この銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うこと並びに銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的として設置されているものである。その資本金は17事業年度末現在で1億円(うち国の出資5500万円)となっている。
また、同銀行は、法令で定めるところにより、国庫金並びに通貨及び金融に関する国の事務を取り扱っている。
同銀行の17事業年度の貸借対照表、損益計算書及び主な業務実績は次のとおりである。
1 貸借対照表
区分
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17事業年度末
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(16事業年度末)
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千円
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千円
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資産
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144,862,938,644
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150,517,363,797
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(うち国債)
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(93,273,125,903)
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(99,123,927,195)
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(うち買入手形)
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(37,814,400,000)
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(37,609,900,000)
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負債
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142,001,781,965
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147,820,969,851
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(うち発行銀行券)
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(74,978,125,068)
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(74,671,935,692)
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(うち預金)
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(31,414,192,341)
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(36,128,603,741)
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資本
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2,861,156,679
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2,696,393,945
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(うち資本金)
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(100,000)
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(100,000)
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(うち法定準備金)
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(2,527,193,679)
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(2,502,232,439)
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2 損益計算書
区分
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17事業年度
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(16事業年度)
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千円
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千円
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経常収益
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1,006,133,751
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784,674,830
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(うち外国為替収益)
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(438,409,483)
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(322,315,694)
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(うち国債利息)
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(430,459,685)
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(341,053,422)
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経常費用
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278,282,682
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277,228,296
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(うち経費)
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(230,718,531)
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(232,158,570)
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経常利益
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727,851,069
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507,446,534
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特別利益
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3,211,229
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3,971,317
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特別損失
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168,894,816
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96,945,369
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(うち外国為替等取引損失引当金繰入額)
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(168,145,000)
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(96,386,000)
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税引前当期剰余金
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562,167,482
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414,472,482
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法人税、住民税及び事業税
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228,317,679
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220,424,172
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当期剰余金
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333,849,803
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194,048,310
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(剰余金の処分)
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法定準備金積立額
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16,692,490
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24,961,240
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配当金
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5,000
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5,000
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国庫納付金
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317,152,313
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169,082,069
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3 主な業務実績
区分
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17事業年度
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(16事業年度)
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銀行券発行高
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126億枚
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128億枚
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主な金融調節(注1)
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長期国債買入れ
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14兆4636億円
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14兆5778億円
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短期国債買入れ
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24兆1852億円
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43兆1677億円
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短期国債売却
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△5兆0032億円
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△9013億円
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国債買現先(注2)
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714億円
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4616億円
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国債売現先(注2)
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△695億円
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△5315億円
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手形買入れ
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2045億円
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10兆3907億円
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手形売出し
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3927億円
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7776億円
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正の金額は当座預金の増加(市中への資金供給)、負の金額は当座預金の減少(市中からの資金吸収)を表している。
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国債買現先とは、あらかじめ定めた期日に売り戻す条件を付して、国債を買い入れ、これを上記の期日に買入先に売り戻す公開市場操作(オペレーション)のことである。国債売現先とは、上記と逆の公開市場操作のことである。
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なお、この銀行について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「航空機を利用した出張に係る旅費の精算手続及び審査を適切に行うための規定を整備するなどして、旅費の支給が適正に行われるよう改善させたもの」 、「銀行券自動鑑査機等の保守契約について、保守作業の実績及び保守対象機器の範囲に応じて基本料金を減額する条項等を定めることにより、保守料の節減を図るよう改善させたもの」 及び「貿易再保険事業における外貨建代位取得債権収入等を邦貨建てにする際に市中の取引慣行を踏まえて外国為替取引手数料の節減を図るよう改善させたもの」 を掲記した。