会計名及び科目 | 一般会計 | (組織)経済産業本省 | (項)製造産業対策費 |
平成11年度以前は、 | |||
(組織)通商産業本省 | (項)通商産業本省 |
部局等の名称 | 経済産業本省(平成13年1月5日以前は通商産業本省) |
契約名 | 高度技術集約型産業等研究開発調査(ITSの規格化事業)(平成10年度〜13年度) |
委託契約の概要 | ITS技術の国際標準化や諸外国で起案された標準化項目に対する我が国の意見反映などのための調査研究 |
契約の相手方 | 財団法人自動車走行電子技術協会(平成15年7月1日以降は財団法人日本自動車研究所に統合)(再委託先 財団法人日本自動車研究所等) |
契約 | (1) | 平成10年10月 | 随意契約 |
(2) | 平成11年11月 | 随意契約 | |
(3) | 平成12年8月 | 随意契約 | |
(4) | 平成13年8月 | 随意契約 |
支払 | (1) | 平成10年12月、11年3月 |
(2) | 平成12年3月 | |
(3) | 平成13年3月 | |
(4) | 平成14年3月 |
支払額 | (1) | 365,759,000円 | (うち財団法人日本自動車研究所への再委託分 165,303,600円) |
(2) | 417,320,000円 | (同189,063,000円) | |
(3) | 419,681,000円 | (同182,647,500円) | |
(4) | 472,186,000円 | (同113,195,500円) | |
計 | 1,674,946,000円 | (同650,209,600円) | |
過大になっている支払額 | (1) | 13,169,442円 | |
(2) | 8,475,368円 | ||
(3) | 25,109,947円 | ||
(4) | 11,066,811円 | ||
計 | 57,821,586円 |
1 委託契約の概要
経済産業省では、自動車と道路交通環境を統合的に知能化、情報化することによって、安全で快適な交通システムを実現しようとする高度道路交通システム(以下「ITS」という。)事業の一環として、平成10年度から13年度までの各年度において、ITSの規格化事業の調査研究に関する委託契約を財団法人自動車走行電子技術協会(以下「自動車協会」という。15年7月に財団法人日本自動車研究所に統合。)との間で締結している。そして、上記の契約では走行試験等による各種データ収集が必要なものなどについては財団法人日本自動車研究所(以下「自動車研究所」という。)に再委託することとしているため、自動車協会ではこれに基づき自動車研究所との間で委託契約(以下、この契約を「再委託契約」という。)を締結している。
本件委託契約の支払額は、契約により、契約に定められた上限額(以下「支払上限額」という。)の範囲内で、委託業務の実施に要した経費の額(以下「支出実績額」という。)とすることとなっている。また、自動車協会と自動車研究所の間の再委託契約の支払額も同様の方法により算定され、この支払額がそのまま本件委託契約における再委託分に係る支出実績額とされることとなっている。そして、自動車協会が自動車研究所に再委託した業務に係る支出実績額は、高速周回路等の研究設備・機器損料(以下「損料」という。)、研究員に対する人件費等の別に算出することとなっていて、このうち損料は契約で定められた単価に設備等の種類に応じて使用日数又は使用時間数を乗じることにより、人件費は契約で定められた単価に従事時間数を乗じることにより、それぞれ算出することとなっている。
自動車協会では、再委託契約について、自動車研究所から提出された実績報告書等に基づき委託業務に係る支出実績額を確認し、これが支払上限額を上回っていることから、支払上限額と同額を支払っている。そして、同様の手続により、経済産業省においても、本件委託契約について自動車協会から提出された実績報告書等に基づき、表1のとおり、支払上限額と同額を支払っている。
年度 | 支払上限額 (うち自動車研究所への再委託分) |
支出実績額 (同左) |
支払額 (同左) |
10 | 365,759,000 (165,303,600) |
367,994,984 (174,058,074) |
365,759,000 (165,303,600) |
11 | 417,320,000 (189,063,000) |
418,423,098 (202,084,237) |
417,320,000 (189,063,000) |
12 | 419,681,000 (182,647,500) |
420,409,091 (186,257,531) |
419,681,000 (182,647,500) |
13 | 472,186,000 (113,195,500) |
472,889,285 (117,538,610) |
472,186,000 (113,195,500) |
計 | 1,674,946,000 (650,209,600) |
1,679,716,458 (679,938,452) |
1,674,946,000 (650,209,600) |
2 検査の結果
検査したところ、自動車研究所では、再委託契約に係る高速周回路等の損料については、使用日数等を10年度契約分から13年度契約分までの合計で173日と10,723時間として205,116,000円と算出していた。しかし、実際は、90日と303時間については高速周回路等を使用しておらず、これに係る損料58,493,100円は水増ししたものであった。
また、再委託契約に係る人件費については、従事時間数を10年度契約分から13年度契約分までの合計で47,282.5時間として264,434,500円と算出していた。しかし、実際は、4,410.25時間については再委託業務に従事しておらず、これに係る人件費22,625,700円は水増ししたものであった。
このため、再委託契約に係る支出実績額が過大となり、本件委託契約に係る支出実績額も過大となっていた。
このような事態が生じていたのは、自動車研究所において委託事業の適正な実施に対する認識が十分でなかったことなどから事実と相違した内容の実績報告を行っていたこと、自動車協会及び経済産業省における審査及び確認が十分でなかったことによると認められる。
したがって、本件業務に係る適正な支出実績額に基づく委託費の支払額は、表2のとおり計1,617,124,414円(うち自動車研究所への再委託分計592,388,014円)となり、支払額との差額計57,821,586円が過大に支払われていて、不当と認められる。
年度 | 支払額 (うち自動車研究所への再委託分) |
適正な支出実績額 (同左) |
適正な支払額 (同左) |
過大な支払額 (同左) |
10 | 365,759,000 (165,303,600) |
352,589,558 (152,134,158) |
352,589,558 (152,134,158) |
13,169,442 (13,169,442) |
11 | 417,320,000 (189,063,000) |
408,844,614 (180,587,614) |
408,844,614 (180,587,614) |
8,475,386 (8,475,386) |
12 | 419,681,000 (182,647,500) |
394,571,053 (157,537,553) |
394,571,053 (157,537,553) |
25,109,947 (25,109,947) |
13 | 472,186,000 (113,195,500) |
461,119,189 (102,128,689) |
461,119,189 (102,128,689) |
11,066,811 (11,066,811) |
合計 | 1,674,946,000 (650,209,600) |
1,617,124,414 (592,388,014) |
1,617,124,414 (592,388,014) |
57,821,586 (57,821,586) |