会計名及び科目 | 一般会計 (組織)厚生労働本省 (項)職業転換対策事業費 |
部局等の名称 | 厚生労働本省 |
補助の根拠 | 予算補助 |
補助事業者等 | 財団法人高年齢者雇用開発協会 (支給要件確認庁 佐野公共職業安定所ほか15公共職業安定所) |
事業 | 早期再就職者支援基金事業 |
事業の概要 | 失業者の早期再就職を促すため、早期再就職者支援金の支給を行うもの |
不適正な支給となっていた早期再就職者支援金 | 早期再就職支援金 |
支給の相手方 | 20人 |
上記の相手方に対する早期再就職支援金の支給額の合計 | 7,276,580円 | (平成15年度) |
上記に対する国庫補助金相当額 | 7,276,580円 | |
不適正支給額 | 7,276,580円 | (平成15年度) |
不当と認める国庫補助金相当額 | 7,276,580円 |
1 事業の概要
厚生労働省では、緊急雇用対策の一環として、緊急雇用創出特別基金事業実施要領(平成11年労働省発職第1号事務次官通達)に基づき、緊急雇用創出特別基金事業を実施する財団法人高年齢者雇用開発協会(以下「協会」という。)に対し、緊急雇用創出特別基金補助金(以下「補助金」という。)を交付している。
協会では、この補助金を財源として緊急雇用創出特別基金を造成しているが、平成14年度からは大量の失業が発生する場合に備えるため基金を拡充し、上記事業の一環として、早期再就職者支援基金事業実施要領(平成15年厚生労働省発職第0227001号事務次官通達)に基づき、失業者の早期再就職を促すための早期再就職者支援金を支給する早期再就職者支援基金事業を、16年度までの時限事業として実施している。
上記の早期再就職者支援金には、早期再就職支援金と早期就業支援金がある。このうち早期再就職支援金(以下「支援金」という。)は、雇用保険の基本手当の受給資格者(「雇用保険の失業等給付金の支給が適正でなかったもの」参照)
が基本手当を受給できる日数を所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上残して安定した職業に就くことなどの再就職手当の支給要件を満たす場合において、この基本手当の支給残日数を所定給付日数の3分の2以上残して再就職した場合に、上記再就職手当に代えて支給するものである。ただし、本件支援金は雇用保険の基本手当の受給資格者を対象としていることから、事実と相違した申告により基本手当を受給した者には、支援金を支給しないこととなっている。
支給額は、次により算定することとなっていて、再就職手当の支給額が支給残日数の3割相当額であるのに比べ、支援金の支給額は支給残日数の4割相当額と多くなっている。
支援金の支給を受けようとする受給資格者は、就職日の翌日から起算して1箇月以内に、雇入年月日等を記載した早期再就職支援金支給申請書(以下「支給申請書」という。)を住居所を管轄する公共職業安定所に提出することとなっている。
公共職業安定所では、提出された支給申請書等について支給要件を満たしているかなどの調査確認を行い、協会ではこの結果を基に支給決定及び支給を行うこととなっている。
2 検査の結果
協会において、15年度に支援金の支給を受けた者のうち1,760人について、これらの者の住居所を管轄する192公共職業安定所における支援金の支給要件の調査確認の適否及び協会における支援金の支給決定の適否を検査した。
検査したところ、20人に対する支援金7,276,580円(国庫補助金相当額同額)が適正に支給されていなかった。したがって、これに係る国庫補助金相当額7,276,580円が不当と認められる。
上記の不適正支給となっていたものの主な態様は、既に就職していて雇用保険の基本手当を受給できないにもかかわらず、事実と相違した申告により基本手当を受給していた者に対し、支援金を支給していたものである。
このような事態が生じていたのは、受給者が誠実でなく、支給申請書に事実と相違した雇入年月日を記載するなどしていたのに、佐野公共職業安定所ほか15公共職業安定所(注)
においてこれに対する調査確認が十分でないまま、協会が支給の決定を行っていたことによると認められる。
なお、これらの不適正支給額については、本院の指摘により、すべて返還の処置が執られた。