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  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第8 厚生労働省|
  • 平成21年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

特別会計への一般会計からの繰入れの適正化等について


(3) 特別会計への一般会計からの繰入れの適正化等について

平成21年度決算検査報告参照

1 本院が要求した適宜の処置及び求めた是正改善の処置並びに要求した改善の処置

 労働保険特別会計の雇用勘定では、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第105条の規定により、一般会計からの繰入金が雇用保険法(昭和49年法律第116号)第66条等の規定による国庫負担金の額に対して超過した場合には、当該超過額に相当する金額は翌年度において国庫負担金として一般会計から受け入れる金額から減額することとされている。しかし、平成19年度の繰入超過額が20年度の繰入額から減額されておらず、一般会計からの繰入金が過大に繰り入れられている事態が見受けられた。また、年金特別会計の健康勘定では、旧厚生保険特別会計において生じた損失の額等の累積債務に係る利子の支払財源に充てるための額を一般会計から繰り入れている。その額は借入金の借換予定額に予算積算利率を乗じて得た額等を基に算出されているが、借換えの実績利率が予算積算利率より低かったことから、累積債務に係る利子の支払実績額がその歳出予算額を下回っているのに、一般会計からの繰入れを減額していない事態が見受けられた。
 したがって、厚生労働省において、労働保険特別会計の雇用勘定については、これまでの繰入超過額を一般会計からの繰入金から速やかに減額等するとともに、今後は繰入超過額の減額等を適正に行う処置を講ずるよう、また、年金特別会計の健康勘定については、利子の支払に実際に必要となる額のみを一般会計から繰り入れることにより、一般会計からの繰入額を抑制する処置を講ずるよう、厚生労働大臣に対して22年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求め並びに同法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

 本院は、厚生労働本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、厚生労働省は、本院指摘の趣旨に沿い、特別会計への一般会計からの繰入れを適正化するとともに、繰入額を抑制するよう、次のような処置を講じていた。

ア 労働保険特別会計の雇用勘定において、22年度は、これまでの繰入超過額1437億7066万余円を一般会計からの繰入金から減額することとし、23年度以降は、前年度の繰入超過額を当年度の一般会計からの繰入金から減額するなどすることとした。
イ 年金特別会計の健康勘定において、22年度は、これまでの繰入超過額を勘案し、新規に繰入れを行わないこととし、23年度以降は、繰入超過が解消され新規の繰入れの必要が生じた場合には、利子の支払に実際に必要な金額のみを一般会計から繰り入れることとした。