(昭和62年度決算検査報告 )
防衛庁では、艦船の建造等に当たり対外軍事販売(FMS)により米国海軍省から購入した防衛装備品等を各造船会社に官給しているが、その際、国有財産に登録するための基礎資料を提出させている各造船会社に対して、官給品の適正な円貨換算価格を通知していなかったこと、海上自衛隊において、当該装備品等を国有財産に編入するに当たり適用すべき円貨換算レート等に関する明確な基準等が設けられていなかったことなどのため、物品管理簿価格と国有財産に編入される物品の価格とがかい離していて、艦船の国有財産台帳価格が正確なものとなっていない事態が見受けられたので、防衛庁において、官給品の円貨換算価格について調達実施本部又は各補給部隊から各造船会社に通知させること、海上自衛隊をして、物品の管理及び国有財産の管理の整合性を図るため、これらの取扱いに関する基準等を設けさせることなどの措置を講じ、もって国有財産台帳価格の適正化を図る要があると認め、昭和63年12月に是正改善の処置を要求した。
これに対し、防衛庁では、本院指摘の趣旨に沿い、平成元年3月に艦船の国有財産台帳価格に国有財産として算入する装備品の価格は物品管理簿の価格とすることなどを内容とする事務処理要領を定め、関係機関等に対し通知等を発してその周知徹底を図り、昭和61年度以降就役し又は改造した艦船の国有財産台帳価格を修正し、国有財産台帳価格の適正化に必要な処置を講じた。