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  • 平成19年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第14 防衛省|
  • 平成18年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(1) 着後手当の支給について


(1) 着後手当の支給について

平成18年度決算検査報告 参照)

1 本院が求めた是正改善の処置

(検査結果の概要)

 防衛省(平成19年1月8日以前は内閣府防衛庁)は、陸上、海上、航空各自衛隊の隊員が新たに採用され又は転任を命ぜられて移転する場合、国家公務員等の旅費に関する法律(昭和25年法律第114号。以下「法」という。)に基づき、新居住地に到着後、新住居を見付けるまでの旅館等の宿泊料やあいさつなどに要する費用に充てるために、赴任旅費の一部として、着後手当を支給しており、その支給額は、法第24条により、日当定額の5日分及び宿泊料定額の5夜分(以下「5日5夜分」という。)に相当する額と定められている。
 一方、法第46条及び国家公務員等の旅費に関する法律の運用方針について(昭和27年蔵計第922号。以下「運用方針」という。)によると、法の規定による旅費を支給した場合には不当に旅行の実費を超えた旅費を支給することとなるなど、旅費計算の建前に照らして適当でない場合には旅費の調整を行うこととしており、着後手当については、新在勤地に到着後直ちに職員のための国設宿舎又は自宅に入る場合には日当定額の2日分及び宿泊料定額の2夜分(以下「2日2夜分」という。)に相当する額とするなどの支給基準を示している。そして、防衛省においても、上記の運用方針に準じて旅費の調整規定を定めており、新在勤地に到着後直ちに国家公務員宿舎(以下「宿舎」という。)を利用した場合又は自宅に入った場合には、着後手当を2日2夜分に相当する額に減額調整して支給するなどとしている。
 また、到着後直ちに宿舎に入居できなかった場合で着後手当5日5夜分若しくは移転の路程に応じて3日3夜分又は4日4夜分(以下、これらを総称して「5日5夜分等」という。)に相当する額を支給する場合は、当該異動者に直ちに宿舎に入らなかった理由や宿泊場所等を記載した宿泊申立書及び旅館等の領収書等を提出させて宿泊状況等を確認することとしている。
 そこで、合規性、経済性等の観点から、新在勤地で宿舎に入居する場合の着後手当の減額調整が適切に行われているかなどに着眼して、14基地等において会計実地検査を行ったところ、到着後直ちに宿舎に入居できなかったとするもののうち、旅館等を利用せずに実家や友人宅等に宿泊したとして宿泊に係る領収書を提出しなかったものについても5日5夜分等の着後手当を支給していた。しかし、実家や友人宅等を利用したとして宿泊に係る領収書を提出しなかったものについては、宿泊に係る費用の発生が確認できないのであるから、直ちに宿舎に入居したものとして着後手当を2日2夜分に減額調整するよう是正改善を図る要があると認められた。
 このような事態が生じていたのは、防衛省において、着後手当の支給に当たり、費用発生の実態に即した減額調整ができるという法第46条及び運用方針の趣旨に対する認識が十分でなかったことによると認められた。

(検査結果により求めた是正改善の処置)

 着後手当の支給に当たり、宿泊申立書において実家や友人宅等を利用したとして宿泊に係る領収書を提出しなかったものについては、着後手当を2日2夜分に減額調整することを明確に定めるなどの所要の措置を講ずるよう、防衛大臣に対して19年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

 本院は、防衛本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、防衛省は、本院指摘の趣旨に沿い、19年12月に防衛省所管旅費取扱規則(平成18年防衛庁訓令第109号)及び防衛省所管旅費取扱規則の運用について(平成19年防経会第53号)を改正して、着後手当の支給に当たり、親戚(せき)宅や知人宅等を利用するなど社会通念上、宿泊費用の支払が伴わないところに宿泊した場合には着後手当を2日2夜分に減額調整することを明確に定めるなどの処置を講じていた。