気象庁は、地方公共団体が管理する空港の一部に航空気象観測所を設置して、航空気象観測、当該空港に駐在する航空会社等の運航従事者等からの照会に対する観測データの提供(以下「照会応対業務」という。)等の業務を地方公共団体等に委託して実施している。そして、委託費の積算に当たり、照会応対業務に係る費用については、原則として定期便の発着回数を同業務の積算回数としている。しかし、近年、運航従事者等が自らのコンピュータ端末を利用して観測データを取得していることなどから、照会応対業務の実際の実施回数が、積算回数を大幅に下回っている事態が見受けられた。
したがって、気象庁において、照会応対業務に係る費用の積算が業務の実態に即した経済的なものとなるよう積算基準を改正するなどの処置を講ずるよう、気象庁長官に対して平成22年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、気象庁本庁において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、気象庁は、本院指摘の趣旨に沿い、照会応対業務に係る費用については、定期便の発着回数に基づいて積算するのではなく、業務の実態を把握した上でこれに基づいて積算することとして、23年1月に、積算基準を改正し、23年度契約から適用する旨を各管区気象台等に対して周知徹底する処置を講じていた。