ページトップ
  • 平成11年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他20団体の決算

日本鉄道建設公団


(10) 日本鉄道建設公団

 この公団は、鉄道の建設等を推進することにより、鉄道交通網の整備を図り、もって経済基盤の強化と地域格差の是正に寄与するとともに、大都市の機能の維持及び増進に資することなどを目的として設置されているものである。その資本金は11事業年度末現在で641億8044万余円(全額国の出資)となっている。
 同公団の会計は、一般及び特例業務(注) の2勘定に区分して経理されており、その勘定別の11事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。

(注)  特例業務勘定の10事業年度は、10年10月22日から11年3月31日までである。

(一般勘定)

 この勘定は、新幹線、都市鉄道線、民鉄線等の建設及び大規模な改良並びに当該鉄道施設の貸付又は譲渡等の業務に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
(収入)
 収入決定済額 880,146,516 771,591,753
(支出)
 支出予算現額 1,022,407,259 893,966,147
 支出決定済額 877,768,983 779,836,082
 翌事業年度繰越額 106,965,589 74,683,881
 不用額 37,672,686 39,446,183

 翌事業年度繰越額の主なものは、建設費(支出予算現額5532億4817万余円)の1034億7870万余円及び受託業務費(同198億1186万余円)の33億5699万余円である。また、不用額の主なものは、建設費の244億4980万余円、業務外支出(鉄道建設債券支払利子及び消費税等。同4106億0980万円)の54億8735万余円及び受託業務費の47億0228万余円である。

2 損益

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
 経常収益 211,998,639 205,176,670
 (うち貸付収入) (85,959,575) (87,908,861)
 経常費用 210,500,016 203,910,897
 (うち債券利息) (70,296,041) (75,550,956)
 特別損失 14,744,815 18
 当期利益金(△当期損失金) △13,246,192 1,265,754
(利益金又は損失金の処理)
 翌事業年度に繰越欠損金の補てんに充当 1,265,754
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 13,246,192
(繰越欠損金 1,642,255 2,908,010)

 なお、特別損失の主なものは、同公団が、自主廃業した千葉急行電鉄株式会社に対して有した債権の弁済に代えて所有することとなった千葉急行線の鉄道施設等の資産及び工事中止となった千葉急行線のために所有していた線路設備、土地等の資産の売却による固定資産売却損147億1749万余円である。

3 借入金等

  区分 11事業年度末 (10事業年度末)
千円 千円
 借入金残高 930,650,565 786,959,271
 (資金運用部資金等)
 鉄道建設債券発行残高 2,102,642,000 2,186,774,000

4 主な業務実績

  区分 11事業年度 (10事業年度)
 新幹線 建設 3線 628km 3線 628km
 (東北新幹線ほか)
 貸付線 貸付 10線 497km 10線 497km
 (北陸新幹線ほか)
 都市鉄道線 建設 3線 79km 3線 67km
 (常磐新線ほか)
 民鉄線 新線建設 5線 29km 5線 29km
 (臨海副都心線ほか)
大改良 5線 43km 5線 43km

(特例業務勘定)

 この勘定は、日本国有鉄道の役員又は職員であった者等に係る年金の給付に要する費用等の支払、日本国有鉄道清算事業団から承継した土地その他の資産の処分等の業務に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
(収入)
 収入決定済額 920,299,640 229,028,814
(支出)
 支出予算現額 816,471,848 383,403,484
 支出決定済額 772,977,275 245,175,913
 翌事業年度繰越額 10,187,159 50,843,774
 不用額 33,307,413 87,383,795

 翌事業年度繰越額の主なものは用地対策費(支出予算現額515億6672万余円)の96億6465万余円である。また、不用額の主なものは、用地対策費の217億7180万余円及び管理諸費(同281億0028万余円)の54億7210万余円である。

2 損益

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
 経常収益 943,029,352 843,690,304
 (うち固定資産売却収入) (739,789,917) (705,956,845)
 経常費用 851,964,705 205,051,730
 (うち共済年金等費用) (674,961,455) (117,190,194)
 特別損失 2,635,833
 当期利益金 88,428,814 638,638,574
(利益金の処理)
 翌事業年度に積立金として整理 88,428,814 638,638,574

3 借入金等

  区分 11事業年度末 (10事業年度末)
千円 千円
 借入金残高 275,102,199 309,966,798
 (民間借入金)
 鉄道建設債券発行残高 511,000
 積立金残高 3,124,800,977 2,486,162,403

 なお、11事業年度末の長期債務の残高は、本州四国連絡橋公団債務の54億3076万円であり、これに、同公団が支払うこととされている日本鉄道共済年金負担金等の将来費用及び厚生年金移換金債務を加えた長期債務等は、11年度末現在、3兆4135億円となっている。

4 主な業務実績

  区分 11事業年度 (10事業年度)
土地の売却実績 件数 352件 201件
面積 474ha 67ha
金額 52,925,318千円 52,229,818千円
株式の売却実績 会社数 1社
株数 1,000千株
金額 652,000,000千円

 11事業年度の株式の売却実績は、すべて同公団保有の東日本旅客鉄道株式会社の株式(1,500千株)の一部売却に係るものである。

 なお、この公団について検査した結果、「第4章 第2節 特定検査対象に関する検査状況」に「日本鉄道建設公団が建設し第3セクター等に譲渡した民鉄線に係る譲渡代金の償還状況等について」 を掲記した。