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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第31 独立行政法人住宅金融支援機構|
  • 平成20年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

賃貸住宅貸付けにおける賃貸条件の制限違反について


(1) 賃貸住宅貸付けにおける賃貸条件の制限違反について

(平成20年度決算検査報告参照)

1 本院が要求した適宜の処置及び求めた是正改善の処置

 独立行政法人住宅金融支援機構(以下「機構」という。)は、旧住宅金融公庫の賃貸住宅貸付けについて、借受者が住宅の賃貸に当たり、賃借人から礼金等の金品を受領したり、その他賃借人の不当な負担となることを賃貸の条件としたりしてはならないこととしている。しかし、借受者等において賃貸条件の制限があることについての認識が欠如していたり、機構において賃貸住宅の実態調査について本店から支店へ明確な指示をしていなかったりなどしたため、借受者が賃借人から礼金を受領しているなど賃貸条件の制限に違反している事態が見受けられた。
 したがって、機構において、賃貸条件の制限に違反している71件の貸付けについて、借受者に対して賃借人に礼金等の返還等を行わせるとともに、他のすべての賃貸住宅貸付けについて賃貸条件の制限違反の有無を調査して、違反しているものがあれば速やかに同様の処置を講じ、また、借受者等に賃貸条件の制限が遵守されるよう周知を図り、実態調査を毎年確実に実施するなどの処置を講ずるよう、独立行政法人住宅金融支援機構理事長に対して平成21年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。

2 当局の処置状況

 本院は、機構本店において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、機構は、本院指摘の趣旨に沿い、賃貸条件の制限に違反している71件の貸付けについては、借受者に対して賃借人に礼金等の返還を行わせるなどの処置を講じていた。また、賃貸条件の制限に関する借受者等に対する周知については、機構のホームページに掲載したり、借受者や不動産仲介業者等に改めて周知を行ったりするなどの処置を講じていた。
 そして、上記71件を含む既に調査を終了していたもの以外の賃貸住宅貸付けについては、賃貸条件の制限違反の有無を順次調査しており、調査の結果、違反のあった貸付けについては是正をさせることとしている。また、毎年の実態調査の実施については、上記の調査結果を踏まえて、実施細則等を整備することとしている。