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  • 平成14年度|
  • 第4章 特定検査対象に関する検査状況|
  • 第18 地方公共団体に対する財政資金の流れについて|
  • 2 検査の状況|
  • (3)地方交付税交付金等の交付

交付税特会の状況


カ 交付税特会の状況

(ア)交付税特会の借入金の状況

 交付税特会の借入金残高は、昭和58年度に11兆5218億円に達した。59年度には、このうち5兆8277億円を国が負担することとして一般会計が承継し、残り5兆6941億円を本会計における地方負担の債務とする措置が執られた。その後、バブル期には税収の増加が続いたことなどから、借入金の返済は進み、平成3年度の残高は6732億円まで減少した。
 しかし、4年度以降、地方財政の財源不足に対し、本会計における新規借入金で補てんする措置が執られ、また、6年度以降、借入金の償還予定額の全部又は一部を償還せず後年度に繰り延べる措置が講じられ、借入金残高は14年度末で46兆6560億円となっている。
 なお、12年度には、従来の資金運用部資金(現在は財政融資資金)借入金のほか民間金融機関からの借入れが開始され、14年度末残高のうち民間金融機関借入分は17兆円となっている。

(イ)借入金の国及び地方の負担区分

 8、9両年度には、新たな借入金の一部の償還を国負担とし、後年度に一般会計が繰り入れることとする措置が執られた。
 10年度には、新たな借入金を国と地方が折半して負担するなどの措置が執られ、11、12両年度にも同様の方式が執られた。また、恒久的な減税に伴う地方交付税の影響についても、11年度以降は国と地方が折半して借入金で対応するなどの措置が執られた。
 13、14両年度においては、通常収支に係る財源不足分について、国と地方を通じる財政の一層の透明性の向上等を図るという観点から新たな借入金を縮減し、基本的には、従来の借入金の国負担分は一般会計からの加算、地方負担分は地方債(臨時財政対策債)発行によることとされたが、なお一部は借入金で対応する措置が執られた。
 これら一連の措置の結果、14年度末現在で、国が負担する借入金は15兆9317億円、地方が負担する借入金は30兆7243億円となっている。
 交付税特会の借入金残高並びに国及び地方の負担区分の推移は表11のとおりである。

表11 交付税特会の借入金残高の推移

(単位:億円)

年度
区分
62 63 2 3 4
借入金残高 59,139 47,302 29,8.46 15,221 6,732 21,859
うち国負担分
うち地方負担分 59,139 47,302 29,846 15,221 6,732 21,859

年度
区分
5 6 7 8 9 10
借入金残高 37,956 74,325 116,857 153,754 171,444 211,856
うち国負担分 10,225 19,307 33,985
うち地方負担分 37,956 74,325 116,857 143,528 152,136 177,871

年度
区分
11 12 13 14
借入金残高 300,436 381,317 425,978 466,560
うち国負担分 78,245 118,685 140,674 159,317
うち地方負担分 222,191 262,632 285,303 307,243

 また、この借入金の償還計画は表12のとおりとなっており、償還のピークは22年度で、国負担分2兆0546億円、地方負担分2兆7956億円である。

表12 借入金の償還計画

(単位:億円)

年度
区分
13 14 15 16 17 18 19
国負担分 10,938 12,040 13,231 14,960
地方負担分 798 10,667 14,787 19,196 22,353

年度
区分
20 21 22 23 24 25 26
国負担分 16,412 18,678 20,546 6,254 6,642 7,049 7,753
地方負担分 26,049 29,092 27,956 25,159 23,909 24,118 22,954

年度
区分
27 28 29 30 31 32 33
国負担分 8,528 9,380 5,431 1,473
地方負担分 17,032 10,803 6,498 3,007 2,037 2,127 2,222

年度
区分
34 35 36 37 38
国負担分
地方負担分 2,323 2,428 3,737 3,905 4,080

(ウ)国の後年度負担額

 14年度末現在の交付税特会に対する国(一般会計)の後年度負担は、上記(イ)の借入金の国負担分15兆9317億円(一般会計の承継分を除く。)及び一般会計の本会計への繰入れの繰延分5兆6125億円の計21兆5442億円から法定5税相当分の未精算額6965億円を差し引いた20兆8476億円となっている(第6章−第1節−第1−5「今後一般会計からの繰入れを要する措置」 参照)。これらを各年度ごとに示すと表13のとおりであり、負担のピークは22年度で2兆5969億円である。
 なお、このほか、昭和59年度に国の負担部分として一般会計が承継した5兆8277億円については、平成14年度末現在でなお6796億円の債務がある。

表13 国の後年度負担額

(単位:億円)

年度
区分
14 15 16 17 18 19 20 21 22
通常収支不足に係る国負担分 9,659 10,632 11,683 12,569 13,455 15,351 16,887
恒久的減税に係る国負担分 1,279 1,408 1,548 2,391 2,957 3,327 3,659
一般会計の繰延分 37 2,667 3,433 4,289 5,139 5,517 6,735 6,298
未精算分 △870 △870 △870 △870 △870 △870 △870 △875
△833 12,735 14,603 16,650 19,229 21,059 24,543 25,969

年度
区分
23 24 25 26 27 28 29 30
通常収支不足に係る国負担分 4,723 4,957 5,195 5,714 6,287 6,914 4,049 1,300
恒久的減税に係る国負担分 1,531 1,685 1,854 2,039 2,241 2,466 1,381 173
一般会計の繰延分 5,547 4,742 3,946 3,124 2,351 1,516 784
未精算分
11,801 11,384 10,995 10,877 10,879 10,896 6,215 1,473