会計名及び科目 | 一般会計 (組織)農林水産本省 | (項)農林業振興費 (項)農蚕芸振興費 (項)畜産振興費 (項)水田利用再編対策費 |
部局等の名称 | 東北、関東、東海、中国四国、九州各農政局 | |
補助の根拠 | 予算補助 | |
事業主体 | 町1、農業協同組合2、その他2、計5農業主体 | |
補助事業 | 山村等振興対策事業等5事業 | |
上記に対する国庫補助金交付額の合計 | 93,883,500円 |
上記の5補助事業において、補助の対象とは認められないものがあったり、補助の目的を達していないものがあったりなどしていて、国庫補助金24,455,500円が不当と認められる。これを県別に掲げると別表 のとおりである。
(説明)
農林水産省所管の補助事業は、地方公共団体等が事業主体となって実施するもので、同省では、これらの事業主体に対して、事業に要する費用について直接又は間接に補助金を公布している。
しかして、これらの補助事業の実施及び経理について検査したところ、前記の5事業主体が実施した畜産総合対策事業、山村等振興対策事業等の事業において補助の対象とは認められないものがあったり、補助の目的を達していないものがあったりなどしていた。
いま、これらについて不当の態様別に示すと次のとおりである。
補助の対象とは認められないもの | |||
2事業 | 不当と認めた国庫補助金 | 6,150,000円 | |
補助の目的を達していないもの | |||
1事業 | 不当と認めた国庫補助金 | 11,288,450円 | |
工事の施工が設計と相違しているもの | |||
1事業 | 不当と認めた国庫補助金 | 5,055,000円 | |
事業費を過大に精算しているもの | |||
1事業 | 不当と認めた国庫補助金 | 1,962,050円 |
県名 | 事業 | 事業主体 (所在地) |
事業費 | 左に対する国庫補助金 | 不当と認めた事業費 | 不当と認めた国庫補助金 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(85) | 岩手県 | 山村等振興対策事業(農道の整備) | 下閉伊郡山田町 | 56,357 | 28,178 | 10,110 | 5,055 | 工事の施工 不良 |
61年度 62年度 |
20,410 35,947 |
10,205 17,973 |
5,029 5,081 |
2,514 2,540 |
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この工事は、山村等振興対策事業の一環として、農道延長513.4mを整備するため、昭和61年度に橋りょうの桁の製作、橋台2基(左右両岸に各1基)の設置等を、62年度に橋りょうの桁の据付け等をそれぞれ施工したものである。そして、設計書及び図面によると、橋りょう(プレストレストコンクリート桁6本からなる床版橋で幅員4.0m、横長20.6m)の桁と橋台との接点は、橋台と床版桁との間に、載荷や地震時における桁の滑動、温度変化などによる桁の伸縮に追従できる可動ゴム支承を左岸側に、桁に加わる荷重を円滑に橋台へ伝達できる固定ゴム支承を右岸側に設置することとし、左岸側の可動ゴム支承工(5箇所)においては、長さ56cmのアンカーボルト(径25mm)の下部25cmを橋台に埋め込み、その上部31cmのうち25cmは橋台上の桁が水平方向に滑動することができるようにアンカーキャッブ(外径60.5mの鋼管を楕円状に変形したもの)を被せたうえ桁と桁の間の間詰コンクリート部分に埋め込むこととし、また、右岸側の固定ゴム支承工(7箇所)においては、長さ56cmのアンカーボルト(径25mm)の下部25cmを橋台に埋め込み、その上部31cmのうち25cmはアンカーキャップ(外径42.7mmの鋼管)を被せたうえ間詰コンクリート部分などに埋め込むこととしている。 しかるに、可動、固定両ゴム支承工のすべての箇所について、アンカーボルトの橋台への埋設深が所定の25cmに対して13cm程度しかなく、その分アンカーボルトの間詰コンクリート部分への埋込みが長くなって、アンカーキャップを被せた部分の直下部分が間詰コンクリートで直接被覆されたため、可動ゴム支承が固定されていたり、固定ゴム支承が桁に加わる荷重を円滑に橋台へ伝達できなくなっていたりして、ゴム支承としての機能を果たすことができず、この結果、床版桁も安定を欠く状態となっている。 |
(参考図)
(86) | 山梨県 | 水田利用再編対策推進事業(集出荷施設の整備) | 山梨農業協同組合(山梨市) | 3,500 | 1,750 | 3,500 | 1,750 | 補助の対象外 |
