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  • 平成4年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第7 農林水産省|
  • 平成3年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項に対する処置状況

新農業構造改善事業等による施設の設置及び運営について


(1) 新農業構造改善事業等による施設の設置及び運営について

(平成3年度決算検査報告参照)

1 本院が要求した是正改善の処置

(検査結果の概要)

 農林水産省では、農業及び農業従事者が産業、経済及び社会において果たすべき重要な使命にかんがみ、生産性の向上と所得の増大を期し、農業の発展等を図ることを目標に、各般の対策を講じている。そして、農業構造改善促進対策、山村振興対策及び農村地域定住促進対策に係る事業を、その意図や仕組みを時々の農業情勢及び政策課題に対応させつつ国庫補助事業として実施してきている。
 これらの事業においては、その目的実現のため、多岐にわたる施設の整備が行われているが、そのなかには、農産物の栽培施設、水産物の養殖施設等の生産販売施設のように主として収益を上げることにより、農林漁家の所得の向上に直接寄与する施設(以下「収益型施設」 という。)がある。
 そこで、これらの収益型施設の設置及び運営の状況を、経営状態に着目して調査したところ、多額の欠損を生じて施設の運営を休止したり、収支決算が大幅な赤字となっていて施設の運営を継続することが困難となっていたりなどしているものが多数見受けられた。
 このような事態が生じているのは、事業主体において、生産加工の技術を習得していなかったり、また、運営に当たって、販路の開拓や確保、施設のPRが十分でないなど、採算意識に乏しく企業的感覚を取り入れた経営が十分行われていないことなどによると認められた。

(検査結果により要求した是正改善の処置)

 収益型施設の設置及び運営について、次の処置を執るなどしてこれらの事業を効果的に実施するよう、農林水産大臣に対し平成4年12月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を要求した。

(ア) 市町村において適切な事業計画を策定するよう、都道府県の指導を徹底させるとともにその審査を十分に行わせること

(イ) 事業実施後、事業主体から収支状況を継続的に提出させることにより、施設の経営等の実態を把握し、収支状況等の悪い施設について、経営改善の指導を強化させること

(ウ) 設置する施設の規模が過大とならないよう、経営の進展に対応して段階的に拡大していくような計画を達させるよう、また、広域的観点に立脚した施設の設置を行うよう指導すること

2 当局が講じた是正改善の処置

 農林水産省では、本院指摘の趣旨に沿い、5年4月及び9月に通達を発するなどして、これらの事業を効果的に実施するため、次のような処置を講じた。

(ア) 市町村において、適切な事業計画を策定するよう都道府県の指導を徹底させるとともに、これの審査を十分に行わせることとした。 

(イ) 事業実施後、事業主体から収支状況を継続的に提出させ、収支状況等が悪く改善を要する施設については、都道府県及び市町村が経営改善の指導を行うこととした。

(ウ) 設置する施設の規模が過大とならないよう、また、広域的観点に立脚した施設の設置を行うよう都道府県及び市町村を指導した。