部局等 | 内閣官房 | ||
府省共通業務・システム最適化計画の概要 | 府省等の業務・システムについて、業務や制度の見直し、システムの共通化・一元化、業務の外部委託等を内容とし、併せてこれらによる経費や業務処理時間の削減効果を数値で明示した計画 | ||
投資額の費用対効果が最適化計画等を決定するCIO連絡会議等に示されていないなどしている7府省等が担当府省である19の府省共通業務・システムの最適化の実施等に係る経費 | 807億5169万円
(背景金額)(平成17年度〜21年度)
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本院は、府省共通業務・システムの最適化計画の策定や最適化の実施状況等について、平成22年10月28日に内閣総理大臣及び国土交通大臣に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。
これらの意見表示の内容は、内閣及び国土交通省それぞれの検査結果に応じたものとなっており、このうち、内閣総理大臣に表示した意見は以下のとおりである。また、国土交通大臣に表示した意見は国土交通省
の項に掲記している。
(平成22年10月28日付け 内閣総理大臣あて)
標記について、会計検査院法第36条の規定により、下記のとおり意見を表示する。
記
政府は、簡素で効率的な政府の実現を図るため、府省等の業務・システムについて、業務や制度の見直し、システムの共通化・一元化、業務の外部委託等を内容とし、併せてこれらによる経費や業務処理時間の削減効果の試算(以下「削減効果」という。)を数値で明示した最適化計画を策定し、最適化計画に定められた最適化の実施内容や最適化工程表等に基づき、業務・システムの最適化を着実に実施することとしている。
そして、業務・システムの最適化について、政府全体として整合性を確保しつつ実施していくため、最適化に係る作業の統一的な実施手順を定めた「業務・システム最適化指針(ガイドライン)」(平成18年3月各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定。以下「最適化ガイドライン」という。)等を策定している。
最適化ガイドラインによると、業務・システムの最適化は、一過性のものではなく、最適化実施及びその評価を通じて不断の改善を行っていくことが重要であり、そのためには、PDCA(Plan(計画)—Do(実施)—Check(評価)—Act(改善))サイクルの確立が極めて重要となるとしている。
最適化計画のうち、人事・給与等業務や調達業務等の各府省等に共通する業務・システム(関係府省が一部のものを含む。以下「府省共通業務・システム」という。)の最適化計画は、政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(以下「IT戦略本部」という。)に置かれている各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議(以下「CIO連絡会議」という。)で決定されている。
そして、平成21年度末には、次表のとおり、計19の府省共通業務・システムを対象とする計16の最適化計画があり、7府省等(注1)
が計画の立案、実施等を担当する府省(以下「担当府省」という。)となっていて、これら担当府省等が17年度から21年度までの間に要した最適化の実施等に係る経費(注2)
は、計807億5169万余円となっている。
7府省等 人事院、内閣府本府、総務省、財務省、文部科学省、経済産業省、国土交通省
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最適化の実施等に係る経費 各府省共通業務・システムに関係するシステム開発費、保守・運用費、機器の賃借費等の支出金額である。
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最適化計画の名称
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府省共通業務・システム名
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担当府省名
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当初計画決定時期
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先行導入府省等運用開始(予定)時期
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関係全府省等運用開始(予定)時期
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平成17年度から21年度までの最適化の実施等に係る経費(千円)
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備考
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人事・給与等業務・システム最適化計画
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人事・給与等業務
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人事院、総務省
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H16.2.27
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22年度
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24年度
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3,920,120
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災害管理業務の業務・システム最適化計画
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災害管理業務
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内閣府本府
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H17.12.28
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18年度
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同左
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746,901
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統計調査等業務の業務・システム最適化計画
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統計調査等業務
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総務省
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H18.3.31
