運輸省では、港湾施設等の建設等の工事を実施する地方公共団体に対して毎年度多額の国庫補助金を交付しているが、一部の事業主体において、単純な形状でコンクリート打設量の比較的多い場合の防波堤、岸壁、護岸等の上部工等について、工事規模等の施工条件を考慮することなくコンクリート打設費を積算していて適切でないと認められたので、運輸省において、各事業主体における工事規模等の施工条件の実情を把握のうえ、コンクリート打設量が比較的多い場合の打設費の積算に当たっては「港湾・空港請負工事積算基準(港湾)」によるなどして実情に応じた積算を行うよう各事業主体に対する指導の徹底を図るとともに、各港湾建設局に対しても、補助事業の審査に当たりその確認を行わせる措置を講ずる要があると認め、昭和61年12月に是正改善の処置を要求した。
これに対し、運輸省では、本院指摘の趣旨に沿い、施工実態を調査、検討のうえ、62年10月に各港湾建設局等に対し指示文書を発して、コンクリート打設量が比較的多い場合は「港湾・空港請負工事積算基準(港湾)」を参考とするなどして施工の実情に応じた積算を行うよう各事業主体に対する指導を行わせるとともに、補助事業の審査に当たりその確認を行わせることとする処置を講じた。