移動等円滑化に係る事業の実施に当たり、市町村において、施設設置管理者と連携した一体的な取組がなされておらず、生活関連経路の歩道に視覚障害者誘導用ブロック(以下「誘導ブロック」という。)を整備した効果が十分発現していない事態、駅前広場や歩道等のエレベーター、バス停留所及び車両乗入れ部において、障害者等が円滑に乗降又は移動できない状況となっている事態、誘導ブロック等を整備した歩道において、仮設の誘導ブロックを敷設することを占用工事等の許可条件等としていない事態、歩道拡幅等の移動等円滑化に資する踏切道拡幅工事において、鉄道事業者との間で十分な検討及び協議を行わないまま道路管理者が障害物検知装置の設置費用を負担している事態が見受けられた。
したがって、国土交通省において、移動等円滑化に係る事業が計画的かつ効果的に実施され、踏切道等における事業が適切に実施されるよう、市町村に対して、生活関連経路の施設整備の効果を十分に発現させるため施設設置管理者と緊密に連携するよう周知したり、施設設置管理者に対して、エレベーター等の整備において設置場所等に応じた構造等を十分検討した上で実施することなどを周知したり、占用工事等について許可条件等の重要性を周知したり、踏切道拡幅工事を行う場合における障害物検知装置の費用負担の方法等について改めて周知するとともに必要な検討及び協議を行うことなどを周知したりするよう、国土交通大臣に対して平成23年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求し、及び同法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。