税務署長が国税を還付する場合には、所定の日の翌日から還付金又は過誤納金の支払決定日までの期間(以下「計算期間」という。)に応じて算出した還付加算金を付して還付することとされている。しかし、法人税及び消費税の確定申告後の更正に基づく中間納付額等の還付金について、還付加算金の計算期間に税務当局が還付金の発生を認識できないなどの期間が含まれているため還付加算金が多額に支払われていて、確定申告後の更正に基づく申告納税額の過誤納金に係る還付加算金の場合との均衡を欠いている事態が見受けられた。
したがって、財務省において、確定申告により確定した法人税及び消費税が更正に基づき中間納付額等の還付金として還付される場合における還付加算金の計算期間について、申告納税額の過誤納金に係る還付加算金の計算期間との均衡を考慮した適切なものとするよう、財務大臣に対して平成22年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。
本院は、財務本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、財務省は、本院指摘の趣旨に沿い、確定申告により確定した法人税及び消費税が更正に基づき中間納付額等の還付金として還付される場合における還付加算金の計算期間について、確定申告書の提出期限の翌日から更正の日の翌日以後1月を経過する日までの日数は当該計算期間に算入しないこととするなどの法人税法(昭和40年法律第34号)及び消費税法(昭和63年法律第108号)の一部改正を含む「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」を作成する処置を講じていた。
そして、「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」(平成23年法律第82号)は、23年6月30日に公布され、法人税法及び消費税法に係る上記の改正部分については24年1月1日から施行することとされた。