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20年度
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同左
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3,068,560
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行政情報の電子的提供業務及び電子申請等受付業務の業務・システム最適化計画
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電子申請等受付業務
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総務省
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H17.8.24
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18年度
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22年度
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8,370,479
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行政情報の電子的提供業務
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総務省
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17年度
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22年度
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霞が関WAN及び政府認証基盤(共通システム)の最適化計画
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共通システム
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総務省
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H17.3.31
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19年度
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20年度
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12,216,032
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文書管理業務の業務・システム最適化計画
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文書管理業務
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総務省
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H19.4.13
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20年度
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24年度
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1,136,345
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職員等利用者認証業務の業務・システム最適化計画
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職員等利用者認証業務
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総務省
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H19.4.13
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20年度
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24年度
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718,989
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共同利用システム基盤の業務・システム最適化計画
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共同利用システム基盤
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総務省
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H20.2.13
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20年度
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22年度
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866,545
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調達業務の業務・システム最適化計画
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調達業務
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総務省
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(H16.9.15)H21.8.28
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22年度
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24年度
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344,555
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共済業務・システム最適化計画
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共済業務
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財務省
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H16.7.30
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18年度
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25年度
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1,404,680
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予算・決算業務の業務・システム最適化計画
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予算・決算業務
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財務省
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H18.3.31
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19年度
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23年度
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39,674,730
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国有財産関係業務(官庁営繕業務を除く。)の業務・システム最適化計画
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国有財産関係業務(官庁営繕業務を除く。)
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財務省
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H18.3.31
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21年度
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同左
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3,980,212
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輸出入及び港湾・空港手続関係業務の業務・システム最適化計画
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輸出入及び港湾・空港手続 関係業務
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財務省
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H17.12.28
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20年度
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21年度
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526,384
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研究開発管理業務の業務・システム最適化計画
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研究開発管理業務
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文部科学省
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H18.3.31
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19年度
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同左
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1,714,347
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旅費、謝金・諸手当及び物品管理の各業務・システム最適化計画
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物品管理業務
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経済産業省
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(H16.9.15)H21.7.1
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23年度
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24年度
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1,133,622
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謝金・諸手当業務
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経済産業省
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23年度
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24年度
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旅費業務
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経済産業省
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公共事業支援システム(官庁営繕業務を含む。)の業務・システム最適化計画
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公共事業支援システム(官庁営繕業務を含む。)
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国土交通省
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H18.3.31
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20年度
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21年度以降
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929,186
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計
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80,751,695
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注(1) | 府省共通業務・システムの中には、複数のシステムで構成されているものがある。
