この公団は、次の業務を行うことにより、石油及び可燃性天然ガス(以下「石油等」という。)の資源の開発を促進し、石油の備蓄の増強を推進して、石油等の安定的かつ低廉な供給の確保を図ることを目的として設置されているものである。
(ア)石油等の探鉱等に必要な資金の供給その他石油等の資源の開発に必要な資金の融通を円滑にするなどのために必要な業務
(イ)石油の備蓄及びこれに必要な資金の供給
その資本金は14事業年度末現在で1兆6609億4536万余円(全額国の出資)となっている。
同公団の会計は、一般及び石油備蓄の2勘定に区分して経理されており、その勘定別の14事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。
(一般勘定)
〔この勘定は、石油等の探鉱等に必要な資金の投融資等の業務に関する経理を行うものである。〕
1 収入支出決算
区分 | 14事業年度 | (13事業年度) |
千円 | 千円 | |
(収入) | ||
収入決定済額 | 38,722,045 | 41,645,035 |
(支出) | ||
支出予算現額 | 59,370,049 | 58,714,612 |
支出決定済額 | 25,354,805 | 27,909,068 |
翌事業年度繰越額 | 22,008,724 | 19,701,786 |
不用額 | 12,006,520 | 11,103,757 |
翌事業年度繰越額の主なものは、石油開発促進事業費(支出予算現額224億9089万余円)の81億9694万余円、補助事業費(同116億5681万余円)の63億3680万余円及び受託業務費(同128億1718万余円)の47億8742万余円である。また、不用額の主なものは、石油開発促進事業費の50億3663万余円、補助事業費の37億5372万余円及び受託業務費の18億3417万余円である。
2 損益
区分 | 14事業年度 | (13事業年度) |
千円 | 千円 | |
経常収益 | 42,032,249 | 42,945,377 |
(うち石油開発事業収入) | (16,571,070) | (16,058,947) |
経常費用 | 38,379,764 | 40,715,631 |
(うち交付金等事業費) | (18,023,337) | (16,662,560) |
特別利益 | 23,344,328 | 2,012,400 |
特別損失 | 181,279,384 | 198,533,760 |
当期損失金 | 154,282,571 | 194,291,614 |
(損失金の処理) | ||
翌事業年度に繰越欠損金として整理 | 154,282,571 | 194,291,614 |
(繰越欠損金 | 615,966,063 | 421,674,449) |
なお、特別利益はすべて非計上棚上利息回収である。また、特別損失の主なものは、臨時損失1812億7500万円である。
3 主な業務実績
区分 | 14事業年度 | (13事業年度) | |
(石油開発のための出資) | |||
出資 | 会社数 | 30社 | 37社 |
(うち新規会社数) | (4社) | (2社) | |
件数 | 92件 | 123件 | |
金額 | 20,500,503千円 | 20,708,882千円 | |
出資金減少 | 会社数 | 25社 | 43社 |
金額 | 342,193,569千円 | 17,015,136千円 | |
事業年度末出資金残高 | 会社数 | 80社 | 91社 |
件数 | 1,202件 | 1,222件 | |
金額 | 218,098,576千円 | 539,791,643千円 | |
(石油開発のための貸付け) | |||
貸付け | 会社数 | 19社 | 29社 |
件数 | 69件 | 94件 | |
金額 | 12,651,359千円 | 10,162,794千円 | |
貸付金回収等 | 金額 | 11,345,462千円 | 64,304,080千円 |
(うち減免等の額) | (3,476,931千円) | (45,714,119千円) | |
事業年度末貸付金残高 | 会社数 | 36社 | 44社 |
件数 | 1,180件 | 1,203件 | |
金額 | 177,561,870千円 | 176,255,972千円 | |
事業年度末長期未収金(注1) | 会社数 | 5社 | 6社 |
件数 | 75件 | 77件 | |
金額 | 94,911,428千円 | 75,452,012千円 | |
事業年度末求償権 | 会社数 | 1社 | 1社 |
件数 | 1件 | 1件 | |
金額 | 11,454,374千円 | 11,454,374千円 | |
上記出資金、貸付金、長期未収金及び求償権のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に公団において開示している債権等(注2) | |||
破綻先債権等(注3) | 132,428,128千円 | 13,869,859千円 | |
延滞債権等(注3) | 28,024,056千円 | 34,288,257千円 | |
3カ月以上延滞債権等 | − | − | |
貸出条件緩和債権等 | 40,071,951千円 | 465,207,052千円 | |
計 | 200,524,135千円 | 513,365,168千円 | |
投融資損失引当金(注) | 89,484,647千円 | 247,170,917千円 | |
(投融資損失引当金計上率) | (17.8/100) | (30.8/100) |
