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  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第12 国土交通省|
  • 平成19年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

高齢者の生活特性に配慮した公営住宅において高齢者に対する福祉サービスを提供するために整備された高齢者生活相談所及びLSA専用住戸の利用状況について


(5) 高齢者の生活特性に配慮した公営住宅において高齢者に対する福祉サービスを提供するために整備された高齢者生活相談所及びLSA専用住戸の利用状況について

1 本院が表示した意見

 国土交通省は、シルバーハウジング・プロジェクトによる公営住宅整備事業として、高齢者の生活特性に配慮した公営住宅及び附帯施設を整備する地方公共団体に対して補助金等を交付している。附帯施設として整備された高齢者生活相談所及びライフサポートアドバイザーが居住するための住宅(以下「LSA専用住戸」という。)の利用状況についてみたところ、高齢者生活相談所が十分利用されていなかったり、LSA専用住戸が1年以上空き家となっていたりしている事態が見受けられた。
 したがって、国土交通省において、事業主体に対して、住宅供給者と福祉提供者が高齢者生活相談所の利用方法等について十分協議を行い、策定した事業計画に従って高齢者生活相談所の供給を行うよう周知徹底を図るとともに、利用が十分でない高齢者生活相談所及び利用が見込めなくなったLSA専用住戸を有効に利活用するための方策を示すなどの処置を講ずるよう、国土交通大臣に対して平成20年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

 本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、事業主体に対して、21年7月に厚生労働省と連名で通知を発するなどして、高齢者生活相談所の供給を行うに当たっては、住宅供給者と福祉提供者が連携してその利用方法等について十分検討した上で事業計画を策定するよう周知徹底を図るとともに、高齢者生活相談所及びLSA専用住戸の利活用を検討する際の参考に資するため、同年6月及び7月に、これらを有効に利活用している事例集を配布して情報提供を行っていた。