厚生労働省は、生活保護法(昭和25年法律第144号)等に基づき、都道府県又は市町村(特別区を含む。以下、これらを合わせて「事業主体」という。)に生活保護費等負担金を交付しており、事業主体は被保護世帯を単位として算定される生活費の額から被保護世帯における就労に伴う収入、手当収入等を基に収入として認定(以下「収入認定」という。)される額を控除して決定された保護費の額を支給することとなっている。しかし、都道府県や市の福祉事務所等が支給事務等を行っている特別児童扶養手当等の収入認定が適時かつ適正に行われていない事態が見受けられた。
したがって、厚生労働省において、特別児童扶養手当等の収入が適時かつ適正に認定されるよう、①事業主体に対して、特別児童扶養手当等の受給資格の有無を関係部署に対して調査して確実に収入認定を行えるようにするために、組織的な業務管理を徹底するなど更なる体制の整備を図るよう技術的助言を行うとともに、②生活保護法施行事務監査の際に、特別児童扶養手当等の受給の確認や収入認定が適正に行われていない事業主体に対する指導を徹底するよう、厚生労働大臣に対して平成24年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、厚生労働本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、厚生労働省は、本院指摘の趣旨に沿い、25年5月に都道府県等に通知を発するなどして、次のような処置を講じていた。