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  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第7 財務省|
  • 平成19年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

公務員宿舎赤羽住宅(仮称)整備事業等契約における消費税の取扱いについて


(1) 公務員宿舎赤羽住宅(仮称)整備事業等契約における消費税の取扱いについて

1 本院が要求した適宜の処置

 財務省の関東、東海、近畿各財務局は、平成14、15両年度に公務員宿舎の建設、維持管理等を目的とする5整備事業をPFI事業として事業者と事業契約を締結して実施しており、サービス対価の総額に100分の5を乗じた消費税相当額を契約金額に含めて契約している。当該契約金額に含まれる建設費相当分は年1回の割賦支払となっていて、事業契約に基づいて支払う割賦金利は、建設費相当分の割賦元本を分割して支払うことによる利子相当額と認められる。 しかし、割賦金利に係る消費税相当額が契約金額に含まれないよう、割賦金利の金額を契約書に明示するなど、割賦金利が消費税法(昭和63年法律第108号)に定める課税されない利子等に該当するものであることが明らかになるように事業契約を定めていれば、割賦金利に係る消費税相当額は支払う必要がないのに、これを契約金額に含めて支払を継続している事態は適切とは認められない。
 したがって、各財務局において、事業の支払額の節減を図るために、各契約相手方と協議の上、割賦金利に係る消費税相当額が契約金額に含まれないよう契約変更を求めるなどの処置を講ずるよう、財務大臣に対して20年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

 本院は、財務本省及び各契約相手方において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、財務省は、本院指摘の趣旨に沿い、5整備事業の各契約相手方に対して、割賦金利に係る消費税相当額が契約金額に含まれないよう契約変更を求めるなどの処置を講じていた。
 なお、5整備事業のうち、公務員宿舎三宿第二住宅(仮称)整備事業、公務員宿舎仲田住宅及び千種東住宅整備事業及び公務員宿舎枚方住宅(仮称)整備事業については、21年6月までに割賦金利に係る消費税相当額が契約金額に含まれないようにする変更契約を各契約相手方と締結した。また、他の2整備事業については、国と各契約相手方との間で消費税に係る会計処理についての認識が異なっているなどとしていて、契約変更は困難な状況となっている。