(平成21年度決算検査報告 参照)
財団法人塩事業センター(以下「センター」という。)は、生活用塩供給業務及び塩備蓄業務を行っており、これらの業務に係る経理については生活用塩供給等業務特別勘定(以下「塩業務特別勘定」という。)を設けて整理している。そして、塩業務特別勘定における平成21事業年度末の資産合計は619億余円となっており、このうち投資有価証券等は483億余円を占めている。しかし、塩備蓄業務については、毎年備蓄量に応じて管理費等に相当する額の事業損失が生じており、これを投資有価証券等の受取利息等で補填する結果となっている。
したがって、センターにおいて、国内の製塩業者の立地状況、民間事業者が有する在庫の活用可能性等を踏まえて塩の備蓄量を見直して塩備蓄業務に要する経費を削減させることにより塩備蓄業務において生ずる事業損失を縮減し、これにより余剰となる投資有価証券等の資産を国庫に納付するなどの措置を講ずるよう、財団法人塩事業センター理事長に対して22年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。
本院は、センターにおいて、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、センターは、本院指摘の趣旨に沿い、民間事業者が有する在庫の活用可能性等を踏まえて塩の備蓄量を見直して、塩備蓄業務に要する経費を削減させることにより塩備蓄業務において生ずる事業損失を縮減し、これにより余剰となる投資有価証券等を売却して、23年5月に塩業務特別勘定から404億余円を国庫に納付する処置を講じていた。