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  • 昭和62年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他15団体の決算

雇用促進事業団


(3) 雇用促進事業団

 この事業団は、労働者の技能の習得及び向上、地域間及び産業間の移動の円滑化その他就職の援助に関し必要な業務を行うことにより、労働者の能力に適応する雇用を促進し、もって労働者の福祉の増進と経済の発展に寄与することを目的として設置されているもので、62事業年度末現在の資本金は1兆0955億0820万余円(うち国の出資1兆0945億9022万余円)となっており、同事業団の会計は、一般会計並びに港湾労働者福祉事業、炭鉱離職者援護事業及び日本国有鉄道清算事業団職員等援護事業の3特別会計に区分して経理され、さらに、一般会計は、雇用保険、福祉施設、全国勤労青少年会館、雇用促進融資、駐留軍関係離職者等援護事業及び勤労者財産形成促進事業の6勘定に区分されている。

 上記の3特別会計のうち、日本国有鉄道清算事業団職員等援護事業特別会計は、日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職の促進に関する特別措置法(昭和61年法律第91号)等の規定に基づき、雇用促進事業団が62事業年度から新たに日本国有鉄道清算事業団職員等に対する再就職の促進等のための援護事業を行うこととなったので、これに関する経理を行うために設置されたものである。

 同事業団の各会計及び勘定別の62事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。

 なお、特殊法人等会計処理基準が示されたのに伴い、62事業年度から同事業団の会計処理方法及び財務諸表の表示方法の一部が変更されたため、下記項目の中には、62事業年度の額と61事業年度の額とを対比できないものもある。

(一般会計)

(雇用保険勘定)

 この勘定は、移転就職者用宿舎、職業訓練施設及び福祉施設の設置、運営等の事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 62事業年度 (61事業年度)
(収入)
千円 千円
 収入決定済額 195,861,594 158,310,089
(支出)
 支出予算現額 211,051,687 175,110,474
 支出決定済額 168,282,222 146,817,310
 翌事業年度繰越額 27,187,611 16,568,192
 不用額 15,581,854 11,724,972

 翌事業年度繰越額の主なものは施設建設費(支出予算現額977億5665万余円)の257億3321万余円であり、不用額の主なものは、職業訓練業務費(同171億7799万余円)の37億0179万余円及び就職資金等貸付金(同13億8882万余円)の10億9263万余円である。(なお、不用額のうちには予備費に係るものが96億2131万余円ある。)

2 損益

  区分 62事業年度 (61事業年度)
千円   千円
 経常収益
 (うち政府交付金等収入)
84,850,411
(59,468,224)
 収益
 (うち政府交付金収入)
82,383,593
(57,755,885)
 経常費用
 (うち一般管理費)
102,614,857
(36,557,566)
 費用
 (うち業務取扱費)
95,921,891
(38,012,018)
 特別利益 5,311  損失 13,538,297
 特別損失 1,171,169 (損失の処理)  
 当期損失金 18,930,304  翌事業年度に繰越欠損金として整理 13,538,297
(損失金の処理)    
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 18,930,304 (繰越欠損金 98,975,454)
(繰越欠損金 112,513,751)

3 主な業務実績

  区分 62事業年度 (61事業年度)
 移転就職者用宿舎 貸与 133,183戸 131,538戸
建設 5,392戸 4,859戸
 技能開発センター等の運営 93箇所 93箇所
 福祉施設の建設 118箇所 143箇所

(福祉施設勘定)

 この勘定は、前記の雇用保険勘定で設置した福祉施設の一部の運営事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 62事業年度 (61事業年度)
(収入)
千円 千円
 収入決定済額 3,170,817 3,032,614
(支出)
 支出予算現額 3,008,422 3,024,296
 支出決定済額 2,988,541 2,884,132
 不用額 19,880 140,163

2 損益

  区分 62事業年度 (61事業年度)
千円   千円
 経常収益
 (うち雇用福祉事業収入)
3,022,358
(2,910,398)
 収益
 (うち福祉施設収入)
2,867,540
(2,758,413)
 経常費用
 (うち雇用福祉事業費)
2,981,964
(2,962,886)
 費用
 (うち福祉施設事業費)
2,876,980
(2,857,379)
 特別損失 1,855  損失 9,439
 当期利益金 38,538 (損失の処理)  
(利益金の処理)
翌事業年度に積立金として整理

38,538
 翌事業年度に積立金を減額整理 9,439

3 積立金

  区分 62事業年度 (61事業年度)
千円 千円
 積立金残高 103,713 113,153

4 主な業務実績

  区分 62事業年度 (61事業年度)
 福祉施設 運営委託 9箇所 9箇所
利用人員 延べ 458,225人 延べ 452,125人

(全国勤労青少年会館勘定)

