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  • 平成14年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 2 国が資本金の2分の1以上を出資している法人の決算|
  • [2]公団、事業団等の決算|
  • (その他)

雇用・能力開発機構


(13)雇用・能力開発機構

 この機構は、労働者の有する能力の有効な発揮及び職業生活の充実を図るため、雇用管理の改善に対する援助、公共職業能力開発施設の設置及び運営等の業務を行うことにより、良好な雇用の機会の創出その他の雇用開発並びに職業能力の開発及び向上を促進し、もって労働者の雇用の安定その他福祉の増進と経済の発展に寄与することを目的として設置されているものである。その資本金は14事業年度末現在で2兆1616億5635万余円(うち国の出資2兆1607億3837万余円)となっている。
 同機構の会計は、一般及び炭鉱離職者援護業務特別の2会計に区分して経理され、一般会計は、さらに、雇用保険、雇用促進融資、駐留軍関係離職者等援護事業、勤労者財産形成促進事業及び介護労働者福祉事業の5勘定に区分されている。
 なお、同機構の会計のうち炭鉱離職者援護業務特別会計は、「石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律」(平成12年法律第16号)の施行に伴い、14事業年度から炭鉱離職者に対してのみ援護業務を行うこととなったため、従来の炭鉱離職者等援護業務特別会計の名称を改めたものである。
 同機構の会計及び勘定別の14事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。

(一般会計)

 (雇用保険勘定)

 この勘定は、雇用管理の改善に対する援助、公共職業能力開発施設の設置、運営等の事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

区分 14事業年度 (13事業年度)
  千円 千円
(収入)    
 収入決定済額 260,527,928 373,438,177
(支出)    
 支出予算現額 309,834,528 417,812,395
 支出決定済額 246,462,804 361,446,517
 翌事業年度繰越額 1,691,737 11,307,501
 不用額 61,679,987 45,058,376

 不用額の主なものは、雇用安定業務費(支出予算現額693億9024万余円)の349億1195万余円、職業訓練業務費(同744億5176万余円)の115億9314万余円及び建設雇用福祉業務費(同93億8117万余円)の30億5306万余円である。

2 損益

区分 14事業年度 (13事業年度)
  千円 千円
 経常収益 221,288,737 323,080,790
 (うち政府交付金等収入) (169,696,078) (254,938,589)
 経常費用 256,726,385 373,119,423
 (うち能力開発事業費) (69,245,547) (102,839,570)
 特別利益 26,935 25,733
 特別損失 103,461,414 12,701,074
 当期損失金 138,872,126 62,713,973
(損失金の処理)    
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 138,872,126 62,713,973
(繰越欠損金 554,005,038 491,291,064)

 なお、特別損失の主なものは固定資産売却損991億1095万余円である。

3 主な業務実績

区分 14事業年度 (13事業年度)
公共職業能力開発施設等の運営 97箇所 110箇所
移転就職者用宿舎の運営 143,056戸 143,338戸
福祉施設等の運営 689箇所 2,032箇所

 (雇用促進融資勘定)

 この勘定は、労働者の雇用を促進することを目的として、移転就職者等を雇い入れる事業主等に対する労働者住宅、福祉施設及び職業訓練施設の設置又は整備に要する資金の貸付けの事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

区分 14事業年度 (13事業年度)
  千円 千円
(収入)    
 収入決定済額 11,847,681 13,681,292
(支出)    
 支出予算現額 7,626,488 12,084,083
 支出決定済額 7,095,243 8,786,968
 不用額 531,244 3,297,114

2 損益

区分 14事業年度 (13事業年度)
  千円 千円
 経常収益 2,841,302 3,280,990
 (うち雇用保険勘定より受入) (1,635,777) (1,795,309)
 経常費用 2,834,948 3,273,884
 (うち雇用促進融資業務費) (2,329,181) (2,638,569)
 当期利益金 6,354 7,105
(利益金の処理)    
 翌事業年度に繰越欠損金の補てんに充当 6,354 7,105
(繰越欠損金 169,350 176,456)

3 借入金

区分 14事業年度末 (13事業年度末)
  千円 千円
借入金残高 39,954,022 44,418,588
(財政融資資金)    

4 主な業務実績

 (労働者住宅設置資金等の貸付け)

区分   14事業年度 (13事業年度)
貸付け 件数 9件 21件
  金額 257,600千円 1,009,290千円
貸付金回収等 金額 4,580,280千円 6,575,243千円
(うち繰上償還)   (2,493,692千円) (4,011,671千円)
(うち貸付金償却)   (474,096千円) (609,842千円)
事業年度末貸付金残高 件数 800件 941件
  金額 35,201,584千円 39,524,264千円
 上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に機構において開示している債権    
   破綻先債権   6,813,540千円 5,872,791千円
   延滞債権   1,189,260千円 1,966,877千円
   3カ月以上延滞債権   300,893千円 52,189千円
   貸出条件緩和債権  
  8,303,694千円 7,891,857千円
 貸倒引当金   31,670千円 25,472千円
 (貸倒引当金計上率)(注)   (0.8/1000) (0.6/1000)
 (注)
 貸倒引当金に計上できる金額は、当該事業年度末における貸付金残高に3/1000を乗じて得た金額の範囲内とされている。

 (駐留軍関係離職者等援護事業勘定)

