各地方防衛局は、駐留軍等労働者に対する給与の口座振込みなどの事務を銀行へ委託する際に、振込先を一つの口座に限定せず、駐留軍等労働者の希望する一定額をもう一つの口座に振り込むことを認める取扱いとしていた。しかし、駐留軍等労働者は、転居を伴う異動がほとんどないことなどから、金融機関のサービス向上等の状況を踏まえると、給与の全額を原則として一つの口座に振り込むこととしても利便性を著しく損なうことにはならないと認められた。
したがって、防衛省において、駐留軍等労働者に対する給与の振込先を原則として一つの口座とすることにより、口座振込みに係る委託費の節減を図る処置を講ずるよう、防衛大臣に対して平成23年9月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、防衛本省及び各地方防衛局において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、防衛省は、本院指摘の趣旨に沿い、24年3月に駐留軍等労働者の給与の振込先を原則として一つの口座と定める旨の通知を発して各地方防衛局への周知徹底を図るとともに、各地方防衛局は24年度の銀行との委託契約に当該通知の内容を反映させるなどして、委託費の節減を図る処置を講じていた。