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  • 平成11年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他20団体の決算|
  • (事業団)

労働福祉事業団


(1) 労働福祉事業団

 この事業団は、労働者災害補償保険の労働福祉事業を適切かつ能率的に行うとともに、労働災害の防止に資するため必要な資金の融通を行うことにより、労働者の福祉の増進に寄与することを目的として設置されているものである。その資本金は11事業年度末現在で6974億8132万余円(全額国の出資)となっている。
 同事業団の会計は、本部、施設、援護、融資及び賃金援護の5勘定に区分して経理されており、その勘定別の11事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。

(本部勘定)

1 収入支出決算

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
(収入)
 収入決定済額 17,151,003 16,847,189
(支出)
 支出予算現額 17,271,228 16,847,190
 支出決定済額 17,151,003 16,847,189
 不用額 120,224 0

2 損益

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
 経常収益 17,181,235 16,890,002
 (うち施設勘定から受入) (17,054,950) (16,734,073)
 経常費用 17,180,325 16,889,852
 (うち医療管理費) (12,411,697) (12,370,145)
 特別損失 2,350
 当期利益金(△当期損失金) △1,440 150
(利益金又は損失金の処理)
 翌事業年度に積立金を減額整理 1,440
 翌事業年度に積立金として整理 150

3 積立金

  区分 11事業年度末 (10事業年度末)
千円 千円
 積立金残高 57,901 57,750

(施設勘定)

 この勘定は、労災病院等の設置及び運営に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
(収入)
 収入決定済額 387,703,277 383,924,614
(支出)
 支出予算現額 346,922,646 343,927,075
 支出決定済額 328,233,781 329,947,615
 不用額 18,688,864 13,979,459

 不用額の主なものは、医療諸費(支出予算現額937億4326万余円)の46億6852万余円及び業務諸費(同574億9750万余円)の39億9543万余円である。(なお、不用額のうちには予備費に係るものが95億0700万円ある。)

2 損益

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
 経常収益 305,580,639 296,482,858
 (うち医療事業収入) (271,541,668) (264,147,111)
 経常費用 322,613,138 316,566,301
 (うち医療管理費) (170,932,762) (169,966,174)
 特別利益 486,638 16,805
 特別損失 2,426,174 2,881,005
 当期損失金 18,972,035 22,947,642
(損失金の処理)
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 18,972,035 22,947,642
(繰越欠損金 221,614,422 198,666,780)

3 主な業務実績

  区分 11事業年度 (10事業年度)
 労災病院 39箇所 39箇所
 延べ患者数 外来 10,651,933人 10,432,334人
入院 5,334,279人 5,360,368人

(援護勘定)

 この勘定は、労災年金受給者で小口資金を必要とする者に対する労災年金受給権を担保とする資金の貸付け等の事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
(収入)
 収入決定済額 7,094,987 7,223,940
(支出)
 支出予算現額 7,722,921 7,252,756
 支出決定済額 5,931,083 6,116,616
 不用額 1,791,837 1,136,139

2 損益

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
 経常収益 88,890 108,105
 (うち貸付金利息) (85,851) (90,131)
 経常費用 52,336 53,746
 (うち援護費) (20,603) (20,306)
 当期利益金 36,553 54,359
(利益金の処理)
 翌事業年度に積立金として整理 36,553 54,359

3 積立金

  区分 11事業年度末 (10事業年度末)
千円 千円
 積立金残高 5,889,180 5,834,821

4 主な業務実績

  区分 11事業年度 (10事業年度)
 年金担保資金等の貸付け 件数 3,207件 3,315件
金額 5,910,480千円 6,096,310千円
 貸付金回収等 金額 5,917,449千円 5,901,541千円
  (うち貸付金償却) (18,675千円) (19,679千円)
 事業年度末貸付金残高 件数 4,982件 4,961件
金額 5,389,039千円 5,396,008千円
  上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に事業団において開示している債権
   破綻先債権
   延滞債権 413,253千円 391,128千円
   3カ月以上延滞債権 11,068千円 8,721千円
   貸出条件緩和債権
424,322千円 399,849千円

(融資勘定)

 この勘定は、安全衛生改善計画を実施する中小事業者等に対する職場環境改善資金等の貸付けの事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
(収入)
 収入決定済額 21,463,461 28,554,394
(支出)
 支出予算現額 16,940,089 17,965,103
 支出決定済額 12,082,118 13,629,444
 不用額 4,857,970 4,335,658

2 損益

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
 経常収益 2,174,054 2,625,265
 (うち施設勘定から受入) (1,193,767) (1,342,322)
 経常費用 2,174,054 2,625,265
 (うち借入金利息) (2,132,763) (2,585,799)

3 借入金等

  区分 11事業年度末 (10事業年度末)
千円 千円
 借入金残高 32,749,820 39,492,648
 (資金運用部資金)
 積立金残高 384,239 384,239

4 主な業務実績

  区分 11事業年度 (10事業年度)
 職場環境改善資金等の貸付け 件数 29件 21件
金額 3,190,360千円 3,167,170千円
 貸付金回収等 金額 4,472,907千円 5,287,398千円
 (うち繰上償還) (2,437,829千円) (2,962,874千円)
 (うち貸付金償却) (17,449千円) (14,340千円)
 事業年度末貸付金残高 件数 426件 471件
金額 23,842,080千円 25,124,628千円
上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に事業団において開示している債権
   破綻先債権 1,440,496千円 1,122,293千円
   延滞債権 466,852千円 733,068千円
   3カ月以上延滞債権 138,392千円 61,306千円
   貸出条件緩和債権 851,622千円
2,897,362千円 1,916,667千円
貸倒引当金 23,842千円 25,124千円
(貸倒引当金計上率)(注) (1/1000) (1/1000)
(注)  貸倒引当金に計上できる金額は、当該事業年度末における貸付金残高に3/1000を乗じて得た金額の範囲内とされている。

(賃金援護勘定)

 この勘定は、企業の破産等により事業主から賃金の支払を受けることができない労働者に対し未払賃金を当該事業主に代わって支払い、事業団が事業主に対し求償する事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
(収入)
 収入決定済額 20,149,057 17,334,625
(支出)
 支出予算現額 20,149,058 17,334,626
 支出決定済額 20,149,057 17,334,625
 不用額 0 0

2 損益

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
 経常収益 20,149,057 17,334,625
 (うち施設勘定から受入) (16,758,993) (14,932,142)
 経常費用 20,149,057 17,334,625
 (求償権償却引当金繰入)

3 主な業務実績

  区分 11事業年度 (10事業年度)
未払賃金立替払 件数 2,773件 2,406件
金額 20,149,057千円 17,334,625千円
立替払金回収 金額 3,389,193千円 2,400,138千円

 なお、この事業団について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「労災病院における診療報酬の請求に当たり、手術料等の請求額が不足していたもの」 を掲記した。