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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第12 経済産業省|
  • 平成20年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

独立行政法人日本貿易振興機構が保有する保証金について


(3) 独立行政法人日本貿易振興機構が保有する保証金について

平成20年度決算検査報告 参照)

1 本院が表示した意見

 独立行政法人日本貿易振興機構(以下「機構」という。)は、資産として保有する保証金204億5580万余円を民間業者に預託して運用させ、その利息収入によりコンテンツ産業国際展開支援等の事業を行っている。しかし、保証金の保有額が当該利息収入により実施している事業の規模に見合っていなかったり、事業の実施方法がいったん契約すると長期間同一業者との契約が継続されることになっていたりなどしていて、資産保有の妥当性や事業の競争性、透明性確保等の面から適切とは認められない事態が見受けられた。
 したがって、経済産業省において、預託した保証金の利息収入により行うという事業の実施方法について見直すとともに保証金を含めた資産の保有規模を適正なものとするよう機構に検討させて、不要となる資産は国庫に返納させることができることとする処置を講ずるよう、経済産業大臣に対して平成21年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局の処置状況

 本院は、経済産業本省及び機構本部において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、経済産業省は、本院指摘の趣旨に沿い、機構に対して、保証金を預託先に運用させ、その利息収入を事業費に充てるという事業の実施方法の見直し及び機構が保有する資産の適正な規模について検討するよう指導・助言していた。その結果、機構は、当該実施方法を見直した上で、預託先と協議するなどして保証金を順次回収するとともに、資産の保有規模を適正なものとするため204億5580万余円を国庫に返納することとした。そして、22年9月末現在、機構は、204億5580万余円のうち116億3080万余円を回収し、残余の88億2499万余円については回収に向けて預託先と調整を続けている。
 また、不要な資産を国庫に返納させる制度の整備については、「独立行政法人通則法の一部を改正する法律」(平成22年法律第37号)が22年5月28日に公布され、6か月以内に施行されることとなったことを受けて、不要財産を国庫返納するための処理方法等について検討を行っている。