この独立行政法人は、主要な畜産物の価格の安定、主要な野菜の生産及び出荷の安定並びに砂糖及びでん粉の価格調整に必要な業務を行うとともに、畜産業及び野菜農業の振興に資するための事業についてその経費を補助する業務を行うほか、あわせて生糸の輸入に係る調整等に必要な業務を行い、もって農畜産業及びその関連産業の健全な発展並びに国民消費生活の安定に寄与することを目的として設置されているものである。その資本金は19事業年度末現在で359億8991万余円(全額国の出資)となっている。
同法人の会計は、畜産、野菜、砂糖、でん粉、生糸、補給金等、肉用子牛及び債務保証の8勘定に区分して経理されており、その勘定別の19事業年度の貸借対照表、損益計算書及び主な業務実績は次のとおりである。このうち、でん粉勘定は、砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律(昭和40年法律第109号)の改正により、同法人が19年4月1日から輸入に係る指定でん粉等の売買業務、でん粉原料用いも交付金及び国内産いもでん粉交付金の交付業務等を新たに行うこととなり、これに関する経理を行うために設けられたものである。
ア 畜産勘定
この勘定は、国内産の指定乳製品及び指定食肉の売買保管業務等並びに国内産牛乳の学校給食用供給事業に対する補助業務及び畜産業振興事業に対する補助業務等に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
資産
(うち現金及び預金)
(うち投資有価証券)
|
267,320,332
(227,905,959)
(29,290,655)
|
229,127,605
(189,391,999)
(29,949,710)
|
負債
(うち運営費交付金債務)
(うち調整資金)
(うち畜産業振興資金)
|
232,916,764
(−)
(143,735,696)
(82,334,546)
|
195,017,533
(425,262)
(134,149,980)
(53,330,557)
|
純資産(注1)
(うち資本金)
(うち利益剰余金)
|
34,403,567
(29,966,262)
(4,437,305)
|
34,110,072
(29,966,262)
(4,143,809)
|
18事業年度までは資本の区分であったが、独立行政法人会計基準の改訂(19年11月19日)に伴い、19事業年度からは純資産の区分となった。以下の他勘定についても同様である。
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち業務経費)
|
115,091,584
(81,575,620)
|
60,052,492
(55,377,177)
|
||
経常収益
|
||||
(うち運営費交付金収益)
(うち補助金等収益)
|
74,841,498
(664,445)
(71,918,051)
|
49,768,565
(457,267)
(48,193,338)
|
||
経常損失
|
40,250,086
|
10,283,926
|
||
臨時損失
|
257
|
537,118
|
||
臨時利益
|
40,543,839
|
10,771,233
|
||
当期純利益(△当期純損失)
|
293,495
|
△49,811
|
||
当期総利益(△当期総損失)
|
293,495
|
△49,811
|
||
(利益の処分又は損失の処理)
|
||||
(当期未処分利益又は当期未処理損失)
|
||||
当期総利益(△当期総損失)
|
293,495
|
△49,811
|
||
(利益処分額又は損失処理額)
|
||||
積立金
|
293,495
|
−
|
||
積立金取崩額
|
−
|
49,811
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
畜産業振興事業に対する補助
|
33事業項目
78,915,947千円
|
34事業項目
52,659,216千円
|
学校給食用牛乳供給事業に対する補助に係る供給実績
|
384,487kl
|
386,529kl
|
イ 野菜勘定
この勘定は、指定野菜生産者補給交付金及び契約指定野菜生産者補給交付金の交付業務等並びに野菜農業振興事業に対する補助業務等に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
資産
(うち現金及び預金)
(うち投資有価証券)
|
93,956,685
(15,685,128)
(71,278,529)
|
94,976,319
(7,309,118)
(75,832,774)
|
負債
(うち野菜生産出荷安定資金)
(うち野菜農業振興資金)
|
93,544,882
(82,475,455)
(10,258,100)
|
94,564,516
(83,987,670)
(9,677,689)
|
純資産
(うち資本金)
(うち利益剰余金)
|
411,802
(293,139)
(118,663)
|
411,802
(293,139)
(118,663)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
経常費用
(うち業務経費)
|
20,999,557
(20,639,906)
|
16,952,475
(16,562,395)
|
経常収益
(うち補助金等収益)
(うち財務収益)
|
20,997,578
(19,502,779)
(1,491,788)
|
16,931,015
(15,317,941)
(1,607,459)
|
経常損失
|
1,979
|
21,459
|
臨時利益
|
1,979
|
21,459
|
当期純利益
|
−
|
−
|
当期総利益
|
−
|
−
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
指定野菜生産者補給交付金の交付
|
18,834,187千円
|
14,073,709千円
|
野菜農業振興事業に対する補助
|
2事業項目
395,418千円
|
2事業項目
532,273千円
|
ウ 砂糖勘定
この勘定は、輸入に係る指定糖及び異性化糖等の売買業務、甘味資源作物交付金及び国内産糖交付金の交付業務等に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
資産
(うち現金及び預金)
(うち未収金)
|
1,969,676
(965,750)
(806,275)
|
2,757,604
(1,492,831)
(1,046,458)
|
負債
(うち運営費交付金債務)
(うち短期借入金)
|
44,651,029
(−)
(23,568,073)
|
52,830,875
(262,358)
(32,864,952)
|
純資産(繰越欠損金)
|
△42,681,352
|
△50,073,270
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち業務経費)
|
52,969,406
(52,203,654)
|
78,319,657
(77,363,997)
|
||
経常収益
(うち運営費交付金収益)
(うち糖価調整事業収入)
|
60,097,245
(1,352,855)
(51,644,538)
|
60,507,660
(1,341,182)
(50,146,190)
|
||
経常利益(△経常損失)
|
7,127,839
