日本電信電話株式会社において利用者にレンタル方式により提供しているカラー電話機等が、昭和60年4月の民営移行以後、電話機等の端末機器の設置について利用者による選択が自由になったことなどから、耐用年数の経過前に多数解約されており、その大部分は商品として再度提供できる見込みがないなどとして処分されていて、物品費、取付費等からなる創設費の未回収額が多額に上っている。これは、カラー電話機等についての利用者の好みが多様化し、カラー電話機等から新商品への取替えが多いことにもよるが、同会社においてもこのような事態に対する対応が十分でなかったことによると認められ、耐用年数より短い期間で解約されることの多いカラー電話機等のレンタル方式による提供について見直しを図るなどの施策を講じる要があると認め、61年12月に意見を表示した。
これに対し、日本電信電話株式会社では、本院指摘の趣旨に沿い、解約による創設費の未回収額の増こうを防止する施策として、62年4月に、各総支社に対して、新たな利用者には売切りを積極的に勧奨することを指導し、レンタル方式を希望する利用者には在庫のカラー電話機等により対処すること、既にレンタル方式によりカラー電話機等を提供している利用者については買取りを促進することを指示する処置を講じ、また、今後、新たにレンタル提供を行う商品については、解約を考慮して財産除却費相当をレンタル料率に織り込んだ料金を設定することとしている。