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注(2) | 統計調査等業務のシステムは、関係府省等が支払う委託料により独立行政法人統計センターが運用を実施している。
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注(3) | 共通システムのうち、霞が関WANは、各府省や独立行政法人等が支払う霞が関WAN利用料金により、社団法人行政情報システム研究所が開発及び運用を実施しており、上記の経費のうち、4,628,367千円は、各府省や独立行政法人等が支出した当該利用料である。
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注(4) | 当初計画決定時期の( )内は、全面改定前の「物品調達、物品管理、謝金・諸手当、補助金及び旅費の各業務・システム最適化計画」の決定時期を示す。
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注(5) | 共済業務のシステムは、各府省等の共済組合が開発及び運用を実施しており、上記の経費は各共済組合が支出している。
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注(6) | 輸出入及び港湾・空港手続関係業務のシステムは、関係府省等が支払う使用料により、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社が開発及び運用を実施している。
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注(7) | 国土交通省の公共事業支援システム(官庁営繕業務を含む。)のみに係る経費であり、また、他のシステムと共用している機器に係る経費等は除いている。
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最適化ガイドラインによると、府省共通業務・システムの最適化に係る政府全体の管理は、IT戦略本部に置かれているCIO連絡会議、各府省情報化統括責任者(CIO)補佐官等連絡会議(以下「CIO補佐官等連絡会議」という。)、貴内閣官房、総務省等が行うこととされている。そして、貴内閣官房は、CIO連絡会議事務局として、総務省の協力を得て、同連絡会議の庶務を処理するとともに、府省共通業務・システムの最適化の円滑かつ効果的な実施等を図るための総合調整を行うこととなっている。
最適化ガイドラインは、各最適化計画の策定、最適化の実施、最適化実施の評価の手順を定めており、その概要は以下のとおりである。
ア 担当府省において最適化計画案を作成して、総務省と調整を行った上で、CIO補佐官等連絡会議に報告し助言を受けるなどして、CIO連絡会議において最適化計画を決定する。
イ 最適化計画に基づき、担当府省において設計・開発や運用・保守を行うとともに、必要な対応等を行う(以下「最適化の実施」という。)。
ウ 担当府省において、毎年度、最適化実施評価報告書(以下「評価報告書」という。)を取りまとめ、総務省と調整した上で、CIO補佐官等連絡会議に報告し助言を受けて、CIO連絡会議において毎年8月末までのできる限り早期に評価報告書を決定する。
IT戦略本部は、22年5月に、「新たな情報通信技術戦略」(以下「新IT戦略」という。)を決定し、その重点戦略の一つである国民本位の電子行政の実現については、電子行政推進の実質的な権能を有する司令塔として政府CIOを設置し、行政刷新と連携して行政の効率化を推進するとし、その前提として、これまでの政府による情報通信技術投資の費用対効果を総括し、教訓を整理するなどとしている。
そして、新IT戦略等において、電子行政推進の基本方針を策定することとし、各施策に関するPDCAサイクルを確実に回すべく、IT戦略本部に置かれた企画委員会が中心となって進ちょく状況をフォローし、必要に応じて、取組の内容の修正を行うこととしている。
本院は、18年10月に、参議院からの検査要請に基づき、「各府省等におけるコンピュータシステムに関する会計検査の結果について
」として検査結果を報告し、今後とも多角的な観点から検査を実施していくとしている。
府省共通業務・システムは、各府省等の利用に供されることなどから、その影響は政府全体に及ぶこととなるため、最適化の実施等に当たっては、貴内閣官房による総合調整が重要となる。
また、最適化ガイドラインにおいては、削減効果の目標値に対する達成度を評価し、評価結果を予算・組織・定員要求に反映するとしていることから、削減効果の適切な算定が重要となる。
前記の検査要請に基づく検査結果の報告から3年以上が経過し、この間、運用を開始したり、最適化計画が改定されたり、削減効果等が見直されたりしている府省共通業務・システムがあることなどを踏まえて、本院は、経済性、効率性、有効性等の観点から、府省共通業務・システムの最適化計画の策定や最適化の実施は適切に行われているかなどに着眼して検査を行った。
検査に当たっては、前記19の府省共通業務・システムを対象として、IT戦略本部に関する事務を処理する貴内閣官房及び7府省等において、最適化計画の進ちょく状況、削減効果の算定等について関係資料により実地に検査を行うとともに、担当府省である7府省等から最適化の実施等に係る調書の提出を受けて検査を実施した。
検査したところ、次のような事態が見受けられた。
最適化ガイドラインは、最適化計画に必ず数値により明示する「最適化共通効果指標」として、削減経費、削減業務処理時間等を掲げていて、このうち削減業務処理時間については金額換算した値も明示するとしている。CIO連絡会議事務局は、削減経費及び削減業務処理時間について、統一的な視点からの評価を可能とするため、担当府省において、府省共通業務・システムごとに業務・システム最適化効果算出票(以下「最適化効果算出票」という。)を作成するよう、16年7月に事務連絡を発している(18年8月改定)。
最適化効果算出票の主な内容は、最適化の実施に要する投資額、最適化実施前後の経費及び削減経費、最適化実施前後の業務処理時間及び削減業務処理時間、投資額を削減効果(削減経費及び金額換算した削減業務処理時間の合計額)で除した投資回収効率となっている。
PDCAサイクルによる管理を行う上で、投資額の費用対効果及び削減効果は、最適化の実施内容の検討に影響を与える重要な要因となることなどから、最適化計画の策定等における上記の指標の取扱いなどについて検査したところ、次のような状況となっていた。
ア 投資額の費用対効果についての評価が十分行われていないもの
前記事務連絡によれば、最適化効果算出票においては、投資額や投資回収効率等を記載することとされているが、すべての府省共通業務・システムの最適化に係る投資額及び投資回収効率は、最適化計画や評価報告書を決定するCIO連絡会議やCIO補佐官等連絡会議(以下、両連絡会議を合わせて「CIO連絡会議等」という。)に示されておらず、CIO連絡会議等における投資額の費用対効果の評価が十分行われていない状況となっていた。
しかし、費用対効果の観点は、今後の電子行政の推進において重要なものの一つであり、投資額及び投資回収効率は、最適化計画の決定、費用対効果の評価を行う際の重要な指標の一つとなることなどから、最適化計画等を決定するCIO連絡会議等に示す必要があると認められる。
イ 削減効果の表示が適切でないもの
