独立行政法人都市再生機構(以下「機構」という。)は、賃貸住宅団地内の居住者の利便に供する施設の用に供するため、賃貸住宅団地内の敷地を多数貸与している。しかし、市町村等に無償で使用させている敷地について、固定資産税等の非課税の申告や減免の申請をしていなかったり、敷地の使用者に固定資産税等相当額の負担を求めていなかったり、賃貸している敷地について、賃貸料を固定資産税等相当額より低い額としていたりしている事態が見受けられた。
したがって、機構において、これらの敷地について、非課税の申告や減免の申請をしたり、使用者に固定資産税等相当額の負担を求めたり、賃借人に固定資産税等相当額以上の額まで賃貸料の増額を求めたりするとともに、賃貸住宅団地内の敷地を貸与している支社等に対して、今後敷地を無償で使用させる場合は、非課税の申告又は減免の申請をしたり、使用者に固定資産税等相当額の負担を求めたり、賃貸する場合は、少なくとも固定資産税等相当額以上の賃貸料としたりするよう周知し、定期的に賃貸料を見直すよう指導して、賃貸住宅団地内の敷地の貸与を適切かつ経済的に行うよう、独立行政法人都市再生機構理事長に対して平成23年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。
本院は、機構本社において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、機構は、本院指摘の趣旨に沿い、24年3月までに、次のような処置を講じていた。
ア 賃貸住宅団地内の敷地を貸与している支社等は、無償又は低額の賃貸料により貸与している38施設の敷地について、地方団体に固定資産税等の非課税の申告や減免の申請をしたり、使用者に固定資産税等相当額の負担を求めたり、賃借人に固定資産税等相当額以上の額まで賃貸料の増額を求めたりするなどした。
イ 支社等に対して、通知を発するなどして、〔1〕 敷地を無償で使用させる場合は、地方団体に固定資産税等の非課税の申告又は減免の申請をすること、〔2〕 非課税とならない場合は、使用者に固定資産税等相当額の負担を求めること、〔3〕敷地を賃貸する場合は、少なくとも固定資産税等相当額以上の賃貸料を求めることを周知するとともに、定期的に賃貸料を見直すことを指導した。