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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 国土交通省|
  • 平成21年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

補助事業で取得した下水道用地の利用状況等について


(3) 補助事業で取得した下水道用地の利用状況等について

1 本院が表示した意見並びに要求した適宜の処置及び求めた是正改善の処置

 国庫補助事業により取得した終末処理場等の下水道用地において、未利用となっているものが多数あり、これらの中には、下水道計画上利用見込みがなくなっているものや、下水道計画を適切に見直すことにより利用が見込まれないこととなるもの又はその可能性があるものや、財産処分の承認を受けずに目的外使用を行っているものなどが見受けられた。
 したがって、国土交通省において、事業主体に対して、〔1〕 社会情勢の変化等を的確に反映した下水道計画等の見直しを早急に行い、施設の建設に必要な面積と不要な面積とを区分するなどの具体的な検討を求めるなどして、不要となった用地については譲渡等による有効活用を図らせたり、〔2〕 用地の取得に当たっては利用が早期に図られるものを可能な限り優先するよう周知徹底したり、〔3〕 目的外使用を行っているものについて財産処分の承認手続等をとらせるとともに、今後、法令等を遵守して、適正な手続及び所要の国庫納付を行うよう周知徹底したりするなどの処置を講ずるよう、国土交通大臣に対して平成22年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示し、並びに同法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

 本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、22年12月に事業主体に対して事務連絡を発するなどして、次のような処置を講じていた。

ア 速やかに下水道計画の点検を実施するとともに、既計画における想定と実態に差違が生じている場合には、建設予定の施設等の必要性、規模、配置等について具体的に検討し、終末処理場等の用地についても、必要な面積の精査を行うなどして下水道計画の見直しを行うことを周知徹底した。また、今後は、具体的な用地の利用状況等について適宜報告を求めることとし、さらに、将来も下水道事業に利用する見込みがなくなった用地については、譲渡等による有効活用を図ることを周知徹底した。

イ 今後の用地取得に当たっては、交付の目的に沿った利用が早期に図られるものについて可能な限り優先するとともに、今後の交付金による用地取得の範囲を十分確認した上で交付申請を行うことを周知徹底した。

ウ 今後の用地の財産処分に当たっては、法令等を遵守して、適正な手続をとることとし、承認を受けないで財産処分を行っていたり、管理協定等を締結していなかったりしていた下水道用地については、速やかに法令等にのっとった所要の手続をとることを周知徹底した。

 そして、財産処分の承認手続等が必要な延べ85事業主体のうち延べ3事業主体については、23年3月に発生した東日本大震災により下水道用地が被災して目的外使用を継続することができなくなったことから手続を要しないことになり、これらを除いた全ての事業主体については、24年3月までに所要の手続等を完了した。