国土交通省、警察庁、総務省、国税庁(以下「4省庁」という。)等は、自動車の検査・登録、自動車保管場所証明の申請等の手続を関係各機関に赴いて行う申請者等の負担を軽減して、行政事務の効率化を図るために、平成17年12月から、インターネット上で一括して手続を行うことのできるワンストップサービス(以下「サービス」という。)の供用を開始している。しかし、自動車の購入時にサービスの利用を選択することで代理申請手数料を節減し得ることが購入者に十分周知されていないこと、自動車販売事業者等はサービスを利用することで登録予定日を想定しづらくなることなどから、サービスの開発費及び維持関係費用が多額に上っているにもかかわらず、サービスの利用率が低迷していてサービスの効果が十分発現していない事態が見受けられた。
したがって、4省庁において、自動車の購入者へサービスの周知を図り、利用者等の意見等を的確に捉えた方策を講じて、システムの改善を図るなどして利便性を向上させるとともに、その利用状況等を勘案して、システム機器等を的確な性能及び構成としたり、深夜の時間帯等における運用休止時間を適切に設定したりするなどして、維持管理費用の節減を図るよう、国土交通大臣、警察庁長官、総務大臣及び国税庁長官に対して20年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。
本院は、4省庁において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、4省庁は、本院指摘の趣旨に沿い、21年4月までに、サービスが自動車の購入者に十分周知されるよう、ポスターの掲示とチラシの配布を行ったり、自動車税の納付書や広報誌等によりサービスの広報を行ったりなどするとともに、利用者の利便性に資するよう、自動車の登録審査日数をホームページに掲載するなどシステムの改善を図った。また、サービスに接続されていない検査標章印刷用プリンターを撤去したり、深夜の時間帯等におけるサービスのシステム監視要員を削減したりして、費用の節減を図った。