 この勘定は、前記の雇用保険勘定で設置した全国勤労青少年会館(サンプラザ)の運営事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 62事業年度 (61事業年度)
(収入)
千円 千円
 収入決定済額 5,405,703 5,335,777
(支出)
 支出予算現額 5,532,675 5,728,961
 支出決定済額 5,097,251 4,862,901
 翌事業年度繰越額 - 62,190
 不用額 435,423 803,869

2 損益

  区分 62事業年度 (61事業年度)
千円   千円
 経常収益
 (うち雇用福祉事業収入) 
4,995,018
(4,559,337)
 収益
 (うち全国勤労青少年会館事業収入)
4,999,698
(4,533,757)
 経常費用
 (うち雇用福祉事業費)
5,112,767
(3,547,424)
 費用
 (うち全国勤労青少年会館事業費)
4,908,284
(4,754,204)
 特別利益
 特別損失
1,496,474
25,106
 利益 91,414
 当期利益金 1,353,618 (利益金の処理) (利益の処理)
 翌事業年度に積立金として整理 1,353,618  翌事業年度に積立金として整理 91,414

3 積立金

  区分 62事業年度 (61事業年度)
千円 千円
 積立金残高 546,759 455,345

4 主な業務実績

  区分 62事業年度 (61事業年度)
 大ホールの利用 延べ 334件 延べ 335件
 宿泊施設の利用 延べ 52,415人 延べ 51,759人
 食堂の利用 延べ 250,864人 延べ 248,700人

(雇用促進融資勘定)

 この勘定は、労働者の雇用を促進することを目的として、移転就職者等を雇い入れる事業主等に対する労働者住宅、福祉施設、職業訓練施設等の設置又は整備に要する資金の貸付けの事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 62事業年度 (61事業年度)
(収入)
千円 千円
 収入決定済額 38,738,749 33,794,089
(支出)
 支出予算現額 18,605,999 24,519,218
 支出決定済額 16,089,450 24,513,043
 不用額 2,516,548 6,174

2 損益

  区分 62事業年度 (61事業年度)
千円   千円
 経常収益
 (うち貸付金利息)
6,898,126
(5,225,149)
 収益
 (うち福祉施設等設置資金貸付金利息)
7,948,851
(6,533,265)
 経常費用
 (雇用促進融資業務費)
7,133,014  費用
 (うち支払利息)
7,945,422
(7,887,051)
 当期損失金
(損失金の処理)
234,888  利益 3,429
 翌事業年度に積立金を減額整理 234,888 (利益の処理)
翌事業年度に積立金として整理
3,429

3 借入金等

  区分 62事業年度 (61事業年度)
千円 千円
 借入金残高
 (資金運用部資金)
90,782,866 98,397,184
 積立金残高 1,853,540 1,850,111

4 主な業務実績

(労働者住宅等建設資金の貸付け)

  区分 62事業年度 (61事業年度)
 貸付け 件数 37件 58件
金額 1,516,920千円 2,372,470千円
 貸付金回収 金額 22,716,506千円 21,256,401千円
 事業年度末貸付金残高 件数 5,011件 6,131件
金額 69,770,092千円 90,969,679千円

(駐留軍関係離職者等援護事業勘定)

 この勘定は、駐留軍関係離職者及び沖縄関係離職者の再就職を促進するため、開業資金の債務保証、職業講習等を実施する事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 62事業年度 (61事業年度)
(収入)
千円 千円
 収入決定済額 40,444 39,542
(支出)
 支出予算現額 38,525 36,996
 支出決定済額 64 167
 不用額 38,460 36,828

2 損益

  区分 62事業年度 (61事業年度)
千円   千円
 経常収益
 (受取利息)
1,069  収益
 (うち受取利息)
1,544
(1,544)
 経常費用
 (雇用福祉事業費)
64  費用
 (うち駐留軍関係離職者等援護事業費)
190
(167)
 特別損失 88
 当期利益金 916  利益 1,354
(利益金の処理)
(利益の処理)  
 翌事業年度に積立金として整理 916  翌事業年度に積立金として整理 1,354

3 積立金

  区分 62事業年度 (61事業年度)
千円 千円
 積立金残高 39,474 38,119

(勤労者財産形成促進事業勘定)

 この勘定は、勤労者の財産形成を促進するため、中小事業主等に対する財産形成持家分譲資金等の貸付けの事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 62事業年度 (61事業年度)
(収入)
千円 千円
 収入決定済額 34,463,615 30,064,031
(支出)
 支出予算現額 160,456,801 73,300,170
 支出決定済額 32,774,899 27,936,778
 不用額 127,681,901 45,363,391

