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  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 農林水産省|
  • 平成21年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

農地保有合理化法人機能強化事業の運営について


(7) 農地保有合理化法人機能強化事業の運営について

平成21年度決算検査報告参照参照

1 本院が要求した改善の処置

 農林水産省は、社団法人全国農地保有合理化協会が農地保有合理化法人機能強化事業を行うために必要な資金の財源に充てるための基金を造成する事業に要する経費に対して国庫補助金を交付しており、同協会は、この基金を取り崩して、都道府県の区域を事業実施区域とする農地保有合理化法人(以下「農業公社」という。)が経営転換タイプ事業により買い入れた農用地等(以下「対象農用地等」という。)を売り渡す際に発生した売買差損額を対象として、農業公社に助成金を交付する時価売渡経費助成事業(以下「助成事業」という。)を実施している。そして、助成事業においては、対象農用地等を一時貸し付けている間の小作料収入等を財源にした地価変動のための準備金を農業公社が積み立てていることを助成の要件としているが、助成事業終了後に、準備金に残額がある場合には、これを優先して売買差損額に充てることとして助成金を精算すれば、同協会は、準備金の残額に相当する額の助成金を結果として交付する必要がなかったことになる。しかし、農業公社において、準備金の区分経理を行っておらず、その収支が不明であるとして、助成事業終了後の準備金の残額を把握しておらず、この準備金の残額に相当する額の助成金が交付されたままとなっている事態が見受けられた。
 したがって、農林水産省において、助成事業実施期間中における農業公社の準備金の収支を明確にした上で、助成事業終了後の準備金の残額に相当する額の助成金を国庫に返還させるよう、農林水産大臣に対して平成22年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

 本院は、農林水産本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、22年10月に社団法人全国農地保有合理化協会に対して文書を発出して、助成事業実施期間中に農業公社が積み立てた準備金の収支を明確にした上で、23年3月までに助成事業終了後の準備金の残額に相当する額の助成金を国庫に返還させる処置を講じていた。