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  • 平成9年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
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  • 保険給付

雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったもの


(269) 雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったもの

会計名及び科目 労働保険特別会計(雇用勘定) (項)雇用安定等事業費
部局等の名称 北海道ほか17都府県(支給庁)
札幌公共職業安定所ほか45公共職業安定所(支給決定庁)
支給の相手方 52事業主
特定求職者雇用開発助成金の支給額の合計 119,282,496円
不適正支給額 69,668,576円

1 保険給付の概要

(特定求職者雇用開発助成金)

 特定求職者雇用開発助成金は、雇用保険(前掲の「雇用保険の失業等給付金の支給が適正でなかったもの」参照) で行う事業のうちの雇用安定事業の一環として、55歳以上65歳未満の高年齢者など就職が特に困難な者(以下「特定求職者」という。)の雇用機会の増大を図るため、特定求職者を雇用した事業主に対して、当該雇用労働者に支払った賃金の一部を助成するものである。

(特定求職者雇用開発助成金の支給)

 この助成金は、事業主が特定求職者を公共職業安定所の紹介により新たに常用労働者として雇い入れたことなどを支給要件としている。その支給対象期間は雇入れ後1年(重度の身体障害者などについては1年6箇月)、また、支給額は支給対象期間に支払った賃金の額に所定の支給率(注) を乗じて得た額となっている。そして、公共職業安定所が、事業主から提出された申請書に記載されている当該雇用労働者の氏名、生年月日、雇用年月日、支払賃金額等を審査して支給を決定し、これに基づいて、各都道府県が支給することとなっている。

(注)  所定の支給率 高年齢者の場合の支給率は1/4(中小企業事業主にあっては1/3)となっている。

2 検査の結果

(検査の対象)

 北海道ほか25都府県(支給決定庁 札幌公共職業安定所ほか257公共職業安定所)から特定求職者雇用開発助成金の支給を受けた事業主のうち、1,441事業主(支給額2,078,315,920円)について、公共職業安定所における特定求職者雇用開発助成金の支給決定の適否を検査した。

(不適正支給の事態)

 検査したところ、北海道ほか17都府県で、52事業主に対する支給(支給額119,282,496円)について69,668,576円が不適正に支給されていた。これは、札幌公共職業安定所ほか45公共職業安定所において、事業主が誠実でなかったなどのため、既に雇用している者を新たに雇用したこととしているなど申請書の記載内容が事実と相違していたのに、これに対する調査確認が十分でないまま支給の決定を行っていたことによるものである。
 なお、これらの不適正支給額については、本院の指摘により、すべて返還の処置が執られた。
 これらの不適正支給額を都道府県別に示すと次のとおりである。

都道府県名 公共職業安定所 本院が調査した事業主数 不適正受給事業主数 左の事業主に支給した特定求職者雇用開発助成金 左のうち不適正特定求職者雇用開発助成金

北海道

札幌ほか4

28

5
千円
15,383
千円
4,592
岩手県 盛岡ほか1 14 2 3,618 2,702
宮城県 古川 7 1 699 699
栃木県 鹿沼ほか1 12 2 2,505 1,727
群馬県 沼田 1 1 1,000 1,000
埼玉県 大宮ほか1 23 2 5,674 4,515
千葉県 千葉ほか3 41 8 22,022 11,036
東京都 上野ほか8 69 11 31,848 17,601
神奈川県 平塚ほか2 28 3 9,469 6,098
富山県 砺波 7 1 1,441 1,036
石川県 金沢ほか1 16 2 3,623 3,394
京都府 伏見 4 1 2,592 1,171
大阪府 梅田ほか1 11 2 5,593 4,569
兵庫県 神戸 7 1 1,878 525
和歌山県 和歌山ほか1 19 2 2,001 1,595
広島県 竹原 7 1 1,264 803
熊本県 熊本ほか4 57 5 6,079 4,012
鹿児島県 伊集院ほか1 10 2 2,584 2,584
46箇所 361 52 119,282 69,668