不用額の主なものは、財形融資貸付金(支出予算現額1397億円)の1235億2312万余円、支払利息(同61億0422万余円)の12億2586万余円及び財形融資資金貸付金(同30億2000万円)の12億1670万円である。

2 損益

  区分 62事業年度 (61事業年度)
千円   千円
 経常収益 6,577,014  収益 5,430,858
 (うち貸付金利息) (4,659,452)  (うち財形融資貸付金利息) (3,636,896)
 経常費用 6,067,457  費用 5,425,578
 (うち勤労者財産形式促進業務費) (5,896,561)  (うち支払利息) (4,606,801)
 特別利益 949,514  利益 5,279
 特別損失 12 (利益の処理)  
 当期利益金 1,459,059  翌事業年度に繰越欠損金に充当 5,279
(利益金の処理)
 翌事業年度に繰越欠損金の補てんに充当 212,922 (繰越欠損金 218,201)
 翌事業年度に積立金として整理 1,246,136
(繰越欠損金 212,922)

3 債券発行

  区分 62事業年度末 (61事業年度末)
千円 千円
 雇用促進債券発行残高 71,426,000 67,631,000

4 主な業務実績

(財形融資貸付)

  区分 62事業年度 (61事業年度)
 貸付け 件数 2,170件 2,114件
金額 16,176,879千円 14,647,939千円
 貸付金回収 金額 10,245,680千円 4,936,802千円
 事業年度末貸付金残高 件数 9,765件 8,427件
金額 75,376,281千円 69,445,083千円

(港湾労働者福祉事業特別会計)

 この会計は、港湾労働者の雇用の安定、福祉の増進のため、登録日雇港湾労働者に対する雇用調整手当の支給等の事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 62事業年度 (61事業年度)
(収入)
千円

千円
 収入決定済額 1,075,621 1,018,370
(支出)
 支出予算現額 1,064,538 904,515
 支出決定済額 624,975 637,529
 不用額 439,562 266,985

2 損益

  区分 62事業年度 (61事業年度)
千円 千円
 経常収益 708,109  収益 738,049
 (うち政府補助金収入) (396,509)  (うち政府補助金収入) (410,549)
 経常費用 625,191  費用 637,906
 (うち港湾労働者福祉事業費) (368,405)  (うち雇用調整手当) (335,965)
 特別損失 207  利益 100,142
 当期利益金 82,709 (利益の処理)
(利益金の処理)  翌事業年度に積立金として整理 100,142
 翌事業年度に積立金として整理 82,709

3 積立金

  区分 62事業年度末 (61事業年度末)
千円 千円
 積立金残高 312,541 212,398

4 主な業務実績

  区分 62事業年度 (61事業年度)
 雇用調整手当の支給 対象人員 延べ 131,171人 延べ 141,051人
金額 340,153千円 335,965千円

(炭鉱離職者援護事業特別会計)

 この会計は、炭鉱離職者の再就職を促進するため、職業訓練等を実施する事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 62事業年度 (61事業年度)
(収入)
千円 千円
 収入決定済額 665,390 580,786
(支出)
 支出予算現額 677,174 583,183
 支出決定済額 526,723 372,554
 不用額 150,450 210,628

2 損益

  区分 62事業年度 (61事業年度)
千円   千円
 経常収益 474,781  収益 351,195
 (うち政府補助金収入)  (419,626)  (うち補助金収入) (307,307)
 経常費用 564,426  費用 407,196
 (うち炭鉱離職着援護事業費) (260,736)  (うち管理費) (253,035)
 特別損失 9,759  損失 56,001
 当期損失金 99,405 (損失の処理)  
(損失金の処理)  翌事業年度に積立金を減額整理 56,001
 翌事業年度に積立金を減額整理 99,405

3 積立金

  区分 62事業年度末 (61事業年度末)
千円 千円
 積立金残高 2,125,896 2,181,897

(日本国有鉄道清算事業団職員等援護事業特別会計)

 この会計は、日本国有鉄道清算事業団職員等の再就職の促進及び職業の安定を図るため、職業訓練、職業生活相談、職場適応指導等を実施する事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 62事業年度
(収入) 千円
 収入決定済額 474,200
(支出)
 支出予算現額 617,436
 支出決定済額 382,843
 不用額 234,592

2 損益

  区分 62事業年度
千円
 経常収益 382,782
 (うち日本国有鉄道清算事業団交付金収入) (218,750)
 経常費用 382,299
 (うち日本国有鉄道清算事業団職員等援護事業費) (291,296)
 当期利益金 482
(利益金の処理)  
 翌事業年度に積立金として整理 482

3 主な業務実績

  区分 62事業年度
 職業訓練 474人
 職業生活相談 延べ 9,822人
 職場適応指導 延べ  546人