会計名及び科目 | 国立学校特別会計 (項)大学附属病院 |
部局等の名称 | 東北、千葉、東京、東京医科歯科、信州、名古屋、三重、京都、大阪、広島、九州、鹿児島各大学 |
契約名 | 患者給食委託契約 |
契約の概要 | 入院患者に対する給食業務の一部を委託するもの |
契約の相手方 | 財団法人12、有限会社2、計14法人 |
契約 | 昭和62年4月 随意契約(単価契約) |
支払額の合計 | 4,415,568,601円(昭和62年度) |
上記の患者給食委託契約において、委託料の算定方法が適切でなかったため、委託料が約1億7800万円過大となっていた。
このように委託料が過大となっていたのは、文部省において委託料の具体的な算定方法を示していなかったため、患者が給食を1日1食又は2食しかとらない日も1日3食とるときと同一の単価を適用して委託料を算定していたことによるもので、その算定を給食の提供の実態に即した適切なものに改める要があると認められた。
上記に関し当局に指摘したところ、改善の処置が執られた。
(説明)
国立大学医学部附属病院等(以下「大学病院」という。)では、入院患者に対して給食を行っているが、この給食業務を実施するに当たり、東北大学ほか12大学の23大学病院では、病院内に業務に必要な施設、設備を設置したうえで、給食材料の調達・保存、調理等の業務を随意契約により財団法人等に委託しており、これら23大学病院における昭和62年度の委託料の支払額は49億1411万余円となっている。
しかして、上記委託料の算定の適否について調査したところ、東北大学ほか11大学の20大学病院(注) (委託料の支払額44億1556万余円)では、文部省が各大学病院に示した患者給食の1人1日当たりの単価である1、702円(医師の指示に基づく特別食とそれ以外の一般食の双方を委託する場合の単価)又は1、607円(一般食のみを委託する場合の単価)をもって契約を締結し、この単価に給食を提供した患者の延べ人日数を乗じて委託料を算定していた。そして、この延べ人日数には、患者が入退院、外出、手術、検査等の理由により1日3食のうち1食又は2食しかとらない場合も1人日として算入している状況であった。
しかしながら、文部省が示した上記の単価は朝・昼・夕の3食分の単価とされているものであり、また、各大学病院では、契約の相手方に対し毎食の必要数をあらかじめ通知して給食を提供させているのであるから、委託料の算定は、この単価を朝・昼・夕の各食ごとに分割してこれにそれぞれの提供食数を乗ずるなど、給食の提供の実態に即して行うべきであると認められる。
いま、仮に前記20大学病院について、1人1日当たりの単価を栄養量の配分比により朝・昼・夕の各食ごとに分割し、これにそれぞれの提供食数を乗じて委託料を算定することとして修正計算すると、42億3741万余円となり、前記支払額44億1556万余円はこれに比べて約1億7800万円過大になっていると認められた。
このような事態を生じたのは、各大学病院において委託料の算定を給食の提供の実態に即して適切に行う配慮が十分でなかったことにもよるが、文部省において、1人1日当たりの単価を示しているものの、委託料の具体的な算定方法を示していなかったことなどによると認められた。
上記についての本院の指摘に基づき、文部省では、63年11月、大学病院を置く各国立大学に通知を発し、1人1日当たりの単価を朝・昼・夕の各食ごとに分割して委託料の算定を給食の提供の実態に即して適切に行わせる処置を講じた。
(注) 東北大学ほか11大学の20大学病院 東北大学医学部附属病院鳴子分院、同大学歯学部附属病院、千葉大学医学部附属病院、東京大学医学部附属病院、同大学医学部附属病院分院、東京医科歯科大学医学部附属病院、同大学歯学部附属病院、信州大学医学部附属病院、名古屋大学医学部附属病院、同大学医学部附属病院分院、三重大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院、同大学胸部疾患研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院、広島大学医学部附属病院、同大学歯学部附属病院、九州大学医学部附属病院、同大学歯学部附属病院、同大学生体防御医学研究所附属病院、鹿児島大学医学部附属病院