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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第15 防衛省|
  • 平成19年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

廃電池の管理について


廃電池の管理について

 

1 本院が要求した適宜の処置

 海上自衛隊は、潜水艦救難母艦等に搭載されている深海救難艇等に電力を供給するために使用している銀電池が使用済みなどになった場合には、その廃電池から粗銀を回収して、この粗銀を精製した精製銀を銀電池製作時の官給品として使用するが、廃電池から回収が見込まれる粗銀の精製銀換算量が5か年分の官給所要量を超えた場合には、超えた量に相当する廃電池について、年度処分計画を定めて売り払うこととしている。しかし、年間の官給所要量から推計すると、粗銀及び精製銀は約10か年分に相当する量が、また、廃電池から回収が見込まれる粗銀は約17か年分に相当する量がそれぞれ舞鶴地方総監部等に保管されていて、保管量が5か年分の官給所要量を大幅に超えているにもかかわらず、廃電池の売払いが行われていない事態が見受けられた。
 したがって、海上自衛隊補給本部において、粗銀、精製銀及び廃電池の保管状況を勘案した銀回収サイクルを十分に検討した上で、5か年分の官給所要量を超える廃電池について全体保管数を対象とした処分計画を作成するなどして、これらの廃電池を速やかに売り払う処置を講ずるよう、海上自衛隊補給本部長に対して平成20年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

 本院は、海上自衛隊補給本部及び舞鶴地方総監部等において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、海上自衛隊補給本部は、本院指摘の趣旨に沿い、21年8月以降、舞鶴地方総監部での売払いを順次実施するとともに、同年12月に、「海上自衛隊補給実施要領」(平成18年補本装補第2072号)を改正し、他の地方総監部地区での売払いを可能にすることなどにより廃電池の全体保管数をほぼ5年で処分することを内容とする中期処分計画を策定して、22年2月以降、同計画に基づき、舞鶴、呉、横須賀各地方総監部において、廃電池を売り払う処置を講じていた。