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業務委託契約に係る委託費の支払に当たり、使用していない設備の使用時間数を含めるなどしていたため、支払額が過大となっているもの


(269)業務委託契約に係る委託費の支払に当たり、使用していない設備の使用時間数を含めるなどしていたため、支払額が過大となっているもの

科目 (産業技術研究開発等勘定)(項)研究開発事業費
部局等の名称 新エネルギー・産業技術総合開発機構(平成15年10月1日以降は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)本部
契約名 基準創成研究開発事業 人と機械のインターフェース構築のための情報提供技術に関する標準化(平成12、13両年度)
業務委託契約の概要 各種機器による情報提供がドライバーの過度の負担とならないための人間工学上の要件を明確化する研究開発
契約の相手方 財団法人日本自動車研究所
契約 (1) 平成12年7月 随意契約
  (2) 平成13年7月 随意契約
支払 (1) 平成13年5月
  (2) 平成14年4月
支払額 (1) 94,461,150円
  (2) 67,677,750円
  162,138,900円
過大になっている支払額 (1) 27,270,990円
(2) 10,787,841円
38,058,831円

1 業務委託契約の概要

(業務委託契約の概要)

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「機構」という。)では、平成12、13両年度に、「基準創成研究開発事業 人と機械のインターフェース構築のための情報提供技術に関する標準化」に係る業務委託契約を財団法人日本自動車研究所(以下「自動車研究所」という。)との間で契約金額12年度94,461,150円、13年度67,677,750円、計162,138,900円で締結している。

(委託費の支払)

 本件業務委託契約に係る委託費の支払額は、業務委託契約約款により、契約金額と受託者が委託業務の実施に要した経費の額(以下「経費発生額」という。)のいずれか低い額とすることとなっている。そして、経費発生額は、業務委託契約約款の一部である「原価報告書作成要領」により、労務費、消耗品その他の経費等の別に算出することとなっている。このうち消耗品その他の経費に含まれる設備使用料の額は、実験装置等を委託業務に使用した場合におけるその使用に要した経費の額とし、また、労務費は、委託業務に直接従事した研究者等ごとに算定された1時間当たり単価に従事した時間数を乗じて得た額の合計額とすることとなっている。
 機構では、本件業務委託契約について、自動車研究所から提出された実績報告書に基づき本件業務委託契約に係る経費発生額12年度97,449,472円、13年度69,715,807円、計167,165,279円を確認し、これらがそれぞれの契約金額を上回っていることから、それぞれの契約金額と同額を支払っている。

2 検査の結果

 検査したところ、自動車研究所では、本件業務委託契約に係る高速周回路等の使用に係る設備使用料については、使用時間数を12、13両年度契約分の合計で1,720時間として48,592,000円と算出していた。しかし、実際は、1,362時間については高速周回路等を使用しておらず、設備使用料32,410,500円は水増しするなどしたものであった。
 また、本件業務委託契約に係る労務費については、従事時間数を12、13両年度契約分の合計で10,449.5時間として37,162,604円と算出していた。しかし、実際は、1,737時間については本件業務委託契約に係る業務に従事しておらず、これに係る労務費5,399,761円は水増ししたものであった。
 このため本件業務委託契約に係る経費発生額が過大となっていた。
 このような事態が生じていたのは、自動車研究所において委託事業の適正な実施に対する認識が十分でなかったことなどから事実と相違した内容の実績報告を行っていたこと、機構における、検査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
 したがって、本件業務委託契約に係る適正な経費発生額に基づく委託費の支払額は、12年度契約分67,190,160円、13年度契約分56,889,909円、計124,080,069円となり、支払額との差額12年度契約分27,270,990円、13年度契約分10,787,841円、計38,058,831円が過大に支払われていて、不当と認められる。