)を張り、十分に練り混ぜたモルタルを地山から厚さ7cmに吹き付け、吹付け後は、急激な乾燥、温度変化等による影響を受けないよう十分養生することとしていた。

 しかるに、その1工区のうち312.4m2 及びその2工区のうち365.0m2 計677.5m2 のモルタル吹付けについては、湧水の処理が適切でなかったり、地山法面の浮石等の取り除き清掃が十分行われていなかったり、練り混ぜが不十分なモルタルを一部使用したり、養生も十分でなかったりなどしていて、施工が著しく粗雑となっており、吹付けモルタルの随所にき裂を生じていたり、セメントと砂が分離し容易に破壊される部分があったり、吹付けモルタルと地山との間に空げきを生じていたり、吹付け厚さが一部不足していたりしている状況であった。

(122) 徳島県 徳島市公共下水道眉山ポンプ場築造 徳島市 121,062 72,637 6,515 3,909 工事費の積算過大

 この工事は、徳島市公共下水道事業の一環として、昭和58年度に徳島市明神町地内にポンプ場を新設するため、土留壁等として連続地中壁(壁厚1m、高さ36.5m)延長15mを施工したもので、工事費の積算についてみると、掘削工及び安定液循環工等の工費については、掘削機及びこれに組み合わせて使用するマッドスクリーン、サイクロン、サクションポンプ、バックホウ等の機械損料を、建設省が制定した建設機械等損料算定表の運転1時間当たり換算値欄の損料に所要運転時間をそれぞれ乗じて算出し、これに労務費等を加えて48,170,795円と算定していた。

 しかし、上記損料算定表の運転1時間当たり換算値欄には、掘削機及びバックホウを除くマッドスクリーン等の機械損料は、日当たり損料で表示されており、本件積算は、1時間当たりの損料を基にして算出することになっているのであるから、この日当たり損料を時間当たり損料に換算して運転時間に乗ずべきであり、また、掘削機の組合せ機械として、掘削土砂の処理にバックホウを使用することとして積算しているが、1日当たりの掘削土量が少ないこの種工事では、バックホウに比べて損料が低廉となるムカデコンベア等を使用するのが一般的であるので、本件もこれによって算定すべきであったと認められ、これらによれば掘削工及び安定液循環工等の工費は34,449,682円となる。

 いま、仮に上記により工事費を修正計算すると、積算不足となっていた継手工の製作工費等5,961,680円を考慮しても、総額114,546,839円となり、本件工事費はこれに比べて約6,515,000円割高になっていると認められる。

(123) 佐賀県 杵島郡江北町町道東分祖子分線道路改良 江北町 54,000 36,000 2,152 1,434 事業の一部不実施

 この事業は、町道東分祖子分線の道路改良事業の一環として、昭和57年度に道路用地計1,494.8m2 の取得等を事業費54,000,000円で施行するもので、江北町では本件事業が年度内にすべて完了したとして、国庫補助金36,000,000円の交付を受けていた。

 しかるに、上記のうち、同年度に実施したとしている333.8m2 の土地の取得等2,152,266円相当分(これに対する国庫補助金相当額1,434,844円)については、土地所有者の同意を得ることができなかったため、59年7月の会計実地検査当時においてもなお事業を実施していない状況であった。

 なお、同町では、上記事業不実施額のうち333.8m2 の用地費相当額2,002,920円については小切手で収入役が保管した後、59年5月同町の歳入に繰り入れていた。

(124) 宮崎県 南那珂郡北郷町町道中央谷之城線谷之城橋橋梁整備 北郷町 53,680 35,786 2,647 1,764 工事費の積算過大

 この工事は、町道中央谷之城線の北郷町大字郷之原地内の谷之城橋の架替工事の一環として、昭和57年度に旧橋解体工及び取付道路工等を施工したもので、工事費の積算についてみると、旧橋解体工費のうち鉄筋構造物取りこわし(以下「取壊し」という。)工費は、宮崎県が制定した橋梁積算基準(暫定)を用いて同基準の作業区分「構造物の平均厚さ30cm未満の場合」(以下「30cm未満」という。)に相当するものとして83.4m3 及び「構造物の平均厚さ30cm以上の場合」(以下「30cm以上」という。)に相当するものとして327.9m3 とし、これらに1m3 当たり単価16,737円及び20,007円をそれぞれ乗じて計7,956,160円と算定していた。

 しかし、取壊し工費の積算において、上記積算基準では「30cm未満」及び「30cm以上」のほか作業区分として「橋りょう上部」が定められていて、これにより取壊し数量を算出すると「橋りょう上部」は191.6m3 、「30cm以上」は220.0m3 となるのに、誤って「橋りょう上部」に該当する部分を「30cm未満」と「30cm以上」とに区分するなどして算出していたり、また、取壊しの1m3 当たり単価の設定においても「30cm以上」の取壊しに係る10m3 当たりのコンプレッサ運転日数をバックホウの運転時間数で算出していたり、大型ブレーカ(空気式600kg級)の損料として、油圧式大型ブレーカ(600〜800kg級)の損料を適用していたりしているなどの誤りがあって、積算が過大とっており、取壊し1m3 当たり単価は「橋りょう上部」で9,585円、「30cm以上」で12,425円となり、適正な取壊し工費は計4,569,986円となる。

 また、その他の工費について残土の流用を考慮していないなどの誤りがあり628,762円が過大となっている。
 いま、仮に上記により工事費を修正計算すると、積算漏れや積算過少となっていた1,571,565円を考慮しても総額51,032,187円となり、本件工事費はこれに比べて約2,647,000円割高になっていると認められる。

(125) 沖縄県 沖縄県流域下水道那覇、伊佐浜下水処理場改築 沖縄県 2,139,734 1,468,422 11,025 7,809 事業費の精算過大
51年度
52年度
53年度
54年度
55年度
83,300
198,396
1,377,758
130,500
349,780
62,475
132,264
925,940
97,875
249,868
1,168
1,484
3,266
3,170
1,937
876
1,094
2,272
2,113
1,452

 この事業は、那覇市ほか3市4町2村における下水道を整備する一環として、簡易処理施設として供用していた在来の終末処理場等を昭和48年度から58年度までの間に、活性汚泥法による高度処理施設等に改良したものである。そして、沖縄県では、51年度から55年度までの各年度の改良工事の実施に当たり、在来施設の解体、撤去費18,095,215円を含めて補助対象事業費を2,139,734,000円と算定し、その解体、撤去の際に発生した汚水ポンプ等の廃材236.78tについては、工事を完了した翌年度にそれぞれ売払処分し、この処分代金11,025,000円を52年度から56年度までの県の下水道事業特別会計収入金として受け入れていた。

 しかし、在来施設の解体、撤去費を補助対象とした場合において、付随的に売却可能な物件が発生したときは、その価額を事業費から控除して事業費を精算することになっているのであるから、51年度から55年度の各年度に係る処分代金は事業費から控除して精算すべきであり、結局これらの年度についての国庫補助金計7,809,000円が過大となっていた。

3,293,215 2,137,743 110,032 67,035
うち国庫補助対象額
3,289,833