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  • 昭和58年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第3 日本電信電話公社|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

業務関係資料の運送作業の請負契約において、経済的な運送方法によるよう改善させたもの


業務関係資料の運送作業の請負契約において、経済的な運送方法によるよう改善させたもの

科目 (損益勘定) (項)営業費
(項)管理共通費
部局等の名称 東京電気通信局ほか103機関(注)
契約名 運送作業請負契約
契約の概要 社内刊行物、帳票類、料金計算資料等の業務関係資料の運送を専用便により行うもの
契約額 988,086,550円
契約の相手方 日東輸送株式会社ほか17会社等
契約 昭和58年4月〜12月 随意契約

 上記の各部局では、業務関係資料の運送作業の請負契約に当たって、運送方送が適切でなかったため、請負額が約3億2700万円不経済になっていた。
 このような不経済な事態を生じたのは、取扱量について実績の把握が十分でなく、少量の運送も専用便によっていたり、取扱量に適合する車種の選定をしていなかったり、複数の機関が重複した行路を設定していたりしていたことなどによるもので、運送の実態に即した適切な運送方法に改める要があると認められた。
 上記に関し当局に指摘したところ、改善の処置が執られた。

(説明)

 日本電信電話公社では、社内刊行物、帳票類、料金計算資料等(以下「業務関係資料」という。)の運送作業を請負により実施しており、東京電気通信局ほか103機関は業務関係資料の送受のため、電話局等に順次立ち寄る運送行路を設定して専用便により運送を行っているものであるが、この予定価格の算定に当たっては、運輸省が認可している「一般区域貨物自動車運送事業運賃料金」の車種区分1トン車までのものを適用するなどして、所要時間、走行距離等に応じて行路別の単価を算定し、これらに基づいて単価契約を締結し、それぞれの運送実績により1箇月ごとに請負金額を支払っていた。
 しかして、本件運送作業の実態について検査したところ、次のとおり適切でないと認められる点が見受けられた。

(1) 立ち寄る電話局等が少なかったり、遠隔地にあったりする行路を設定しているが、取扱量が少なく専用便によることが不経済と認められるもの(延べ36機関)

(2) 立ち寄る電話局等が多数に上っている行路を設定しているが、取扱量が少なく1トン車の積載可能量を大幅に下回っていて車種の選定が適切でないと認められるもの(延べ66機関)

(3) 1日2回運行することとして行路を設定しているが、1回当たりの取扱量が少なく特に時間的制約もないことから、1日2回の運行の必要がないと認められるもの(延ぺ5機関)

(4) 同じ地域において2又は3の機関等がそれぞれ独自の行路を設定しているが、それぞれの行路で同一の電話局等に重複して立ち寄ることとしており、その取扱量も少なくこれらの行路を統合することとしても支障がないと認められるもの(延べ43機関)

 したがって、これら運送作業請負において、近年、民間の宅配便業者による小口扱いや、軽自動四輸車による運送体制が確立されてきているのであるから、立ち寄る電話局等が少なかったり、遠隔地にあったりするものについては、経済的な小口扱化を図ることとし、取扱量が1トン車の積載可能量を大幅に下回っているものについては、取扱量に適合した経済的な軽自動四輪車を採用することとし、1日2回運行の必要がないものについては、運行回数の削減を図ることとし、また、同一の電話局等に重複して立ち寄ることとしている行路については、各機関の連絡調整を行い行路の統廃合を図ることとするなどの要があると認められ、これらによれば上記請負額を約3億2700万円節減できたと認められた。
 上記についての本院の指摘に基づき、各電気通信局では、「資料輸送業務の改善実施について」等の指示文書を発するなど業務関係資料の運送作業請負契約において、運送方法を適切にするために必要な処置を講じ、これにより前記のうち90機関については、昭和59年11月までに契約変更を行い、他の機関についても60年4月までに契約変更を行うこととした。

(注) 東京電気通信局ほか103機関
東京電気通信局 電気通信局、東京電信電話料金局
関東電気通信局 電気通信局、千葉、埼玉、神奈川各電気通信部、横浜都市管理部、千葉、木更津、市川、松戸、船橋、館山、大宮、浦和、所沢、岩槻、鴻巣、宇都宮、高崎、桐生、甲府、鶴見、戸塚、保土ケ谷、横浜西、水戸各電報電話局、浦和、横浜両電信電話料金局
信越電気通信局 電気通信局、新潟電気通信部、長野、新潟両電話局、松本、長岡両電報電話局、長野電信電話料金局
東海電気通信局

電気通信局、三重、静岡、岐阜各電気通信部、静岡電話局、津、岐阜両電報電話局、名古屋電信電話料金局

近畿電気通信局 電気通信局(資材部)、同(データ通信本部)、和歌山、滋賀両電気通信部、大阪データ局、近畿資材配給局、西奈良、寝屋川、園部、福知山、舞鶴東、宮津、峰山、丹波柏原、亀岡、浜坂、奈良、和歌山西、宇治各電報電話局、京都、神戸、大阪各電信電話料金局、高津、船場両営業所
中国電気通信局 電気通信局、岡山電気通信部、広島北、松江、岡山、下関各電話局、福山、尾道、三次、鳥取、米子、浜田、津山、岩国、山口、呉各電報電話局、広島電信電話料金局
九州電気通信局 電気通信局、熊本、長崎、福岡、大分、鹿児島各電気通信部、福岡、北九州両都市管理部、熊本電話局、大分、八幡、片野各電報電話局
東北電気通信局 電気通信局、仙台青葉通、仙台榴ヶ岡両電話局、仙台電信電話料金局
北海道電気通信局 電気通信局、旭川電気通信部、札幌電信電話料金局