この事業は、昭和61年度補助事業として、桃等の転作作物の出荷販売体制を整備することにより転作の定着化を図るため、集出荷施設として自動梱包機2台及びふた折機1台を事業費3,500,000円で購入したものである。 しかして、上記組合では補助申請に当たって、事業対象作物である桃等の作付面積を26.0haとし、これに占める転作田の面積18.0haの比率は約69%となるので本件事業の事業実施基準で定められている比率おおむね10分の6以上を満足しているとしていたが、実際の桃等の作付面積は95.6haであり、これに占める転作田の面積の比率は約19%にすぎないため、事業実施基準に該当しないことから、補助の対象とは認められず、国庫補助金1,750,000円は交付の要がなかったものである。 |
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(87) | 三重県 | 畜産総合対策事業(小規模飼料基盤等の整備) | 大内山村粗飼料生産部会(度会郡 大内山村) |
20,200 | 8,532 | 8,800 | 4,400 | 補助の対象 外 |
この事業は、昭和61年度補助事業として、畜産農家の飼料自給率の向上を推進し、その経営の安定、合理化を図るため、小規模飼料基盤整備として飼料畑0.54haの造成、飼料作物等生産利用機械5台等の整備を事業費20,200,000円で実施したものである。 しかして、このうち飼料畑0.54haの造成については、上記生産部会(耕種農家5戸、畜産農家5戸)が61年10月、補助申請に当たり提出した事業実施計画書によると、耕種農家4戸の水田を区画整理して飼料畑を造成し、これを畜産農家が借り受けて飼料作物を栽培することとしていた。 しかし、上記水田0.54haの区画整理は、61年9月、土地改良法(昭和24年法律第195号)の規定に基づく区画整理事業として、0.54ha(うち作付面積0.47ha)のうち、水稲や野菜の作付面積を0.44ha、飼料作物の作付面積を0.03ha(作付面積全体の 6.4%)とするとの計画の下で認可申請を行い、同年10月、認可を受けて実施したものであり、実際にも、畜産農家に対する飼料畑の貸付けを全く行わないまま、上記4戸が自ら水稲や野菜を栽培したり、休耕田としたりしている状況で、補助の対象とは認められないものであり、 これに係る国庫補助金4,400,000円は交付の要がなかったものである。 |
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(88) | 高知県 | 畜産総合対策事業(サイロの設置等) | 高南酪農業協同組合(高岡郡窪川町) | 53,804 | 26,902 | 22,576 | 11,288 | 補助目的の不達成 |
この事業は、昭和58年度から60年度までの各年度補助事業として、飼料作物等の生産利用について高度の共同作業体系をもった中核的な酪農農家集団を育成するため、共同利用の施設等としてサイロ16基及び飼料生産用機械16台等を事業費53,804,000円(58年度21,430,000円、59年度25,450,000円、60年度6,924,000円)で設置・導入したものである。 しかして、上記組合では、酪農家で構成される16集団にサイロ各1基を、また、7集団に飼料生産用機械16台を共同利用させることとし、サイロは各集団の利用責任者等の所有する土地16箇所に分散して設置し、当該各集団に貸し付けている。 |
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(89) | 熊本県 | 地域農業生産総含振興事業(米麦乾燥調製施設 の設置) |
横島振農共乾利用組合(玉名郡横島町) | 57,720 | 28,521 | 3,970 | 1,962 | 事業費の精算過大 |
この事業は、昭和60年度補助事業として、米麦の乾燥・調製等の合理化を図るため、建物1棟553.63m2 、乾燥機8基、もみすり機1基等を設置したもので、事業費57,720,000円で実施したこととして事業費を精算していた。 しかして、このうち建物の建築については、契約額23,600,000円で請け負わせ施行したこととしていたが、実際は、請負人から3,970,000円の値引きを受けていた。したがって、本件事業に要した費用は、この値引き分を控除した53,750,000円である。 なお、この事業については、農業近代化資金(金融機関が都道府県から利子補給を受けて低利に貸し付ける資金)23,350,000円が貸し付けられているが、上記の結果、値引き分に係る61年3月から62年12月までの利子補給に対する国庫補助金14,022円は交付する要はなかったものである。 |
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計 | 191,581 | 93,883 | 48,956 | 24,455 |