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  • 平成12年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他の団体の決算|
  • (その他の団体)

通信・放送機構


(6) 通信・放送機構

 この機構は、通信衛星及び放送衛星の位置、姿勢等を制御し、これらの人工衛星に搭載された無線設備をこれを用いて無線局を開設する者に利用させること等を効率的に行うことにより、宇宙における無線通信の普及発達と電波の有効な利用を図り、並びに高度通信・放送研究開発の実施の業務及び高度通信・放送研究開発を行う者に対する支援に関する業務を総合的に行うことにより、通信・放送技術の向上を図り、もって電気通信の健全な発達に資することを目的として設置されているものである。その資本金は12事業年度末現在で3859億6437万余円(うち国の出資3825億0537万余円)となっている。
 同機構の会計は、一般、衛星所有、研究開発推進、研究開発出資、研究開発債務保証及び高度電気通信施設整備促進の6勘定に区分して経理されている。
 同機構の勘定別の12事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。

(一般勘定)

 この勘定は、通信衛星及び放送衛星の位置や姿勢等を制御する衛星管制業務に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 1,506,370 1,533,634
(支出)
 支出予算現額 1,878,995 1,728,029
 支出決定済額 1,677,358 1,502,950
 不用額 201,636 225,078

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 1,298,337 1,363,335
 (うち事業収入) (1,157,430) (1,247,243)
 経常費用 1,191,211 1,363,335
 (うち一般管理費) (875,415) (935,093)
 特別損失 279
 当期利益金 106,846
(利益金の処理)
 翌事業年度に積立金として整理 106,846

3 借入金等

  区分 12事業年度末 (11事業年度末)
  千円 千円
 借入金残高 5,750,464 6,426,989
 積立金残高 14,690 14,690

4 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
 通信衛星の管制 2個 2個
 放送衛星の管制 3個 3個

(衛星所有勘定)

 この勘定は、放送衛星3号—Nに搭載された無線設備を、これを用いて無線局を開設する者に利用させるための業務に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 98,313 73,982
(支出)
 支出予算現額 77,122 223,560
 支出決定済額 71,619 8,106
 不用額 5,502 215,453

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 94,984 73,751
 (うち事業収入) (66,570) (4,608)
 経常費用 68,576 8,324
 当期利益金 26,408 65,426
(利益金の処理)
 翌事業年度に繰越欠損金の補てんに充当 26,408 65,426
(繰越欠損金 4,384,293 4,449,720)

3 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
 無線設備利用契約件数 3件 1件

(研究開発推進勘定)

 この勘定は、通信・放送技術の実用化に資する高度通信・放送研究開発であって、民間においてはその実施が期待されない研究開発業務等に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 76,846,760 58,917,572
(支出)
 支出予算現額 140,482,999 130,195,493
 支出決定済額 67,055,350 85,639,075
 翌事業年度繰越額 70,283,536 42,638,624
 不用額 3,144,112 1,917,793

 翌事業年度繰越額の主なものは、研究開発事業費(支出予算現額1236億7746万余円)の628億1777万余円及び研究開発施設整備事業費(同148億1701万余円)の69億6576万円である。

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 4,221,210 4,857,179
 (うち国庫補助金収入) (1,894,561) (924,321)
 経常費用 81,252,237 65,342,502
 (うち一般管理費) (51,235,700) (45,500,151)
 特別損失 1,679,087 3,543,763
 当期損失金 78,710,114 64,029,086
(損失金の処理)
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 78,710,114 64,029,086
(繰越欠損金 127,791,653 63,762,567)

3 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
 直轄研究 30件 36件
 委託研究 23件 22件
 公募研究 98件 60件
 成果展開事業 154件 105件

(研究開発出資勘定)

 この勘定は、通信・放送技術に関する研究開発のための共同利用型施設を整備する者に対し必要な資金を出資する事業等に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 8,356 307,697
(支出)
 支出予算現額 6,618 6,625
 支出決定済額 5,362 5,321
 不用額 1,255 1,303

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 8,317 7,653
 経常費用 33,530 34,084
 当期損失金 25,213 426,430
(損失金の処理)
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 25,213 426,430
(繰越欠損金 445,534 19,104)

3 主な業務実績

  区分 12事業年度末 (11事業年度末)
 共同利用型施設の整備 件数 4件 4件
金額 2,050,000千円 2,050,000千円

(研究開発債務保証勘定)

 この勘定は、高度通信・放送研究開発事業等を行う者に対する債務の保証、地域通信・放送開発事業等に必要な資金の貸付けを行った日本政策投資銀行等に対する利子補給金の支給及び通信・放送新規事業等を行う者に対する助成金の交付等の事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 799,321 675,016
(支出)
 支出予算現額 955,585 740,286
 支出決定済額 739,788 658,258
 不用額 215,796 82,027

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 784,868 679,887
 (うち国庫補助金収入) (481,154) (373,631)
 経常費用 729,751 671,494
 (うち助成事業費) (538,933) (483,167)
 当期利益金 55,116 8,392
(利益金の処理)
 翌事業年度に積立金として整理 55,116 8,392

3 積立金

  区分 12事業年度末 (11事業年度末)
  千円 千円
 積立金残高 1,098,997 1,090,604

4 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
 事業年度末債務保証残高 件数 2件 2件
金額 338,466千円 385,886千円
 字幕番組等制作助成事業 本数 4,910本 4,360本
金額 443,980千円 381,299千円

(高度電気通信施設整備促進勘定)

 この勘定は、高度通信施設整備事業及び高度有線テレビジョン放送施設整備事業を実施する者に対し、その事業資金の借入れに係る利子の支払いに対する助成等の業務に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 1,620,737 1,373,379
(支出)
 支出予算現額 1,988,383 1,667,646
 支出決定済額 1,624,190 1,375,970
 不用額 364,192 291,676

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 1,621,183 1,373,623
 (うち国庫補助金収入) (800,000) (500,000)
 経常費用 1,621,183 1,373,623
 (うち高度電気通信施設整備促進基金繰入) (982,360) (688,472)

3 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
 助成金の交付 619,830千円 666,086千円

 なお、この機構について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「研究開発に係る委託費の精算に当たり、労務費の計上が適切を欠いたため、支払額が過大となっているもの」 を、「第4章 特定検査対象に関する検査状況」に「財投機関の決算分析について」 を掲記した。