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  • 平成19年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 2 国が資本金の2分の1以上を出資している法人の決算|
  • [3] 独立行政法人及び国立大学法人等の決算

独立行政法人住宅金融支援機構


(37) 独立行政法人住宅金融支援機構

 この独立行政法人は、一般の金融機関による住宅の建設等に必要な資金の融通を支援するための貸付債権の譲受け等の業務を行うとともに、国民の住生活を取り巻く環境の変化に対応した良質な住宅の建設等に必要な資金の調達等に関する情報の提供その他の援助の業務を行うほか、一般の金融機関による融通を補完するための災害復興建築物の建設等に必要な資金の貸付けの業務を行うことにより、住宅の建設等に必要な資金の円滑かつ効率的な融通を図り、もって国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的として設置されているものである。その資本金は19事業年度末現在で3197億円(全額国の出資)となっている。
 なお、同法人は、19年4月1日、独立行政法人住宅金融支援機構法(平成17年法律第82号)附則第3条の規定により、国が承継する資産を除き、解散した住宅金融公庫(注) の一切の権利及び義務を承継して設立されたものである。
 同法人の会計は、証券化支援、住宅融資保険、財形住宅資金貸付、住宅資金貸付等及び既往債権管理の5勘定に区分して経理されており、その勘定別の19事業年度の貸借対照表、損益計算書及び主な業務実績は次のとおりである。

 住宅金融公庫の19年3月31日現在における貸借対照表上の資産は47兆8096億6099万余円、負債は47兆5128億5458万余円及び資本は2968億0641万余円である。

ア 証券化支援勘定

 この勘定は、証券化の仕組みにより、民間の金融機関による長期・固定金利の住宅ローンの供給を支援する業務に関する経理を行うものである。

(ア) 貸借対照表

区分
19事業年度末
千円
 
 資産
 (うち買取債権)
3,205,530,484
(2,781,728,949)
 
 負債
 (うち債券)
2,950,735,500
(2,653,272,760)
 
 純資産
 (うち資本金)
 (うち繰越欠損金)
254,794,983
(271,300,000)
(16,505,016)
 

(イ) 損益計算書

区分
19事業年度
千円
 
 
経常費用
(うち資金調達費用)
69,747,554
(47,666,956)
 
 
経常収益
(うち資金運用収益)
69,276,053
(68,322,180)
 
 
経常損失
471,501
 
 
特別損失
2,825,947
 
 
当期純損失
3,297,449
 
 
当期総損失
3,297,449
 
(損失の処理)
 
 
 
(当期未処理損失)
 
 
 
当期総損失
3,297,449
 
 
前期繰越欠損金
13,207,567
 
 
(損失処理額)
 
 
 
次期繰越欠損金
16,505,016
 

(ウ) 主な業務実績

区分
19事業年度
 
 買取り
件数
38,806件
 
 
金額
862,902,620千円
 
 買取債権回収等
 (うち任意繰上償還)
 (うち買取債権償却)
金額
128,609,946千円
(73,263,997千円)
(67,575千円)
 
 年度末買取債権残高
件数
133,912件
 
 
金額
2,781,728,949千円
 
 保険関係成立
件数
3,407件
 
 
保険価額
89,413,880千円
 
 
 上記買取債権残高のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に機構において開示している債権
 
 
 
 
 破綻先債権
875,892千円
 
 
 
 延滞債権
3,754,030千円
 
 
 
 3ヵ月以上延滞債権
2,093,853千円
 
 
 
 貸出条件緩和債権
2,762,450千円
 
 計
9,486,227千円
 
 貸倒引当金(注)
 
6,241,743千円
 
 貸倒引当金に計上する金額は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、個々の債権ごとに担保等による回収可能見込額を控除した額とされている。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、個々の債権ごとに担保等による回収可能見込額を控除した残額について、過去の一定期間における実績を踏まえた予想損失率に基づき算出した額とされている。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における実績を踏まえた予想損失率に基づき算出した額とされている。

イ 住宅融資保険勘定

 この勘定は、民間金融機関の住宅ローンについて信用補完を行い、円滑な供給を支援する業務に関する経理を行うものである。

(ア) 貸借対照表

区分
19事業年度末
千円
 
 資産
 (うち有価証券)
32,629,556
(30,612,817)
 