|
△17,811,996
|
||
臨時損失
|
638
|
−
|
||
臨時利益
|
264,717
|
51,933,648
|
||
当期純利益
|
7,391,917
|
34,121,652
|
||
当期総利益
|
7,391,917
|
34,121,652
|
||
(損失の処理)
|
||||
(当期未処理損失)
|
||||
当期総利益
|
7,391,917
|
34,121,652
|
||
前期繰越欠損金
|
50,073,270
|
84,194,923
|
||
(損失処理額)
|
||||
次期繰越欠損金
|
42,681,352
|
50,073,270
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
輸入に係る指定糖の売買
|
1,397,665t
|
1,363,350t
|
国内産糖の交付金の交付決定数量
|
459,275t
|
804,207t
|
甘味資源作物の交付金の交付決定数量
|
1,170,573t
|
−
|
エ でん粉勘定
この勘定は、輸入に係る指定でん粉等の売買業務、でん粉原料用いも交付金及び国内産いもでん粉交付金の交付業務等に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
|
資産
(うち現金及び預金)
(うち未収金)
|
1,468,632
(244,484)
(1,215,319)
|
|
負債
(うち運営費交付金債務)
(うち短期借入金)
|
984,787
(−)
(727,822)
|
|
純資産(利益剰余金)
|
483,845
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
|||
経常費用
(うち業務経費)
|
6,865,872
(6,756,967)
|
|||
経常収益
(うち運営費交付金収益)
(うちでん粉価格調整事業収入)
|
7,349,718
(506,118)
(6,842,938)
|
|||
経常利益
|
483,845
|
|||
当期純利益
|
483,845
|
|||
当期総利益
|
483,845
|
|||
(利益の処分)
|
||||
(当期未処分利益)
|
||||
当期総利益
|
483,845
|
|||
(利益処分額)
|
||||
積立金
|
483,845
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
|
輸入に係る指定でん粉等の売買
|
1,755,433t
|
|
でん粉原料用いもの交付金の交付決定数量
|
145,278t
|
|
国内産いもでん粉の交付金の交付決定数量
|
69,754t
|
オ 生糸勘定
この勘定は、輸入生糸の売買保管業務及び蚕糸業振興事業に対する補助業務等に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
資産
(うち現金及び預金)
(うち投資有価証券)
|
684,489
(684,163)
(−)
|
5,727,133
(668,552)
(4,759,507)
|
負債
(うち運営費交付金債務)
(うち短期借入金)
(うち蚕糸業振興資金)
|
338,288
(−)
(−)
(337,376)
|
6,510,067
(150,497)
(5,911,207)
(445,763)
|
純資産
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち繰越欠損金)
|
346,200
(5,030,300)
(−)
(4,684,099)
|
△782,934
(5,030,300)
(△5,559)
(5,807,674)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち業務経費)
|
894,760
(833,947)
|
972,597
(908,325)
|
||
経常収益
(うち運営費交付金収益)
(うち補助金等収益)
|
1,820,352
(154,522)
(1,430,518)
|
5,103,008
(33,298)
(4,841,280)
|
||
経常利益
|
925,592
|
4,130,411
|
||
臨時損失
|
6,953
|
−
|
||
臨時利益
|
204,936
|
201,124
|
||
当期純利益
|
1,123,575
|
4,331,536
|
||
当期総利益
|
1,123,575
|
4,331,536
|
||
(損失の処理)
|
||||
(当期未処理損失)
|
||||
当期総利益
|
1,123,575
|
4,331,536
|
||
前期繰越欠損金
|
5,807,674
|
10,139,211
|
||
(損失処理額)
|
||||
次期繰越欠損金
|
4,684,099
|
5,807,674
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
輸入申告に係る生糸の売買
|
13,208俵
|
15,582俵
|
カ 補給金等勘定
この勘定は、加工原料乳についての生産者補給交付金の交付業務及び輸入乳製品の売買保管業務に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
資産
(うち現金及び預金)
(うちたな卸資産)
|
32,369,593
(32,162,147)
(133,561)
|
30,506,781
(30,304,784)
(127,244)
|
負債
(うち未払金)
(うち受入保証金)
|
5,225,274
(4,242,917)(427,207)
|
5,226,287
(4,255,714)(236,221)
|
純資産
(利益剰余金)
|
27,144,318
|
25,280,493
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち業務経費)
|
32,157,674
(31,869,150)
|
26,727,082
(26,554,884)
|
||
経常収益
(うち補助金等収益)
(うち輸入乳製品売渡収入)
|
34,021,499
(19,064,103)(14,777,343)
|
26,652,047
(20,259,663)(6,286,336)
|
||
経常利益(△経常損失)
|
1,863,825
|
△75,035
|
||
当期純利益(△当期純損失)
|
1,863,825
|
△75,035
|
||
当期総利益(△当期総損失)
|
1,863,825
|
△75,035
|
||
(利益の処分又は損失の処理)
|
||||
(当期未処分利益又は当期未処理損失)
|
||||
当期総利益(△当期総損失)
|
1,863,825
|
△75,035
|
||
(利益処分額又は損失処理額)
|
||||
積立金
|
372,765
|
−
|
||
畜産勘定への繰入額
|
1,491,060
|
−
|
||
積立金取崩額
|
−
|
75,035
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
|
生産者補給交付金の交付
|
対象数量
|
1,961,398t
|
2,030,000t
|
交付金額
|
20,692,758千円
|
21,111,999千円
|
|
ホエイ及び調製ホエイ(注2)
|
買入れ
