国土交通省は、港湾整備事業等に係る工事の監督等の業務を行うために港湾業務艇(旧監督測量船)を所有している。港湾業務艇には年間運航日数の少ないものがある一方、同じ目的で使用するために船舶等を借り上げている用船契約の中には年間運航日数の多いものもある状況となっていて、港湾業務艇が効率的に運用されていないのに、その配置を各港湾事務所等の業務量、業務内容等に応ずるなどして計画的に見直すことなどが十分に行われていない事態が見受けられた。
したがって、国土交通省において、港湾業務艇の全国的な配置を見直すことを含めた運用等に関する基本的な方針を策定するなどの処置を講ずるよう、国土交通大臣に対して平成20年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、20年12月に、港湾業務艇の配置の考え方を含めた運用等に関する基本的な方針として、その運用を効率的に行うため、港湾業務艇の運用状況について毎年点検・分析を行い、必要に応じて配置を見直すことなどを内容とする「港湾業務艇の配置及び運用に関する基本方針」を作成して地方整備局等に対して通知を発する処置を講じていた。