 負債
 (うち保険契約準備金)
19,320,747
(18,733,170)
 
 純資産
 (うち資本金)
 (うち繰越欠損金)
13,308,809
(18,000,000)
(4,691,190)
 

(イ) 損益計算書

区分
19事業年度
千円
 
 
経常費用
(うち保険引受費用)
2,993,728
(2,544,546)
 
 
経常収益
(うち保険引受収益)
3,077,223
(2,653,575)
 
 
経常利益
83,494
 
 
特別利益
222,584
 
 
当期純利益
306,079
 
 
当期総利益
306,079
 
(損失の処理)
 
 
 
(当期未処理損失)
 
 
 
当期総利益
306,079
 
 
前期繰越欠損金
4,997,269
 
 
(損失処理額)
 
 
 
次期繰越欠損金
4,691,190
 

(ウ) 主な業務実績

区分
19事業年度
 
 保険関係成立
件数
5,235件
 
 
保険価額
82,567,675千円
 
 保険金支払
件数
591件
 
 
金額
2,429,794千円
 

ウ 財形住宅資金貸付勘定

 この勘定は、財形貯蓄を行っている勤労者に対し住宅ローンを供給する業務に関する経理を行うものである。

(ア) 貸借対照表

区分
19事業年度末
千円
 
 資産
 (うち貸付金)
1,196,505,362
(1,182,369,593)
 
 負債
 (うち借入金)
 (うち債券)
1,164,940,924
(211,172,000)
(950,410,605)
 
 純資産
 (うち利益剰余金)
31,564,437
(31,564,437)
 

(イ) 損益計算書

区分
19事業年度
千円
 
 
経常費用
(うち資金調達費用)
13,712,065
(11,998,551)
 
 
経常収益
(うち資金運用収益)
20,512,929
(20,464,652)
 
 
経常利益
6,800,863
 
 
特別損失
808,497
 
 
当期純利益
5,992,366
 
 
当期総利益
5,992,366
 
(利益の処分)
 
 
 
(当期未処分利益)
 
 
 
当期総利益
5,992,366
 
 
(利益処分額)
 
 
 
積立金
5,992,366
 

(ウ) 主な業務実績

区分
19事業年度
 
 財形住宅資金貸付け
件数
1,232件
 
 
金額
19,966,120千円
 
 財形住宅資金貸付金回収等
 (うち任意繰上償還)
 (うち貸付金償却)
金額
123,645,928千円
(61,089,530千円)
(103,370千円)
 
 年度末財形住宅資金貸付金残高
件数
113,091件
 
 
金額
1,182,369,593千円
 
 
 上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に機構において開示している債権
 
 
 
 
 破綻先債権
453,457千円
 
 
 
 延滞債権
1,595,672千円
 
 
 
 3ヵ月以上延滞債権
265,322千円
 
 
 
 貸出条件緩和債権
4,882,607千円
 
 
 
 計
7,197,060千円
 
 貸倒引当金(注)
 
2,734,653千円
 
 貸倒引当金に計上する金額は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、個々の債権ごとに担保等による回収可能見込額を控除した額とされている。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、個々の債権ごとに担保等による回収可能見込額を控除した残額について、過去の一定期間における実績を踏まえた予想損失率に基づき算出した額とされている。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における実績を踏まえた予想損失率に基づき算出した額とされている。

エ 住宅資金貸付等勘定

 この勘定は、民間では資金供給が困難な災害関連、密集市街地建替等に限定して融資等を実施する業務、団体信用生命保険(共済)業務、住情報提供業務等に関する経理を行うものである。

(ア) 貸借対照表

区分
19事業年度末
千円
 
 資産
 (うち有価証券)
 (うちその他資産)
 (うち保証債務見返)
1,906,774,662
(405,088,856)
(490,729,502)
(923,502,805)
 
 負債
 (うち債券)
 (うち保証債務)
1,509,399,394
(497,854,850)
(923,502,805)
 
 純資産
 (うち資本金)
 (うち利益剰余金)
397,375,267
(20,800,000)
(376,575,267)
 

(イ) 損益計算書

区分
19事業年度
千円
 
 
経常費用
(うち保険引受費用)
265,723,678
(248,155,962)
 
 
経常収益
(うち保険引受収益)
251,547,146
(231,942,477)
 