|
3,811t
|
4,279t
|
売渡し
|
3,811t
|
4,279t
|
|
生乳を乳酸菌で発酵させるなどしてできた乳清を粉末状にしたもの
|
キ 肉用子牛勘定
この勘定は、肉用子牛についての生産者補給交付金及び生産者積立助成金の交付業務に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
資産
(うち現金及び預金)
(うち投資有価証券)
|
636,662
(109,199)
(249,075)
|
797,826
(91,839)
(248,919)
|
負債
(うち運営費交付金債務)
(うち未払金)
|
287,651
(−)
(213,013)
|
469,264
(35,897)
(335,105)
|
純資産
(うち資本金)
(うち利益剰余金)
|
349,011
(328,562)
(20,448)
|
328,562
(328,562)
(−)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち業務経費)
|
7,763,124
(7,663,795)
|
6,684,447
(6,569,089)
|
||
経常収益
(うち運営費交付金収益)
(うち業務財源受入)
|
7,779,063
(175,138)
(7,600,281)
|
4,360,294
(184,424)
(4,171,888)
|
||
経常利益(△経常損失)
|
15,939
|
△2,324,152
|
||
臨時利益
|
4,509
|
2,234
|
||
当期純利益(△当期純損失)
|
20,448
|
△2,321,917
|
||
当期総利益(△当期総損失)
|
20,448
|
△2,321,917
|
||
(利益の処分又は損失の処理)
|
||||
(当期未処分利益又は当期未処理損失)
|
||||
当期総利益(△当期総損失)
|
20,448
|
△2,321,917
|
||
(利益処分額又は損失処理額)
|
||||
積立金
|
20,448
|
−
|
||
積立金取崩額
|
−
|
2,321,917
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
生産者補給交付金の交付
|
2,158,678
|
683,480
|
生産者積立助成金の交付
|
4,258,055
|
4,401,077
|
ク 債務保証勘定
この勘定は、農畜産業振興事業団が乳業者等の借入金に対して行った債務保証契約に係る業務に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
資産
(うち現金及び預金)
(うち投資有価証券)
|
391,621
(50,494)
(340,000)
|
386,153
(46,012)
(340,000)
|
負債
(うち賞与引当金)
(うち退職給付引当金)
|
1,949
(67)
(1,850)
|
1,994
(73)
(1,854)
|
純資産
(うち資本金)
(うち利益剰余金)
|
389,672
(371,650)
(18,021)
|
384,158
(371,650)
(12,507)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち一般管理費)
|
1,378
(746)
|
1,413
(747)
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経常収益
(うち財務収益)
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5,134
(5,133)
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3,427
(3,426)
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経常利益
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3,755
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2,013
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臨時利益
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1,758
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2,548
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当期純利益
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5,513
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4,562
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当期総利益
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5,513
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4,562
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(利益の処分)
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(当期未処分利益)
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当期総利益
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5,513
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4,562
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(利益処分額)
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積立金
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5,513
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4,562
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なお、この法人について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「国産稲わら等確保促進事業の実施に当たり、補助対象数量に販売の事実がない稲わら等の数量を含めるなどしていたため、補助金が過大に交付されているもの 」を、「第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に「国及び国が資本金の2分の1以上を出資している法人における談合等に係る違約金条項の導入状況等について 」及び「独立行政法人の業務、財務、入札、契約の状況について 」を掲記した。