(注) | 探鉱投融資等の回収不能による損失に備えるため計上しているもので、投融資先会社等の財政状態等を勘案して個別に算定した損失見込額を計上している。 |
(注1) | 長期未収金 支払を猶予している貸付金利息のうち収益計上しているもの。このほか、回収の見込みが低いと判断し、財務諸表の注記事項としているものが1347億4324万余円及び米貨58,913,285ドルある。 |
(注2) | 探鉱等投融資事業に係る投資有価証券及び関係会社株式についても同様の分類により開示している。 |
(注3) | 探鉱等投融資事業対象会社のうち、事業終結承認済及び事業終結承認見込みの会社に対する債権等を、延滞の有無にかかわらず、すべて延滞債権等(特別清算を予定している場合は破綻先債権等)として開示している。 |
(石油開発のための債務の保証) | |||
保証 | 会社数 | 7社 | 4社 |
金額 | 44,317,644千円 | 19,219,132千円 | |
減少した保証債務 | 会社数 | 8社 | 15社 |
金額 | 14,916,580千円 | 33,444,766千円 | |
(うち代位弁済の額) | (−) | (12,981,467千円) | |
事業年度末為替調整額 | 金額 | △6,010,601千円 | 3,827,969千円 |
事業年度末保証債務残高 | 会社数 | 13社 | 11社 |
金額 | 101,847,060千円 | 78,456,598千円 |
(石油備蓄勘定)
〔この勘定は、石油備蓄業務及び石油備蓄に対する投融資業務に関する経理を行うものである。〕
1 収入支出決算
区分 | 14事業年度 | (13事業年度) |
千円 | 千円 | |
(収入) | ||
収入決定済額 | 124,289,360 | 238,602,751 |
(支出) | ||
支出予算現額 | 138,561,366 | 241,844,700 |
支出決定済額 | 120,242,747 | 218,456,126 |
翌事業年度繰越額 | 147,300 | 126,000 |
不用額 | 18,171,318 | 23,262,573 |
不用額は、公団石油・石油ガス備蓄業務費(支出予算現額1252億9971万余円)の106億1221万余円及び石油・石油ガス備蓄増強対策投融資業務費(同132億6165万余円)の75億5909万余円である。
2 損益
区分 | 14事業年度 | (13事業年度) |
千円 | 千円 | |
経常収益 | 130,712,808 | 238,641,304 |
(うち交付金等事業収入) | (111,384,501) | (226,899,036) |
経常費用 | 130,870,884 | 238,641,304 |
(うち公団石油備蓄事業費) | (114,665,352) | (212,728,545) |
特別利益 | 158,076 | − |
3 借入金等
区分 | 14事業年度末 | (13事業年度末) |
千円 | 千円 | |
借入金残高 (市中金融機関等) |
1,825,231,413 | 1,836,355,903 |
石油債券発行残高 | 368,855,000 | 434,491,000 |
4 主な業務実績
区分 | 14事業年度 | (13事業年度) | |
(公団の石油備蓄状況) | |||
購入等 | 数量 | 98万kl | 157万kl |
金額 | 19,372,135千円 | 26,894,380千円 | |
売却等 | 数量 | 91万kl | 56万kl |
金額 | 28,190,115千円 | 12,384,407千円 | |
事業年度末現在高 | 数量 | 5098万kl | 5091万kl |
金額 | 1,321,116,983千円 | 1,329,934,963千円 | |
(石油備蓄基地建設のための出資) | |||
出資 | 会社数 | 1社 | 1社 |
金額 | 3,840,000千円 | 3,510,000千円 | |
事業年度末出資金残高 | 会社数 | 13社 | 13社 |
金額 | 88,200,000千円 | 84,360,000千円 | |
(石油備蓄基地建設のための貸付け) | |||
貸付け | 会社数 | 10社 | 10社 |
金額 | 13,566,100千円 | 15,869,500千円 | |
貸付金回収 | 金額 | 68,295,594千円 | 59,998,450千円 |
事業年度末貸付金残高 | 会社数 | 11社 | 11社 |
金額 | 709,217,061千円 | 763,946,555千円 | |
(民間会社が行う備蓄のための石油購入資金の貸付け) | |||
貸付け | 会社数 | 26社 | 26社 |
件数 | 59件 | 82件 | |
金額 | 260,765,800千円 | 287,725,500千円 | |
貸付金回収 | 金額 | 274,774,900千円 | 189,354,100千円 |
事業年度末貸付金残高 | 会社数 | 26社 | 27社 |
件数 | 58件 | 81件 | |
金額 | 257,686,200千円 | 271,695,300千円 | |
貸倒引当金 | 1,720,692千円 | 1,878,768千円 | |
(貸倒引当金計上率)(注) | (6.0/1000) | (6.0/1000) |
なお、この公団について検査した結果、「第4章 特定検査対象に関する検査状況」に「石油等の探鉱投融資等事業について」 を掲記した。