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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 国土交通省|
  • 平成22年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

岸壁の利用状況について


(6) 岸壁の利用状況について

平成22年度決算検査報告参照

1 本院が表示した意見

 国土交通省及び港湾管理者は、港湾整備事業として岸壁等の係留施設等の整備を実施している。しかし、船舶の大型化傾向により大水深岸壁を整備したものの航路及び泊地の整備がこれに対応していなかったり、貨物需要が十分見込めるものの所要の静穏度が確保されていないため荷役障害が発生していたり、連続するバース(一隻の船舶が占める施設の単位)から成り供用までに長期間を要する岸壁の整備を一括して行っていたことから貨物需要の動向の変化に対応できていなかったりしていたため、岸壁の利用が低調となっている事態が見受けられた。
 したがって、国土交通省において、今後整備される岸壁が十分に利用され、岸壁、航路及び泊地が一体として機能するよう、港湾整備に関する港湾管理者との間の調整が十分に図られる体制を整えたり、貨物需要の動向等を十分踏まえて防波堤等の整備を促進する体制を整えたり、貨物需要の動向に柔軟に対応できる整備方法を採ったりすることについて港湾管理者に助言等を行うとともに、既に整備された岸壁が有効活用されるように、これら岸壁に係る航路、泊地及び防波堤について投資の重点化を図るよう、国土交通大臣に対して平成23年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

 本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 国土交通本省は、24年3月に地方整備局等に対して事務連絡を発し、これを受けて、地方整備局等は、〔1〕 岸壁、航路及び泊地が一体として機能して対象船舶が支障なく入港できるよう、港湾整備に関して、地方整備局等と港湾管理者との相互間の調整が十分に図られる体制を整えたり、〔2〕 所要の静穏度が確保されていないことによる荷役障害が生ずることがないよう、貨物需要の動向等を十分踏まえて防波堤等の整備を促進する体制を整えたり、〔3〕 連続するバースから成り供用までに長期間を要する岸壁を整備する際には、貨物需要の動向に柔軟に対応できる整備方法を採ったりするよう港湾管理者へ助言するなどしていた。

イ 国土交通本省は、既に整備された岸壁が有効利用されるよう、これらの岸壁に係る航路、泊地及び防波堤について24年度予算において投資の重点化を図った。