労働省では、雇用保険の被保険者のうち季節的に雇用されたり、短期の雇用に就くことを常態としている短期雇用特例被保険者(以下「特例被保険者」という。)が失業した場合に特例一時金を支給しているが、同一事業所において短期間で就職・離職を繰り返し、離職の都度特例一時金の支給を受けている者のうちには、継続して雇用されることが可能であると認められる者がおり、これらの者に対しても特例一時金を支給していて、制度の趣旨に沿わない事態が見受けられたので、同省において、雇用保険のデータ等を活用するなどして、特例被保険者の就職・離職の実態、特例一時金の支給状況等を把握する体制を整備すること、公共職業安定所における特例被保険者の確認、支給要件の確認等が効果的に行えるよう具体的な方策について指示を行うこと、公共職業安定所に対して特例被保険者の確認等を的確に行うよう指導を徹底することなどの措置を講じ、特例一時金の支給の適正を期する要があると認め、昭和61年12月に意見を表示した。
これに対し、労働省では、本院指摘の趣旨に沿い、雇用保険のコンピュータシステムの変更を行い、同一事業所において短期間で就職・離職を繰り返し、離職の都度特例一時金の支給を受けている者を公共職業安定所で把握できる体制を整備し、62年8月に都道府県に対し通知を発して、公共職業安定所における特例被保険者の確認、支給要件の確認等が効果的に行えるよう具体的な方策について指示するとともにこれを的確に行うよう指導の徹底を図るなど特例一時金の支給の適正を図る処置を講じた。