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  • 昭和63年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第4 厚生省|
  • 昭和62年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項に対する処置状況

国立予防衛生研究所における医学実験用サルの飼育管理業務の実施について


(1) 国立予防衛生研究所における医学実験用サルの飼育管理業務の実施について

(昭和62年度決算検査報告参照)

 厚生省の国立予防衛生研究所では、その支所である筑波医学実験用霊長類センターにおいて医学実験用サルを自家生産するため、サルの飼育管理業務を行っているが、医学実験を実施している同研究所とセンターとの間の連絡調整が適切でなかったこと、繁殖交配方式として多数のサルを長期間拘束することとなる原産地別ラインローテーション方式を採用していたことなどのため、飼育しているサル2,255頭(昭和62年度末)のうちには、老齢で、実験用又は繁殖用として使用することが当面困難なものや、障害、疾病等のため、実験用又は繁殖用として使用することが適当でないものなどが多数見受けられる一方で、同研究所の医学実験に必要なサルが不足するとして多数のサルを輸入するという非効率な業務運営となっていたので、厚生省において、同研究所及びセンターに対し、サルの中長期の需給計画を策定させ必要に応じてその見直しを行わせるとともに、効率のよい業務実施のための連絡調整体制の確立を図らせること、サルの繁殖交配方式の見直しを行わせることなどの対策を指示し、それが的確に行われるよう指導監督を徹底するなどの措置を講じ、サルの飼育管理業務の効率的な実施を図る要があると認め、63年11月に是正改善の処置を要求した。
これに対し、厚生省では、本院指摘の趣旨に沿い、63年12月に同研究所に対して通達を発し、「国立予防衛生研究所医学実験用霊長類管理規程」(平成元年4月、国立予防衛生研究所長制定)を定めさせて、サルの需給業務を円滑に行うための医学実験用霊長類需給調整委員会を設置してサルの需給計画を策定させるとともに、必要に応じてその見直しを行わせることとし、また、従来の繁殖交配方式を見直してサルの供給の円滑化を図る措置を執らせるなどして、サルの飼育管理業務の効率的な実施を図る処置を講じた。