前記19の府省共通業務・システムのうち、業務を外部委託することにより、業務処理時間を削減することとしている業務・システムにおいて、外部委託に伴って所要の委託費が必要となるにもかかわらず、前記事務連絡において、当該委託費を削減業務処理時間の金額換算値から控除したり、別途表記したりすることとなっていないなど、削減効果の表示に委託費が考慮されておらず、削減効果の表示が適切でないと認められる事態が、統計調査等業務及び共済業務の2の府省共通業務・システムにおいて見受けられた。その事例を示すと次のとおりである。
統計調査等業務の削減業務処理時間は、年間1,156,880時間(金額換算乗率3,125円/時間を乗じた金額換算値は3,615,250千円)とされており、このうち1,117,840時間(同3,493,250千円)については、書類受付、データ入力等の業務を外部委託することによって削減するとしている。
しかし、業務を外部委託する場合は所要の委託費が必要となるにもかかわらず、金額換算値から委託費を控除したり、別途表記したりしていないため、削減効果の表示が適切でない。なお、上記業務・システムの外部委託に伴って発生する経費について、公表されている人材派遣料金の単価(1,850円/時間)を基に本院が試算したところ、約20億円を要すると見込まれる。
ウ 削減経費が過大に算定されているもの
前記19の府省共通業務・システムのうち、最適化実施前の経費を誤って算定したなどのため、削減経費が過大に算定されていて適切でないと認められる事態が、統計調査等業務、旅費業務及び謝金・諸手当業務の3の府省共通業務・システムにおいて見受けられた。その事例を示すと次のとおりである。
旅費業務及び謝金・諸手当業務の削減経費の算定に当たり、最適化実施前の経費を、貴内閣官房及び担当府省の調査に基づき、貴内閣官房等24府省等における既存システムの運用経費の年間1,100,799千円とし、最適化実施後の経費を、外部委託調査等を基に年間700,219千円として、削減経費を年間400,580千円と算定している。また、業務処理時間の削減効果については、業務一件当たりの平均的な削減業務処理時間を基にするなどして、年間7,963,764時間と算定し、これに金額換算乗率3,125円/時間を乗じて金額換算値を年間248億円としている。
しかし、削減経費の算定において、既存システムの運用経費の一部である地方部局の運用経費918千円が誤って917,700千円と報告されていたものを、そのまま計上していたため、削減経費が約9億円過大に算定されていて、正しくは削減経費が逆に△516,203千円となる。
最適化した業務・システムの運用に当たって、災害やサイバー攻撃等による影響に速やかに対応するためには、あらかじめ障害対策等を準備しておくことが必要である。
最適化ガイドラインによれば、担当府省は、障害対策要領を策定し、障害時における体制、影響範囲、バックアップ方法等を内容とした障害対策計画を策定することとされており、最適化の実施の評価に際して、障害対策に必要となる事項を定めているかが評価の観点とされている。
22年5月現在で運用を開始している14の府省共通業務・システムについて、障害対策計画又は同計画に類する規程等(以下、これらを合わせて「障害対策計画等」という。)の策定状況等を検査したところ、障害対策計画等が策定されていなかったり、その内容が十分でなかったりしており、障害が発生した場合の行政活動の継続性への影響を考慮すると適切でないと認められる事態が、6の府省共通業務・システム(注3)
において見受けられた。その事例を示すと次のとおりである。
公共事業支援システム(官庁営繕業務を含む。以下同じ。)は、三つのシステムからなっており、これらは全国各地に所在する地方整備局等において運用されている。これら三つのシステムの障害対策計画等の策定状況等についてみると、システムを運用する大半の地方整備局等において未策定となっていた。
最適化ガイドラインによれば、複数の府省、部局、課室等で同様の処理が行われている業務については、情報システムの一元化・集中化を図り、汎用的な一つの情報システムを関係する複数の府省、部局、課室等で共同利用することなどとされている。
しかし、CIO連絡会議で最適化計画を決定し、国土交通省が担当府省として実施している公共事業支援システム(17年度から21年度までの最適化の実施等に係る経費計9億2918万余円)は、システムを各地域ごとに分散して運用していて、それらのシステムを一元化することによって効率化を図るための検討を行っていなかったり、部局によってシステムの利用の有無が異なるなど、システムの利用についての一元化の検討を十分に行っていなかったりしていて、事務処理の電子化・共通化等による簡素で効率的な政府の実現という最適化計画本来の目的を十分に達成していない状況となっていた。
前記のように、すべての府省共通業務・システム(17年度から21年度までの最適化の実施等に係る経費計807億5169万余円)の最適化に係る投資額の費用対効果がCIO連絡会議等に示されていないため、十分な評価が行われていない事態及び2の府省共通業務・システム(同44億7324万余円)の最適化計画において、削減効果の表示に外部委託費が考慮されておらず適切なものとなっていない事態は、PDCAサイクルによる管理及びその後の府省共通業務・システムの開発等が最適化計画に基づき多額の費用を投じて実施されていくことを考慮すると適切でなく、改善の要があると認められる。
また、削減経費が過大に算定されていたり、最適化した業務・システムにおける障害対策計画等が策定されていなかったり、その内容が十分でなかったりしている事態は、本院の指摘を踏まえて、担当府省において、改善の措置を講じるなどしているが、府省共通業務・システムの最適化計画の改定が最終的にはCIO連絡会議において決定されることとなっていることなどから、貴内閣官房においては、最適化計画の改定等に当たって、担当府省と所要の調整を図る要があると認められる。
さらに、公共事業支援システムについては、国土交通省において所要の見直しを行う必要があるが、貴内閣官房においても、最適化計画の見直し等に当たって、担当府省と所要の調整を図る要があると認められる。
このような事態が生じているのは、次のことなどによると認められる。
ア 貴内閣官房において
(ア) 最適化計画の決定等を行うCIO連絡会議等において投資額の費用対効果についての評価を十分行えるようにしていないこと
(イ) 削減効果の表示の際に外部委託費を考慮することを明確にしていないこと
イ 担当府省において、削減経費の算定や障害対策計画等の策定を適切に行っていなかったり、最適化の実施内容の検討を十分行っていなかったりしていること
政府は、今後とも府省共通業務・システムの最適化の取組を進めていくとしており、最適化の実施等に必要な経費も多額に上ることが見込まれている。そうした中、最適化の取組に当たっては、PDCAサイクルを適切に確立し、最適化計画の策定、最適化の実施及びその評価等を適切に行うとともに、その最適化計画の策定や円滑かつ効果的な最適化の実施等を図るため、担当府省を始めとする関係府省の間の総合調整を適切に行うことが重要となる。
ついては、貴内閣官房において、府省共通業務・システムについて、最適化の取組におけるPDCAサイクルによる管理の中で、最適化の実施及びその評価等を適切に行い、費用対効果を踏まえた同業務・システムの構築等を図ることができるようにするとともに、所要の調整を行うよう、次のとおり意見を表示する。
ア 最適化の取組を進めていくに当たり、投資額の費用対効果についての評価を十分行うことができる方法を検討すること
イ 削減効果の表示の際に外部委託費を考慮することを明確にすること
ウ 担当府省において、削減経費の適切な算定、障害対策計画等の適切な策定等を行うことができるよう、また、公共事業支援システムについて、必要な見直し等を円滑に行うことができるよう、担当府省との間で所要の調整を行うこと