 
経常損失
14,176,531
 
 
特別利益
8,788,720
 
 
当期純損失
5,387,811
 
 
目的積立金取崩額
14,789,576
 
 
当期総利益
9,401,765
 
(利益の処分)
 
 
 
(当期未処分利益)
 
 
 
当期総利益
9,401,765
 
 
(利益処分額)
 
 
 
積立金
9,401,765
 

(ウ) 主な業務実績

区分
19事業年度
 
 住宅資金貸付け等
件数
91,576件
 
 
金額
711,008,747千円
 
 住宅資金貸付金回収等
 (うち任意繰上償還)
 (うち貸付金償却等)
金額
90,338,021千円
(6,390,166千円)
(20,027,418千円)
 
 年度末住宅資金貸付金等残高
件数
89,949件
 
 
金額
772,758,878千円
 
 
 上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に機構において開示している債権
 
 
 
 
 破綻先債権
43,889,848千円
 
 
 
 延滞債権
217,729,664千円
 
 
 
 3ヵ月以上延滞債権
530,677千円
 
 
 
 貸出条件緩和債権
13,125,711千円
 
 
 
 計
275,275,902千円
 
 貸倒引当金(注)
 
258,958,137千円
 
 貸倒引当金に計上する金額は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、個々の債権ごとに担保等による回収可能見込額を控除した額とされている。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、個々の債権ごとに担保等による回収可能見込額を控除した残額について、過去の一定期間における実績を踏まえた予想損失率に基づき算出した額とされている。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における実績を踏まえた予想損失率に基づき算出した額とされている。

オ 既往債権管理勘定

 この勘定は、旧住宅金融公庫が16事業年度までに申込みを受理した債権の管理回収業務に関する経理を行うものである。

(ア) 貸借対照表

区分
19事業年度末
千円
 
 資産
 (うち貸付金)
 (うち貸倒引当金)
37,861,735,654
(37,894,902,537)
(812,707,355)
 
 負債
 (うち借入金)
 (うち債券)
38,380,502,932
(32,563,148,000)
(5,403,070,462)
 
 純資産
 (うち資本金)
 (うち繰越欠損金)
△518,767,277
(9,600,000)
(528,367,277)
 

(イ) 損益計算書

区分
19事業年度
千円
 
 
経常費用
(うち資金調達費用)
1,505,105,037
(1,297,906,747)
 
 
経常収益
(うち資金運用収益)
1,329,186,645
(1,244,689,424)
 
 
経常損失
175,918,391
 
 
特別利益
6,615,024
 
 
当期純損失
169,303,367
 
 
当期総損失
169,303,367
 
(損失の処理)
 
 
 
(当期未処理損失)
 
 
 
当期総損失
169,303,367
 
 
前期繰越欠損金
359,063,909
 
 
(損失処理額)
 
 
 
次期繰越欠損金
528,367,277
 

(ウ) 主な業務実績

区分
19事業年度
 
 既往債権回収等
 (うち任意繰上償還)
 (うち貸付金償却)
金額
4,326,693,430千円
(2,358,692,083千円)
(71,407,072千円)
 
 年度末既往債権貸付金残高
件数
2,994,997件
 
 
金額
37,894,902,537千円
 
 
 上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に機構において開示している債権
 
 
 
 
 破綻先債権
256,179,432千円
 
 
 
 延滞債権
910,457,485千円
 
 
 
 3ヵ月以上延滞債権
86,496,015千円
 
 
 
 貸出条件緩和債権
2,023,528,684千円
 
 
 
 計
3,276,661,617千円
 
 貸倒引当金(注)
 
812,707,355千円
 
 貸倒引当金に計上する金額は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、個々の債権ごとに担保等による回収可能見込額を控除した額とされている。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、個々の債権ごとに担保等による回収可能見込額を控除した残額について、過去の一定期間における実績を踏まえた予想損失率に基づき算出した額とされている。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における実績を踏まえた予想損失率に基づき算出した額とされている。

 なお、この法人について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「法人登記に係る登記事項証明書の交付の請求をオンラインで行うことにより、交付手数料の節減を図るよう改善させたもの 」を、「第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に「国及び国が資本金の2分の1以上を出資している法人における談合等に係る違約金条項の導入状況等について 」及び「独立行政法人の業務、財務、入札、契約の状況について 」を掲記した。