部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(287) | 国土交通本省 | 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構 | 財団法人世田谷トラストまちづくり(注) | 地下駅火災対策施設整備 | 17〜20 | 1,667,988 (1,667,988) |
555,996 | 18,423 (18,423) |
6,141 |
この補助事業は、財団法人世田谷トラストまちづくり(以下「財団」という。)が、地下駅火災対策施設整備事業として、鉄道事業者が運営する5駅において、排煙設備及び避難通路(以下「排煙設備等」という。)の新設に係る土木工事等を委託工事費計1,667,988,500円(国庫補助金計555,996,166円)で鉄道事業者に委託して実施したものである。
地下駅火災対策施設整備事業費補助交付要綱(平成16年国鉄施第39号)によると、補助対象事業費は、排煙設備等を新設するための駅施設の改良工事に要する経費とされている。
財団は、本件委託工事費の算定に当たり、排煙設備等を設置するための工事に要する費用とこれに伴い支障となる既存の鉄道施設の移設等を行うための工事に要する費用(以下「移設等工事費」という。)を区分することなく、これらを合わせた計1,588,615,876円に、この額を課税対象とするなどして算定した消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)相当額79,372,624円を加算して計1,667,988,500円としていた。そして、財団は、その全額を補助対象事業費として、前記のとおり、計555,996,166円の国庫補助金の交付を受けていた。
しかし、移設等工事費については、鉄道事業者が所有する鉄道施設に係る工事費を財団が負担するものであり、工事を行った後の資産は鉄道事業者に帰属するものであることから、消費税法(昭和63年法律第108号)上の資産の譲渡等の対価に該当せず、消費税の課税対象外として処理しなければならないのに、財団は移設等工事費計328,143,756円に係る消費税相当額16,407,184円を補助対象事業費に含めていた。
また、財団は、排煙設備等を新設するための駅施設の改良工事には該当しないパンフレットラックの設置等に要した費用計2,015,978円を補助対象事業費に含めていた。
したがって、本件委託工事費計1,667,988,500円のうち、移設等工事費に係る消費税相当額16,407,184円は過大となっており、また、パンフレットラックの設置等に要した費用計2,015,978円は補助の対象とならず、これらの合計18,423,162円に係る国庫補助金相当額6,141,052円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、財団において委託工事費の算定に当たり移設等工事費に係る消費税の取扱いについての理解が十分でなかったこと、本件補助事業の対象となる費用についての検討が十分でなかったこと、国土交通省及び独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構において補助事業における消費税の取扱いなどについての財団に対する指導及び審査が十分でなかったことなどによると認められる。