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  • 昭和60年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
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  • 保険給付

雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったもの


(73) 雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったもの

会計名及び科目 労働保険特別会計(雇用勘定) (項)雇用安定等事業費
部局等の名称 北海道ほか9都県(支給庁)
北見公共職業安定所ほか16公共職業安定所(支給決定庁)
支給の相手方 22事業主
特定求職者雇用開発助成金の支給額の合計 40,486,782円

 上記の22事業主に特定求職者雇用開発助成金40,486,782円を支給しているが、支給決定に当たって申請に対する調査確認が十分でなかったなどのため、13,441,376円が不適正に支給されていた。これらについては、本院の注意により、すべて返還の処置が執られた。これを都道県ごとに集計して掲げると別表 のとおりである。
 これは、北海道ほか25都府県(支給決定庁札幌公共職業安定所ほか258公共職業安定所)において2,562事業主に対して支給した2,871,121,184円について本院が調査した結果である。

(説明)

 特定求職者雇用開発助成金は、雇用保険(前掲の「雇用保険の失業給付金の支給が適正でなかったもの」の説明参照 )で行う事業のうちの雇用安定事業の一環として、55歳以上65歳未満の高年齢者など就職が特に困難な者(以下「特定求職者」という。)の雇用機会の増大を図るため、特定求職者を雇用した事業主に対して当該雇用労働者に支払った賃金の一部を助成するもので、公共職業安定所の紹介により事業主が特定求職者を新たに常用労働者として雇い入れたことなどが支給要件となっており、その支給対象期間は雇入れ後1年又は1年6箇月、支給率は支給対象期間に支払った賃金の4分の1、3分の1又は2分の1となっている。そして、その支給の決定は、公共職業安定所が事業主から提出された申請書に記載されている当該雇用労働者の氏名、生年月日、雇用年月日、支払賃金額等を審査して行い、これに基づいて各都道府県が支給することとなっている。

 しかして、特定求職者雇用開発助成金の支給決定の適否について検査したところ、前記の259公共職業安定所のうち北見公共職業安定所ほか16公共職業安定所において、事業主が誠実でなかったなどして、既に雇用している者を新たに雇用したこととしているものなど申請書の記載内容が事実と相違しているものがあったにもかかわらず、これに対する調査確認が十分でないまま支給の決定を行ったなどのため、特定求職者雇用開発助成金を支給した北海道ほか9都県では、本院が調査した230事業主に対する支給額のうち、22事業主分40,486,782円について13,441,376円が不適正に支給されていた。

(別表)


都道県名
公共職業安定所 本院が調査した事業主数 不適正受給事業主数 左の事業主に支給した特定求職者雇用開発助成金 左のうち不適正特定求職者雇用開発助成金

北海道

北見ほか1

17

2
千円
3,349
千円
2、089
東京都 新宿 17 2 2,907 1,065
富山県 富山ほか2 44 3 7,931 2,728
愛知県 犬山 5 1 670 670
奈良県 大和高田 12 2 708 708
広島県 広島ほか1 30 3 11,757 1,676
香川県 丸亀ほか1 32 2 2,293 941
高知県 高知ほか2 49 5 3,583 1,475
長崎県 佐世保 14 1 1,197 562
宮崎県 延岡 10 1 6,087 1,521
 計 17箇所 230 22 40,486 13,441