会計名及び科目 | 一般会計 (組織)法務局 | (項)法務局ほか7科目 |
登記特別会計 | (項)事務取扱費 | |
部局等の名称 | 仙台法務局ほか29官署 | |
契約名 | 電気需給契約 | |
契約の相手方 | 東北電力株式会社ほか7電力会社 | |
契約期間 | 昭和61年4月〜63年3月 | |
支払電気料金 | 517,711,842円(うち上記官署が管理する合同庁舎に入居している他省庁の分は99,757,935円) |
上記各官署において、変圧器の総容量等に基づいて決定されている契約電力が過大となっていたため、これに基づき算出される電気料金が約5000万円(他省庁分約925万円を含む。)不経済になっていた。
このような事態を生じているのは、変圧器ごとの使用電力を把握し、変圧器の総容量を適切なものとする配慮が十分でなかったことによるもので、電力使用の実態を調査し、変圧器の総容量をこれに適合したものに改めたうえ、゜契約電力を低減することによって電気料金を節減する要があると認められた。
上記に関し当局に指摘したところ、改善の処置が執られた。
(説明)
法務省の福岡法務局ほか59官署(注1) では、電気需給契約に基づき、電力会社から照明設備、冷房設備等に必要な電力の供給を受け、これに対して、契約電力等に応じた電気料金を支払っており、昭和61、62両年度に支払った電気料金は総額1,057,089,519円となっている。
上記の電気需給契約は、いずれも電力会社が定める電気供給規程による業務用電力(契約電力は50KW以上500KW未満)に該当していて、上記官署のうち49官署では変圧器の総容量等に対して所定の係数(注2) を乗じて得た値を契約電力としており、その他の11官署は照明設備、冷房設備等の負荷設備に基づいて計算された値を契約電力としている。そして、このいずれの場合においても経済的な契約電力を設定するには、各変圧器ごとに最大使用電力(注3) を把握し、変圧器の総容量を必要最小限とする配慮が必要であり、同省においても、60年2月には、そのよぅな配慮を促す指導を各官署に対して行っているところである。
しかして、本院において、前記60官署のうち61、62両年度中で月間の使用電力量が最も大きい月の1時間当たり使用電力、変圧器の総容量等からみて契約電力が過大と推定される30官署(注4) について、電力需要が多いと認められる夏期のおおむね3日間における通常の使用状態での最大使用電力と変圧器の容量との関係を調査したところ、(1)変圧器の台数が多すぎたり(15官署、以下態様別の官署数は相互に重複するものがある。)、(2)一部変圧器の容量が過大となっていたり(11官署)、(3)変圧器の組合せが不適切で総容量が過大となっていたり(18官署)していて、変圧器の容量が最大使用電力を著しく上回っているものが多数見受けられたので、経済的な契約電力となるよう変圧器の休止、交換等を行って変圧器の総容量を改めることとすれば、これらの官署の変圧器の総容量等は合計で8,506.44KVA、これに対応する契約電力は合計で5,446KWとなり、現行契約における変圧器の総容量等の合計11,613.98KVA、契約電力の合計6,840KWは、それぞれ3,107.54KVA、1,394 KW 過大となっていると認められた。
いま、仮に上記30官署(61、62両年度支払電気料金517,711,842円、うち他省庁分99,757,935円)について変圧器の総容量を適切なものに改めたうえ契約電力の変更を行うこととすれば、61、62両年度の電気料金は467,709,172円となって、約5000万円(他省庁分約925万円を含む。)が節減できる計算となり、変圧器の休止、交換等のための工事費として2651万円程度を要するものの、今後毎年の電気料金を相当節減できる計算となる。
このような事態を生じているのは、変圧器ごとの最大使用電力を測定するなどして変圧器の総容量を適切なものとする配慮が必要であったのに、従前からの変圧器をそのまま使用していたことによるもので、電力使用の実態を調査のうえ、変圧器の総容量を適切なものとするための指針を整備するなどして早急に契約電力を変更する処置を講じ、もって経費の節減を図る要があると認められた。
上記についての本院の指摘に基づき、法務省では、前記官署について変圧器の容量を適切なものとするよう具体的処置に着手するとともに、63年11月に「電力需給契約の適正化について」の通知を発し、各官署における電力使用の実態を調査し、適切な変圧器の総容量を定めることとするなど、契約電力を適切なものに改善するための処置を講じた。
(注1) 福岡法務局ほか59官署 福岡法務局ほか1法務局、甲府地方法務局ほか17地方法務局、広島高等検察庁ほか3高等検察庁、横浜地方検察庁ほか35地方検察庁
(注2) 所定の係数 電力会社の電気供給規程において、変圧器の総容量等に乗じることとされている係数で、最初の 50KVA につき80%、次の50KVAにつき70%、次の200KVAにつき60%、次の300KVAにつき50%、600KVAを超える部分につき40%
(注3) 最大使用電力 電力需要が最も多くなる時期の通常の状態で使用される電力の値で、個々の変圧器について原則として30分ごとに測定したものの最大値をいう。
(注4) 30官署 仙台法務局、甲府、京都、奈良、和歌山、富山、鳥取、熊本、宮崎、福島、山形、徳島、高知、松山各地方法務局、福岡高等検察庁、水戸、前橋、甲府、京都、和歌山、津、富山、佐賀、熊本、鹿児島、福島、盛岡、秋田、高知、松山各地方検察庁