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  • 平成13年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 国土交通省|
  • 不当事項|
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鉄塔の移転補償契約の実施に当たり、鉄塔の地中部分が撤去されていないのに補償額全額を支払っていたもの


(240) 鉄塔の移転補償契約の実施に当たり、鉄塔の地中部分が撤去されていないのに補償額全額を支払っていたもの

会計名及び科目 国営土地改良事業特別会計 (項)北海道土地改良事業費
部局等の名称 北海道開発局石狩川開発建設部
契約名 物件の移転に関する契約
契約の概要 ダムの新設により支障となる送電線設備を撤去させるもの
契約額 391,277,000円
契約の相手方 日北酸素株式会社
契約 平成12年8月
支払 平成13年1月、14年1月
不当と認められる補償費 56,235,846円

1 契約の概要

 北海道開発局石狩川開発建設部(以下「開発建設部」という。)では、石狩川水系夕張川で実施している夕張シューパロダム建設事業において、水没区域等に所在する土地、建物等の所有者等に対する移転補償を行っている。
 このうち、開発建設部では、平成12年8月に、日北酸素株式会社との間で、水没区域内に所在する同社夕張工場の受電のために同社が所有する鉄塔46基及び送電線等で構成される送電線設備をすべて撤去することとする移転補償契約を391,277,000円で締結している。
 そして、開発建設部では、同社に契約締結後の13年1月に前払金270,000,000円を支払い、13年12月鉄塔の基礎部(地中約2.5m程度)を含む送電線設備すべての撤去を検査確認したとして、14年1月、残額121,277,000円を支払っていた。

2 検査の結果

 検査したところ、鉄塔46基のうち45基の基礎部については、地表から下0.8m程度までを撤去したのみで、その下1.7m程度は撤去されないまま残置されていた。
 したがって、鉄塔の基礎部を含めた送電線設備すべてを撤去することとしていた契約に違反しており、不適切と認められる。
 このような事態が生じていたのは、開発建設部において、地中部を含む鉄塔すべての撤去を確認したとしていたが、実際は鉄塔の地上部を撤去した後の整地された現地を目視により確認するにとどまっていたことなどによると認められる。
 したがって、撤去されないまま地中に残置されていた基礎部分に係る補償額相当額56,235,846円は不当と認められる。