 この勘定は、駐留軍関係離職者等の再就職を促進するため、開業資金の債務保証、職業講習等を実施する事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

区分 14事業年度 (13事業年度)
  千円 千円
(収入)    
 収入決定済額 42,895 42,886
(支出)    
 支出予算現額 1,120 1,117
 不用額 1,120 1,117

2 損益

区分 14事業年度 (13事業年度)
  千円 千円
 経常収益 8 11
 (受取利息)    
 当期利益金 8 11
(利益金の処理)    
 翌事業年度に積立金として整理 8 11

3 積立金

区分 14事業年度末 (13事業年度末)
  千円 千円
積立金残高 42,886 42,875

 (勤労者財産形成促進事業勘定)

 この勘定は、勤労者の財産形成を促進するため、中小事業主等に対する財産形成持家分譲資金等の貸付け等の事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

区分 14事業年度 (13事業年度)
  千円 千円
(収入)    
 収入決定済額 356,857,411 348,951,457
(支出)    
 支出予算現額 457,880,531 431,764,443
 支出決定済額 342,250,368 330,730,031
 不用額 115,630,162 101,034,411

 不用額の主なものは、財形融資貸付金(支出予算現額2391億7600万円)の1059億3813万円、借入金償還金(同1922億0100万円)の31億0100万円及び財形融資資金貸付金(同68億円)の27億0386万円である。

2 損益

区分 14事業年度 (13事業年度)
  千円 千円
 経常収益 13,302,694 14,949,577
 (うち貸付金利息) (11,015,548) (12,448,189)
 経常費用 16,522,362 19,872,324
 (うち勤労者財産形成促進業務費) (15,469,462) (18,641,921)
 当期損失金 3,219,713 4,922,747
(損失金の処理)    
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 3,219,713 4,922,747
(繰越欠損金 38,114,915 33,192,168)

3 債券発行等

区分 14事業年度末 (13事業年度末)
  千円 千円
雇用・能力開発債券発行残高 630,700,000 576,300,000
借入金残高 121,700,000 125,800,000
(市中金融機関等)    

4 主な業務実績

 (財形融資貸付)

区分   14事業年度 (13事業年度)
貸付け 件数 6,575件 6,013件
  金額 133,237,870千円 117,618,590千円
貸付金回収等 金額 84,630,022千円 68,200,193千円
(うち繰上償還)   (51,626,779千円) (37,501,417千円)
(うち貸付金償却)   (−) (221,841千円)
事業年度末貸付金残高 件数 57,566件 56,549件
  金額 690,863,604千円 642,255,757千円
 上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に機構において開示している債権    
   破綻先債権   93,414千円 97,299千円
   延滞債権   572,683千円 512,314千円
   3カ月以上延滞債権   48,472千円 870,852千円
   貸出条件緩和債権   16,582千円
  731,154千円 1,480,466千円
 貸倒引当金   753,190千円 701,512千円
 (貸倒引当金計上率)(注)   (1.0/1000) (1.0/1000)
 (注)
 貸倒引当金に計上できる金額は、当該事業年度末における貸付金残高に3/1000を乗じて得た金額の範囲内とされている。

 (介護労働者福祉事業勘定)

 この勘定は、介護労働者の福祉の増進を図るため、設備の設置資金等の債務保証、介護労働者の負傷、疾病等に係る援助に対する助成等の事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

区分 14事業年度 (13事業年度)
  千円 千円
(収入)    
 収入決定済額 732,607 743,020
(支出)    
 支出予算現額 278,274 285,151
 支出決定済額 220,520 218,642
 不用額 57,753 66,508

2 損益

区分 14事業年度 (13事業年度)
  千円 千円
 経常収益 208,229 280,088
 (うち有価証券利息) (208,080) (279,859)
 経常費用 220,520 218,642
 (雇用福祉事業費)    
 当期利益金(△当期損失金) △12,290 61,446
(利益金又は損失金の処理)    
 翌事業年度に積立金を減額整理 12,290
 翌事業年度に積立金として整理 61,446

3 積立金

区分 14事業年度末 (13事業年度末)
  千円 千円
積立金残高 976,686 915,240

(炭鉱離職者援護業務特別会計)

 この会計は、炭鉱離職者の再就職を促進するため職業訓練等を実施する事業などに関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

区分 14事業年度 (13事業年度)
  千円 千円
(収入)    
 収入決定済額 384,551 840,211
(支出)    
 支出予算現額 376,558 1,181,198
 支出決定済額 336,340 452,879
 不用額 40,217 728,318

2 損益

区分 14事業年度 (13事業年度)
  千円 千円
 経常収益 81,314 419,257
 (うち政府補助金収入) (81,135) (376,984)
 経常費用 340,037 476,844
 (うち炭鉱離職者援護事業費) (310,589) (−)
 (うち炭鉱離職者等援護事業費) (−) (329,198)
 特別利益 233,696
 特別損失 782,702 294,147
 当期損失金 1,041,425 118,037
(損失金の処理)    
 翌事業年度に積立金を減額整理 1,041,425 118,037

3 積立金

区分 14事業年度末 (13事業年度末)
  千円 千円
積立金残高 1,198,909 1,316,947

 なお、この機構について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「中小企業雇用創出人材確保助成金の支給が適正でなかったもの」 を掲記した。